第3編 株式会社 第7章 計算
SH1500H24-46K 計算 A
株式会社の計算に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.会社が資本金の額を減少する場合には,その会社の債権者は,その会社に対し,これについて異議を述べることができる。
イ.資本金の額の減少の無効は,訴えをもってのみ主張することができる。
ウ.会社が準備金の額を減少する場合において,その減少額の全部を資本金とするときは,その会社の債権者は,その会社に対し,準備金の額の減少について異議を述べることができない。
エ.取締役会設置会社が剰余金の額を減少する場合において,その減少額の全部を準備金とするときは,取締役会の決議によって剰余金の額の減少をすることができる。
オ.会社が剰余金の処分として任意積立金の積立てをする場合には,定時株主総会の決議によらなければならない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 5
SH1510H25-47K 株式会社の資本金の額 B
株式会社の資本金の額に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.会社を設立する際に作成すべき定款には,資本金の額を記載し,又は記録しなければならない。
イ.会社が資本金の額を減少する場合には,それと同時に株式の発行が行われることにより,その資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額がその日前の資本金の額を下回らないときであっても,その会社の債権者は,その資本金の額の減少について異議を述べることができる。
ウ.取締役会設置会社が資本金の額を減少する場合において,減少する資本金の額の全部を準備金とするときは,その資本金の額の減少については,株主総会決議を要せず,取締役会決議によってこれを行うことができる。
エ.監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある会社の監査役は,資本金の額の減少の無効の訴えを提起することができない。
オ.会社が資本金の額を減少したときは,その会社は,その本店の所在地のみならず,その支店の所在地においても,変更の登記をしなければならない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 3
SH1520H27-23Y 資本金及び準備金 A
株式会社の資本金に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.資本金の額は,会社の財産の増減と連動して増減する。
イ.資本金は,貸借対照表において,資産の部に計上される。
ウ.募集株式の発行に際して,株主となる者が会社に対して払込み又は給付をした財産の額の2
分の1を超えない額を資本金として計上しないときは,資本金として計上しない額は,利益準備金として計上しなければならない。
エ.自己株式の処分により,資本金の額は増加しない。
オ.資本金の額の減少は,債権者異議手続が終了していないときは,その効力を生じない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 5
SH1530H29-23Y 資本金 B
株式会社の資本金及び準備金に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.会社は,剰余金の配当をする場合において,当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を準備金として計上しなければならないときは,当該額を利益準備金として計上しなければならず,資本準備金として計上することができない。
2.取締役会設置会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において,当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは,取締役会の決議により資本金の額を減少することができる。
3.資本金又は準備金の額の減少は,その手続に違法がある場合であっても,当然には無効とならず,その無効は,訴えをもってのみ主張することができる。
4.取締役会設置会社において,剰余金の額を減少して資本金の額を増加することは,株主総会の決議によらなければならないが,剰余金の額を減少して準備金の額を増加することは,取締役会の決議によりすることができる。
5.会社が定時株主総会の決議により資本金の額を減少する場合において,減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額を超えないときは,当該会社の債権者は,当該会社に対し,資本金の額の減少について異議を述べることができない。
解答 2
SH1540R01-23Y 資本金及び準備金 B
株式会社の資本金及び準備金に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式会社が取得条項付新株予約権を取得するのと引換えに当該取得条項付新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新たに発行する株式を交付するときは,当該株式会社は,資本金の額を増加することができない。
イ.株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において,当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは,当該株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,当該資本金の額の減少について異議を述べることができない。
ウ.株式会社が準備金の額を減少する場合において,減少する準備金の額の全部を資本金とするときは,当該株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,当該準備金の額の減少について異議を述べることができない。
エ.株式会社が剰余金の額を減少して,資本金の額を増加するには,株主総会の特別決議によらなければならない。
オ.株式会社における資本金の額の減少について承認をしたものとみなされた債権者は,当該資本金の額の減少の無効の訴えを提起することができない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
SH1550R02-23Y 資本金の額 A
株式会社の資本金の額及び発行済株式の総数に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式会社が自己株式を消却することにより,発行済株式の総数は減少するが,資本金の額は減少しない。
イ.株式会社が株式の併合をすることにより,発行済株式の総数は減少するが,資本金の額は減少しない。
ウ.株式会社がその処分する自己株式を引き受ける者の募集をし,自己株式を処分することによ
り,発行済株式の総数は増加しないが,資本金の額は増加する。
エ.資本金の額は,株式会社の業績と連動して増加し,又は減少する。
オ.発行済株式の総数が増加し,又は減少した場合には,変更の登記をしなければならない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 5
SH1551R03-23Y 株式会社の計算 B
株式会社の計算に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.株式会社が資本金の額を減少する場合には,当該株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,資本金の額の減少について異議を述べることができる。
2.株式会社は,株主総会の決議によることなく,剰余金の額を減少してその分を準備金とすることができる。
3.設立に際して株主となる者が株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額のうち資本金として計上しないこととされた額は,資本準備金として計上されなければならない。
4.株式会社における準備金の額の減少は,訴えによらなくてもその無効を主張することができる。
5.株式会社は,資本金の額を減少した場合には,変更の登記をしなければならない。
解答 2
SH1560H26-47K 剰余金の配当 B
株式会社の剰余金の配当に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,この会社の純資産額は,300万円を下回らないものとする。
ア.判例によれば,株主の会社に対する剰余金配当請求権は,剰余金の配当に関する事項が株主総会又は取締役会の決議によって定められる前においても,株式から分離して,これを第三者に譲渡することができる。
イ.判例によれば,会社は,定款において,剰余金の配当につき,効力発生日から5年を経過しても請求がないときはその支払義務を免れる旨を定めることができない。
ウ.会計監査人設置会社でない会社が,定款の定めに基づき,1事業年度の途中において1回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当をする場合には,その配当財産は,金銭でなければならない。
エ.金銭以外の財産を配当財産とする剰余金の配当をするには,当該配当財産に代えて金銭を交付することを会社に対して請求する権利を株主に与えるか否かにかかわらず,株主総会の特別決議によらなければならない。
オ.会社が分配可能額を超えて剰余金の配当をした場合には,会社の債権者は,その債権額を上限として,剰余金の配当を受けた株主に対し,交付を受けた配当財産の帳簿価額に相当する金銭を直接自己に支払うよう請求することができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
SH1570H30-24Y 剰余金の配当 B
種類株式発行会社でない会社法上の公開会社における剰余金の配当に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,当該公開会社の純資産額は,300万円を下回らないものとし,また,配当財産の帳簿価額の総額は,剰余金の配当がその効力を生ずる日における分配可能額を超えないものとする。
1. 配当財産が金銭であるときは,当該公開会社は,株主総会の決議によって,その株主に対し,株主の有する株式1000株までは1株につき100円,1000株を超える株式については1株につき50円を割り当てる旨を定めることができる。
2.配当財産が金銭以外の財産であるときは,当該公開会社は,株主総会の決議によって,一定の数未満の数の株式を有する株主に対して当該配当財産の割当てをしないこととすることができる。
3.当該公開会社は,当該公開会社の株式を配当財産として剰余金の配当をすることができる。
4.当該公開会社は,定款の定めがない場合であっても,一事業年度の途中において1回に限り取締役会の決議によって中間配当をすることができる。
5.当該公開会社が定時株主総会の決議に基づき剰余金の配当をした場合において,当該剰余金の配当をした日の属する事業年度に係る計算書類につき定時株主総会の承認を受けた時において欠損が生じたときは,当該剰余金の配当に関する職務を行った業務執行者は,当該公開会社に対し,連帯して,当該欠損の額を支払う義務を負う。
解答 2
SH1580H28-23Y 自己株式の取得 B
自己株式の取得に係る分配可能額の規制に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.取得条項付株式の取得により株主に対して交付する金銭の額は,分配可能額を超えてはならない。
2.株式会社が譲渡制限株式の取得の承認をしない旨の決定をする場合において,譲渡制限株式の買取りの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取りにより株主に対して交付する金銭の額は,分配可能額を超えてはならない。
3.単元未満株式の買取りの請求があった場合において,当該単元未満株式の買取りにより株主に対して交付する金銭の額は,分配可能額を超えてはならない。
4.株式会社が他の会社の事業の全部を譲り受けることにより当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合において,当該株式会社の株式の取得により当該他の会社に対して交付する金銭の額は,分配可能額を超えてはならない。
5.株式交換をする場合において,株式交換をする株式会社の反対株主の株式買取請求があったときは,当該反対株主が有する株式の買取りにより当該反対株主に対して交付する金銭の額は,分配可能額を超えてはならない。
解答 1,2
第4編 持分会社
SH1620H25-48K 持分会社 B
持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.合同会社を設立しようとする場合において,定款で定めた社員の出資の目的が金銭以外の財産であるときは,社員になろうとする者は,裁判所に対し,検査役の選任の申立てをしなければならない。
イ.合同会社の業務を執行するに当たって不正の行為をした社員は,他の社員の全員の同意によって除名することができる。
ウ.合名会社の社員が会社の債務を弁済する責任を負う場合には,その社員は,会社が主張することができる抗弁をもって会社の債権者に対抗することができる。
エ.合資会社は,社員が1人となったときは,解散する。
オ.合名会社は,定款で定めた解散の事由の発生によって解散したときは,総社員の同意によって,会社の財産の処分の方法を定め,清算人を置かないで清算をすることができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
SH1630H27-24Y 持分会社 A
持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人は,持分会社の社員となることができない。
イ.社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかは,定款の絶対的記載事項である。
ウ.有限責任社員は,信用を出資の目的とすることができる。
エ.合名会社は,計算書類を作成する必要はない。
オ.合資会社の有限責任社員が退社したことによりその会社の社員が無限責任社員のみとなったときは,その会社は,合名会社となる定款の変更をしたものとみなされる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 4
SH1640H28-24Y 持分会社 A
持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.業務を執行しない無限責任社員は,業務を執行する社員の全員の承諾があれば,その持分の全部を他人に譲渡することができる。
イ.持分会社の社員が死亡した場合にはその相続人が当該社員の持分を承継する旨の定款の定めがあるときは,当該相続人が持分を承継した時に,当該相続人に係る定款の変更をしたものとみなされる。
ウ.持分会社の成立後に加入した社員は,その加入前に生じた持分会社の債務については,弁済する責任を負わない。
エ.合資会社を退社した社員は,その登記をする前に生じた当該合資会社の債務について,従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
オ.合資会社の有限責任社員は,その責任の限度を誤認させる行為をしたときであっても,出資の範囲を超えて合資会社の債務を弁済する責任を負わない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 4
SH1650H30-23Y 持分会社 B
持分会社に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.合名会社の設立に際して作成した定款は,公証人の認証を受けることを要しない。
2.合名会社の債権者は,当該合名会社の営業時間内は,いつでも,その計算書類の閲覧の請求をすることができる。
3.合資会社の無限責任社員は,当該合資会社の財産の状況にかかわらず,連帯して,当該合資会社の債務を弁済する責任を負う。
4.新たに合資会社の有限責任社員になろうとする者は,当該有限責任社員の加入に係る定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは,当該払込み又は給付を完了した時に,当該合資会社の有限責任社員となる。
5.合同会社が資本金の額を減少する場合には,当該合同会社は,債権者異議手続をとらなければならない。
解答 1,5
SH1660R02-24Y 持分会社 B
持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.合名会社を設立する場合には,当該合名会社の社員になろうとする者は,定款の作成後,合名会社の設立の登記をする時までに,その出資の全部を履行しなければならない。
イ.合資会社の有限責任社員が無限責任社員となった場合には,当該無限責任社員となった者は,その者が無限責任社員となる前に生じた当該合資会社の債務については,無限責任社員としてこれを弁済する責任を負わない。
ウ.債権者が合資会社の社員の持分を差し押さえたときは,その差押えは,持分の払戻しを請求する権利に対しても,その効力を有する。
エ.合名会社は,会計帳簿及び各事業年度に係る計算書類を作成し,会社法所定の期間保存しなければならない。
オ.合同会社は,その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更をすることにより,合名会社となる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 1
SH1661R03-24Y 持分会社 B
持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.持分会社の定款には,社員の氏名又は名称及び住所を記載又は記録しなければならない。
イ.持分会社の無限責任社員は,定款に別段の定めがある場合を除き,他の社員の全員の承諾がなければ,その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
ウ.持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には,当該持分は,当該持分会社がこれを取得した時に,消滅する。
エ.持分会社は,その社員が死亡した場合に当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨の定款の定めを設けることはできない。
オ.持分会社は,出資の払戻しを請求するには他の社員の過半数の同意を要する旨の定款の定めを設けることはできない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 5
SH1670H24-24Y 合名会社・合同会社 B
合名会社及び合同会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか 。
ア.合名会社及び合同会社は,いずれも,社債を発行することができる。
イ.合名会社及び合同会社のいずれにおいても,社員は,定款に別段の定めがある場合を除き,会社の業務を執行する。
ウ.合名会社は,株式交換完全親会社となることができないが,合同会社は,株式交換完全親会社となることができる。
エ.合名会社及び合同会社のいずれにおいても,社員が負う責任は,間接有限責任である。
オ.合名会社が合同会社となるためには,組織変更計画を作成しなければならない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 5
SH1680R01-24Y 持分会社 B
合同会社に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.合同会社においては,業務を執行する社員を定款で定めた場合であっても,社員の全員の氏名又は名称を登記しなければならない。
2.公告方法が官報に掲載する方法である合同会社は,貸借対照表の作成後遅滞なく,当該貸借対照表又はその要旨を公告しなければならない。
3.合同会社の業務を執行する社員が当該社員以外の社員の全員の承認を受けて自己又は第三者のために当該合同会社の事業の部類に属する取引をしたときであっても,当該取引によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は,当該合同会社に生じた損害の額と推定される。
4.合同会社の存続期間を定款で定めた場合であっても,合同会社の社員は,やむを得ない事由があるときは,いつでも退社することができる。
5.合同会社は,社債を発行することができる。
解答 4,5
第5編 社債
SH1710H26-48 社債 B
株式会社の発行する社債に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.社債は,その総額が最終事業年度の末日において会社に現存する純資産額を超える場合であっても,発行することができる。
イ.会社が自己が発行した社債を取得するには,定款に別段の定めがない限り,株主総会の決議によらなければならない。
ウ.判例の趣旨によれば,会社は,弁済期の到来した社債権者に対する金銭債権を自働債権とし,社債権者の会社に対する社債の償還請求権を受働債権として,対当額において相殺をすることができる。
エ.社債権者集会において,社債の全部についてするその支払の猶予に関する事項を可決するには,議決権を有する社債権者の過半数が出席し,かつ,出席した議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者の同意がなければならない。
オ.社債権者集会の決議の方法が法令に違反し,又は著しく不公正なときは,社債権者は,訴えをもってその決議の取消しを請求することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 1
第6編 組織再編
SH1730H24-47K 吸収合併・事業譲渡 A
株式会社を消滅会社とする吸収合併と株式会社を譲渡会社とする事業譲渡に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.吸収合併及び事業譲渡のいずれにおいても,その相手方は,会社でなければならない。
イ.吸収合併の場合には,消滅会社はそれによって当然に解散するが,事業譲渡の場合には,譲渡会社はその事業の全部を譲渡してもそれによって当然には解散しない。
ウ.吸収合併の場合には,合併対価として交付される財産の種類は限定されないが,事業譲渡の場合には,事業の対価として交付される財産の種類は金銭に限られる。
エ.吸収合併の場合には,消滅会社の債務は個々の債権者の同意なくして存続会社に承継されるが,事業譲渡の場合には,譲渡の相手方が譲渡会社の債務を免責的に引き受けるためには,個々の債権者の同意を得なければならない。
オ.吸収合併及び事業譲渡は,いずれも,訴えによらなければその無効を主張することができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 3
SH1740H29-24Y 事業譲渡と吸収分割 A
株式会社を各当事会社とする事業譲渡及び吸収分割に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,特別法の規定の適用がある場合は,考慮しないものとする。
ア.事業譲渡をする場合には,譲渡会社の新株予約権者は,譲渡会社に対し,自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができないが,吸収分割をする場合には,吸収分割会社の新株予約権者は,吸収分割会社に対し,自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができることがある。
イ.譲渡会社及び吸収分割会社のいずれについても,当事会社の別段の意思表示がない限り競業避止義務を負う旨が会社法に規定されている。
ウ.事業譲渡については,債権者異議手続をすることを要しないが,吸収分割については,債権者異議手続をしなければならないことがある。
エ.事業譲渡の無効及び吸収分割の無効は,いずれも訴えをもってのみ主張することができる。
オ.吸収分割会社が吸収分割承継会社に承継されない債務の債権者を害することを知って吸収分割をした場合には,当該債権者が吸収分割承継会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることが会社法に規定されているが,譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者を害することを知って事業譲渡をした場合には,当該債権者が譲受会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることは会社法に規定されていない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 1
SH1790H25-49K 吸収合併 B
株式会社を各当事会社とする吸収合併に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.存続会社は,その親会社の株式を消滅会社の株主に対して合併対価として交付することはできない。
イ.存続会社は,消滅会社の自己株式については,合併対価が金銭であっても,合併対価を割り当てることはできない。
ウ.消滅会社が会社法上の公開会社である場合には,存続会社は,消滅会社の株主に対し,合併対価として存続会社の譲渡制限株式を交付することはできない。
エ.存続会社は,消滅会社の新株予約権の新株予約権者に対し,その有する新株予約権に代えて存続会社の株式を交付することができる。
オ.消滅会社の反対株主は,合併対価として交付を受ける株式の価額が各当事会社の財産の状況その他の事情に照らして相当である場合でも,株式買取請求権を行使することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
SH1800H28-25Y 吸収合併等 B
株式会社の吸収合併,吸収分割又は株式交換(以下「吸収合併等」という。)に関する次のアからオまでの各規律のうち,株主保護を直接の目的とするものでないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.吸収合併等の各当事会社は,いずれも,原則として,株主総会の特別決議によって,吸収合併契約等の承認を受けなければならない。
イ.吸収合併等の各当事会社は,いずれも,吸収合併契約等備置開始日から,吸収合併契約等の内容等を記載し,又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
ウ.振替株式の発行者が吸収合併等をしようとする場合には,当該発行者は,原則として,振替機関等に対し,株式買取請求に係る振替株式の振替を行うための口座の開設の申出をしなければならない。
エ.吸収合併等の各当事会社の株主は,一定の場合には,自己が株式を有する会社に対し,吸収合併等をやめることを請求することができる。
オ.吸収合併等の無効の訴えに係る請求を認容する判決は,第三者に対してもその効力を有する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
SH1801R03-25Y 吸収合併等 B
吸収合併に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.吸収合併に反対する消滅会社の株主であって,当該吸収合併をするための決議をする株主総会において議決権を行使することができる者が,株式買取請求権を行使するには,当該株主総会に先立って当該吸収合併に反対する旨を当該消滅会社に対し通知するとともに,当該株主総会において当該吸収合併に反対しなければならない。
2.その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けた存続会社は,吸収合併に際して消滅会社の株主に対して当該存続会社の株式を交付する場合には,当該株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額が当該存続会社の純資産額の5分の1を超えないときであっても,株主総会の決議によって,吸収合併契約の承認を受けなければならない。
3.吸収合併が法令又は定款に違反する場合であって,消滅会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは,当該消滅会社の株主は,当該消滅会社に対し,当該吸収合併をやめることを請求することができる。
4.吸収合併無効の訴えは,吸収合併の効力が生じた日から6か月以内に提起しなければならない。
5.存続会社は,吸収合併契約締結日から吸収合併の効力発生日までの間,吸収合併契約の内容を記載した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならないが,吸収合併の効力発生後はこれらを備え置く必要はない。
解答 5
SH1810H27-25Y 合併の無効原因 A
株式会社を各当事会社とする合併において,合併比率の不公正は合併無効の訴えに係る無効原因とはならないという見解がある。次のアからオまでの各記述のうち,この見解の論拠としてふさわしくないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.合併比率の算定に当たっては,多くの事情を勘案しなければならず,その算定の方式にも種々のものがある。
イ.株主総会の決議の方法が法令又は定款に違反するときは,その違反は,その決議の取消事由となる。
ウ.反対株主は,原則として,会社に対し,株式買取請求権を行使することができる。
エ.会社は,原則として,一定の期間内に異議を述べた債権者に対し,弁済し,又は相当の担保を提供しなければならない。
オ.株主総会の特別決議があれば,募集株式を引き受ける者に特に有利な払込金額で募集株式を発行することができる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 3
SH1850R01-25Y 吸収分割 A
株式会社の吸収分割に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,各記述に係る株式会社の定款には,別段の定めがないものとする。
1.吸収分割承継株式会社が吸収分割株式会社の特別支配会社である場合であっても,一定数の株式を有する当該吸収分割株式会社の株主が吸収分割に反対する旨を当該吸収分割株式会社に対し通知したときは,当該吸収分割株式会社は,株主総会の決議によって,吸収分割契約の承認を受けなければならない。
2.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額の5分の1を超えない場合であっても,一定数の株式を有する当該吸収分割株式会社の株主が当該吸収分割に反対する旨を当該吸収分割株式会社に対し通知したときは,当該吸収分割株式会社は,株主総会の決議によって,吸収分割契約の承認を受けなければならない。
3.吸収分割承継株式会社が吸収分割株式会社の特別支配会社である場合であっても,吸収分割が法令又は定款に違反するときであって,当該吸収分割株式会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは,当該吸収分割株式会社の株主は,当該吸収分割株式会社に対し,当該吸収分割をやめることを請求することができる。
4.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額の5分の1を超えない場合であっても,当該吸収分割株式会社の反対株主は,当該吸収分割株式会社に対し,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
5.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額の5分の1を超えない場合には,当該吸収分割後当該吸収分割株式会社に対して債務の履行を請求することができない当該吸収分割株式会社の債権者であっても,当該吸収分割株式会社に対し,当該吸収分割について異議を述べることができない。
解答 3
SH1860H24-48 株式交換 B
株式交換に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式交換完全子会社の株主に対して交付される対価が金銭のみである場合には,株式交換完全親会社の債権者は,その株式交換について異議を述べることができる。
イ.株式会社が株式交換をするために株主総会の決議による承認を要しない場合には,株主は,会社に対し,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができない。
ウ.指名委員会等設置会社にあっては,株主総会の決議による承認を要しない株式交換契約について,その内容の決定を執行役に委任することができる。(問改)
エ.株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは,その会社の発行する種類の株式の内容に応じ,ある種類の株式の株主に対しては対価を交付しないこととすることができる。
オ.株式交換完全子会社は,株式交換の効力が生じた日から2週間以内に,その本店の所在地において,株式交換による変更の登記をしなければならない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 4
SH1870R02-25Y 組織再編 B
株式会社を各当事会社とする組織再編行為に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.解散したことにより清算をする株式会社は,当該株式会社を存続会社とする吸収合併をすることができない。
2.吸収分割承継会社が吸収分割会社の特別支配会社である場合において,吸収分割承継会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対して譲渡制限株式を交付するときであって,吸収分割会社が公開会社であり,かつ,種類株式発行会社でないときは,吸収分割会社は,株主総会の決議によって,吸収分割契約の承認を受けなければならない。
3.判例の趣旨によれば,株式交換に係る反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」を定める基準日は,株式交換がその効力を生ずる日である。
4.甲株式会社と乙株式会社が新設合併により丙株式会社を設立する場合において,甲株式会社が乙株式会社の特別支配会社であるときは,乙株式会社は,株主総会の決議によって,新設合併契約の承認を受けることを要しない。
5.新設分割会社が株主総会の決議によって新設分割計画の承認を受けなければならないときは,当該株主総会において議決権を行使することができない株主は,反対株主として,当該新設分割会社に対し,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができない。
解答 1
SH1880H26-50K 組織再編と登記 B
株式会社を当事会社とする組織再編行為と登記に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.吸収合併存続会社は,吸収合併の登記をした日に,吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。
イ.吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は,吸収合併の登記の後でなければ,これをもって第三者に対抗することができない。
ウ.新設合併設立会社は,その本店の所在地において設立の登記をした日に,新設合併消滅会社の権利義務を承継する。
エ.同一の不動産について,その差押えと吸収分割による権利義務の承継との間の優劣は,不動産の差押えの登記の時と吸収分割承継会社が吸収分割の登記をした時の先後で決する。
オ.株式交換完全子会社の株主は,株式交換の登記がされた日に,株式交換完全親会社の株主となる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 3
SH1890H26-49 株式買取請求権 A
組織再編行為に係る契約又は計画が株主総会において承認された場合には,反対株主に,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを会社に請求する権利が認められている。この反対株主の株式買取請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式買取請求権は,組織再編行為に無効原因がない場合にも認められる。
イ.当事者の申立てにより,裁判所が株式の価格について決定をしたときは,会社は,裁判所の決定した価格に加え,これに対する当該決定の確定後の法定利率により算定した利息をも支払わなければならない。(問改)
ウ.組織再編行為に係る契約又は計画を承認する株主総会において議決権を行使することができない株主には,株式買取請求権は認められない。
エ.株式買取請求権を行使した株主は,いつでも,会社の承諾を得ることなく,その株式買取請求を撤回することができる。
オ.株式買取請求権が認められる趣旨は,判例によれば,反対株主に会社からの退出の機会を与えるとともに,退出を選択した株主には,組織再編行為がされなかったとした場合と経済的に同等の状態を確保し,さらに,組織再編による相乗効果その他の企業価値の増加が生ずる場合には,これを適切に分配し得るものとすることにより,反対株主の利益を一定の範囲で保障することにある。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
解答 2
SH1900H30-25Y 債権者異議手続 A
債権者異議手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤ったものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.組織変更をする株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,組織変更について異議を述べることができない。
イ.新設合併をする株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,新設合併について異議を述べることができる。
ウ.吸収分割をする株式会社が株主総会の決議によって吸収分割契約の承認を受けなければならない場合において,当該株式会社の債権者が当該株式会社に対し吸収分割について異議を述べることができるときは,当該債権者が異議を述べることができる期間の初日は,当該承認があった日後の日でなければならない。
エ.株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対して交付する対価が金銭のみである場合には,当該株式交換完全親株式会社の債権者は,当該株式交換完全親株式会社に対し,株式交換について異議を述べることができる。
オ.社債管理者の設置がされていない社債の社債権者が,当該社債を発行した株式会社に対し,資本金の額の減少について異議を述べるには,社債権者集会の決議によらなければならない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 1
第8編 会社法総合問題
SH1940H26-23Y 資本金と株式 A
次の1から5までの各事項のうち,それが行われた場合に資本金の額及び発行済株式の総数のいずれについても変化がないものはどれか。
1.自己の株式の取得
2.株式の消却
3.株式の併合
4.株式の分割
5.新株予約権の行使(その行使に際して会社が交付する株式の全部が自己株式である場合を除く。)
解答 1
SH1950H26-51 組織に関する訴え A
株式会社の組織に関する訴えに関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは,会社は,清算の目的の範囲内において,清算が結了するまでは存続するものとみなされる。
イ.株主総会の決議が無効であることの確認の訴えは,その決議の日から3か月以内に提起しなければならない。
ウ.自己株式の処分の無効の訴えは,自己株式の処分をした会社及びその処分された株式を現在有する株主を被告として,提起しなければならない。
エ.株式交換の無効の訴えに係る請求を棄却する確定判決は,第三者に対してもその効力を有する。
オ.新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは,その新株予約権は,将来に向かってその効力を失う。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 2
SH1960H28-26Y 会社関係訴訟 B
会社関係訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式の発行の効力が生じた後に株式を取得した株主は,新株発行の無効の訴えを提起することができない。
イ.株式会社が取締役に対してその責任を追及する訴えを提起する場合には,当該取締役の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に当該訴えを提起することを要する。
ウ.判例の趣旨によれば,任期の満了により取締役を退任したが,会社法又は定款で定めた取締役の員数を欠くため,なお取締役としての権利義務を有する者については,訴えをもってその解任を請求することができない。
エ.最終完全親会社等の株主が特定責任追及の訴え(いわゆる多重代表訴訟)を提起するためには,当該株主は,当該最終完全親会社等に対し,書面で特定責任追及の訴えの提起を請求しなければならない。
オ.会社の設立の無効の訴えについては,当該訴えに係る請求を認容する確定判決が第三者に対してもその効力を有するため,被告は,当該請求を認諾することができない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 5
第9編 総則商行為 第1章 意義
SH1970H24-50K 商慣習 B
商慣習に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.商慣習が民法上の強行規定に優先して適用されることはない。
イ.商事に関しては,商法に定めがない事項について商慣習があれば, それに従う。
ウ.契約当事者が商法上の任意規定と異なる慣習に従う旨の合意をしている場合には,それが単なる「事実たる慣習」にすぎないときでも,その慣習が商法上の任意規定に優先する。
エ.商慣習が法的確信にまで高まっている場合でも,その適用を求める当事者は,訴訟において,その存在及び内容について証明責任を負う。
オ.判例の趣旨に照らせば,商慣習が商法上の強行規定に優先して適用される場合がある。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 2
第9編 総則商行為 第2章 範囲
SH2000H27-27Y 個人商人 A
個人商人(小商人に当たる者を除く。)に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.未成年者は,商人となることができない。
イ.商人は,複数の商号を登記することができない。
ウ.商人は,営業とともにする場合でなければ,商号を譲渡することができない。
エ.登記した商号の譲渡は,その登記をしなければ,第三者に対抗することができない。
オ.商人は,その営業のために使用する財産について,適時に,正確な会計帳簿及び貸借対照表を作成しなければならない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 5
第9編 総則商行為 第3章 商業登記
SH2040H25-51K 商業登記 B
商業登記に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株式会社の代表取締役の就任は,その登記の前でも,悪意の第三者に対抗することができる。
イ.株式会社の支配人の退任による代理権の消滅は,その登記の後でも,第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは,その第三者に対抗することができない。
ウ.判例の趣旨によれば,株式会社の代表取締役は,その登記の後でなければ,民事訴訟における当事者である株式会社を代表する権限を有する者とはならない。
エ.判例の趣旨によれば,個人商人が支配人を選任した場合には,その登記の前でも,その支配人と取引をした第三者は,その個人商人に支配人の選任を対抗することができる。
オ.個人商人は,その商号を定めたときは,その登記をしなければならない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 5
SH2041R03-27Y 商業登記 A
商業登記の効力に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.商法の規定によって登記すべき事項は,登記の後でなければ,善意の第三者に対抗することができないが,登記の後であっても,その登記があることを正当な事由によって知らなかった第三者に対しては対抗することができない。
イ.株式会社の代表取締役として選定されていない者について,故意又は過失によりその就任の登記をした株式会社は,その事項が不実であることを悪意の第三者に対抗することができない。
ウ.商業登記には,登記された事項が真実であるという法律上の推定力がある。
エ.個人商人(小商人に当たる者を除く。)が商号を登記した場合において,その商号を変更したときは,変更の登記をしなければならない。
オ.判例の趣旨によれば,代表取締役の退任について株式会社が登記したときは,その後にその者が当該株式会社の代表者として第三者とした取引については,民法の代理権消滅後の表見代理に関する規定が適用又は類推適用される。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 2
第9編 総則商行為 第4章 商号
SH2070H26-52K 個人商人の商号 A
個人商人の商号に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.商人の商号は,その商人の氏又は名を含まなければならない。
2.商人が数種の独立した営業を行うときは,その商人は,その各営業につき異なる商号を使用することができる。
3.商人は,自己と誤認されるおそれのある名称を不正の目的をもって使用する者がある場合において,その名称の使用によって営業上の利益が侵害されたときであっても,商号の登記をしていない限り,その侵害の停止を請求することができない。
4.自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人は,当該商人がその営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し,その取引によって生じた債務を当該他人の財産をもって完済することができない場合に限り,連帯してその債務を弁済する責任を負う。
5.商人は,その営業を廃止するときは,その商号を譲渡することができる。
解答 2,5
SH2080H29-27Y 名板貸 A
自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した個人商人の責任に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.商人が,営業としてする薬局の開設者として自己の商号を使用することを他人に許容し,当該他人が薬局開設の許可を申請した場合は,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に該当する。
2.手形行為上自己の商号を使用することを許諾したにすぎない者であっても,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾したものということができる。
3.商人が,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うためには,特段の事情のない限り,商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした商人の営業と同種の営業であることを要する。
4.商号使用の許諾を受けた者が交通事故その他の事実行為たる不法行為に起因して負担するに至った損害賠償債務は,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人が責任を負う「当該取引によって生じた債務」に当たらない。
5.商人が自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合において,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に重大な過失があるときは,当該商人は,その者に対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
解答 2
SH2090H24-51 営業譲渡と商号等 B
個人商人Aが甲商店の商号で乙市内において営む営業を個人商人Bに譲渡した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。ただし,A及びBは,小商人ではないものとし,また,AとBとは,Aの営業によって生じたCに対する債務(以下「C債務」という。)及びAの営業によって生じたDに対する債権(以下「D債権」という。)につき,その譲渡の対象としない旨を合意していたものとする。
ア.Aは,同一の営業をしない旨の特約をした場合であっても,営業譲渡の日から30年を経過すれば,乙市内において同一の営業をすることができる。
イ.AがBに対し営業とともに甲商店の商号を譲渡した場合,商号の譲渡は,登記をしなければ,第三者に対抗することができない。
ウ.Bは,甲商店の商号を引き続き使用するときは,譲り受けた財産の価額を限度として,C債務を弁済する責任を負う。
エ.Bが甲商店の商号を引き続き使用しない場合において,Aの営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたことによりBが負担するC債務を弁済する責任は,その広告をした日から2年を経過すれば,消滅する。
オ.Bが甲商店の商号を引き続き使用するときは,DがBに対してしたD債権に係る債務の弁済は,Dが善意でかつ重大な過失がないときは,その効力を有する。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 5
第9編 総則商行為 第5章 営業譲渡
SH2100H30-27Y 営業・事業の譲受人の責任 A
商人からその営業又は事業を承継した者の責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,「譲渡人」とは営業又は事業を譲渡した者を,「譲受人」とは営業又は事業を譲り受けた者を,それぞれ指すものとする。
ア.譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には,その譲受人も,譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負うとの商法の規定の趣旨は,当該債務の債権者において,同一の営業主体による営業が継続しているものと信じたり,営業主体の変更があったけれども譲受人により譲渡人の債務の引受けがされたと信じたりすることが通常の事態と考えられるため,そのような信頼を保護することにある。
イ.「霞が関商事合同会社」から事業を譲り受けた会社が「新霞が関商事株式会社」の商号を使用するときは,譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合に当たらず,譲受人は,譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
ウ.営業の現物出資を受けて設立された会社が現物出資をした商人の商号を引き続き使用する場合には,当該会社は,当該商人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
エ.ゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の事業が譲渡され,譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が引き続き使用しているときであっても,譲渡人の商号を譲受人が引き続き使用していないときは,譲受人は,譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
オ.新設分割により新設分割会社の事業を承継した新設分割設立会社は,新設分割会社の商号を引き続き使用する場合であっても,新設分割会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 5
第9編 総則商行為 第7章 使用人と代理商
SH2140R01-27Y 支配人 A
会社又は個人商人(小商人に当たる者を除く。)が選任する支配人に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.判例の趣旨によれば,個人商人が支配人を選任したが,その登記をする前である場合において,当該支配人が当該個人商人の支配人として第三者と取引をしたときは,当該第三者は,当該個人商人に当該取引の効果が帰属することを主張することができる。
イ.監査役会設置会社がその本店の支配人を選任した場合には,当該支配人は,取締役会の決定がなくとも,支配人以外の重要な使用人を選任することができる。
ウ.個人商人の支配人の代理権の消滅は,その登記の後でも,第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは,当該第三者に対抗することができない。
エ.判例の趣旨によれば,会社の支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人が,善意の相手方に対し当該支店の支配人と同一の権限を有するものとみなされるのは,当該支店が営業所としての実質を備えている場合に限られる。
オ.判例の趣旨によれば,個人商人のA営業所のみの支配人として選任された者がB営業所の営業に関する行為を行った場合には,その者は,善意の第三者に対しては,B営業所の支配人と同一の権限を有するものとみなされる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 3
SH2150H28-27Y 商業使用人 B
個人商人(小商人に当たる者を除く。)の商業使用人に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.代理商は,商業使用人の一種である。
イ.物品の販売を目的とする店舗の使用人は,善意の相手方に対しては,その店舗内に在る物品の販売をする権限を有するものとみなされる。
ウ.支配人の選任及びその代理権の消滅については,その登記をしなければならない。
エ.支配人が商人の許可を受けないで自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をしたときは,当該取引によって当該支配人又は第三者が得た利益の額は,その商人に生じた損害の額と推定される。
オ.商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は,善意の相手方に対しては,当該営業所の営業に関し,支配人と同一の権限を有するものとみなされる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
解答 2
SH2151R02-27Y 個人商人 A
個人商人(小商人に当たる者を除く。)に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.個人商人の商号は,その個人商人の氏又は名のいずれかを含まなければならない。
イ.個人商人は,その商号の登記をしないこともできる。
ウ.支配人は,個人商人に代わって,その営業に関し,裁判外の行為をする権限は有するが,裁判上の行為をする権限は有しない。
エ.個人商人は,貸借対照表を作成しなければならないが,それを公告することは要しない。
オ.代理商の留置権の目的物は,個人商人の所有する物又は有価証券であることを要する。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 3
第9編 総則商行為 第8章 行為規定
SH2180H25-52K 商行為 B
商行為に関する規定の適用についての次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.判例の趣旨によれば,会社の行為は,商行為と推定され,これを争う者において,その行為がその会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。
イ.商行為の委任による代理の場合であっても,代理権は,本人の死亡によって消滅する。
ウ.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において,遅滞なく諾否の通知を発することを怠ったときは,その商人は,その契約の申込みを承諾したものとみなされる。
(エ.判例の趣旨によれば,商行為によって生じた債務の不履行による損害賠償債務についての法定利率は,年5分である。)問題不適切
(オ.判例の趣旨によれば,会社法第423条第1項に基づく株式会社の取締役に対する損害賠償請求権は,商行為によって生じた債権に当たり,その消滅時効期間は,5年である。)問題不適切
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
(参照条文)会社法
第423条 取締役,会計参与,監査役,執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は,その任務を怠ったときは,株式会社に対し,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2,3 (略)
解答 1
SH2190H29-28Y 商行為 A
商行為に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.相手方のためには商行為となる行為でなくても,数人の者がそのうちの一人のために商行為となる行為によって債務を負担したときは,その債務は,各自が連帯して負担する。
2.商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは,その立替えの日以後の法定利息を請求することができる。
3.当事者の別段の意思表示がない限り,商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にある場合には,債権者は,その債権の弁済を受けるまで,その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物であれば,その物の占有取得後に債務者がその物の所有権を失ったときであっても,その物を留置することができる。
4.商人間の売買において,当事者の意思表示により,一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において,当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは,相手方が直ちにその履行の請求をした場合を除き,契約が解除されたこととなる。
5.商人は,その営業の範囲内において寄託を受けた場合であっても,報酬を受けるときに限って,善良な管理者の注意をもって,寄託物を保管する義務を負う。
解答 5
SH2200R01-28Y 商行為 A
商行為に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.判例の趣旨によれば,会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。
2.商人である隔地者の間において,承諾の期間を定めない契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは,その申込みは効力を失う。
3.商人間の売買において,売主が債務の本旨に従った弁済の提供をしたにもかかわらず,買主がその目的物の受領を拒んだときは,売主がその物を競売に付するためには,裁判所の許可を得なければならない。
4.判例の趣旨によれば,商人間の売買における買主の目的物の検査義務及び契約不適合の通知義務に関する商法の規定は,不特定物の売買の場合には,適用されない。(改)
5.商人間の売買において,契約の内容に適合しない目的物を引き渡されたことを理由として買主が売買契約を解除した場合には,売主及び買主の営業所が異なる市町村内にあるときであっても,買主は,直ちにその目的物を売主に送り返さなければならない。(改)
解答 1,2
SH2201R03-28Y 商行為 A
商行為に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.保証人がある場合において,債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるときは,当該主たる債務者及び当該保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても,その債務は,各自が連帯して負担する。
2.国内陸上運送人の被用者の過失により運送品が運送途中に全部滅失した場合には,荷受人は,当該運送人に対し,当該運送品の滅失により生じた損害の賠償を請求することができる。
3.匿名組合員は,営業者が匿名組合契約に基づく営業において負った債務について,当該匿名組合員が当該匿名組合契約の当事者であることをその債務に係る債権者が知っていたときに限り,営業者と連帯して弁済する責任を負う。
4.商人間において金銭の消費貸借をしたときは,利息の約定がなくても,貸主は,法定利息を請求することができる。
5.商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合には,報酬を受けないときであっても,善良な管理者の注意をもって,寄託物を保管しなければならない。
解答 3
SH2250H26-53K 商事消滅時効 P
(次のアからオまでの各債権のうち,判例の趣旨によれば商法第522条の適用又は準用がないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.商行為によって生じた債務の不履行に基づく損害賠償請求権
イ.債権者のためには商行為ではなく,債務者のためにのみ商行為である行為によって生じた債権
ウ.商行為である金銭消費貸借に関し,利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権
エ.質屋を営む個人が商人ではない個人の顧客に対して貸付けを行った場合におけるその貸付債権
オ.満期を白地として振り出された約束手形の白地補充権
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ)解答不能
(参照条文)商法→改正により522条削除
第522条 商行為によって生じた債権は,この法律に別段の定めがある場合を除き,5年間行使しないときは,時効によって消滅する。ただし,他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは,その定めるところによる。
解答 解答不能
SH2260H26-54 商人及び商行為 B
商人及び商行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述に係る事項について,当事者間に別段の合意はないものとする。
ア.判例によれば,商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合において,相手方において,代理人が本人のためにすることを知らなかったときは,代理人は自己のためにその行為をしたものとみなされ,相手方は,本人に対して履行の請求をすることができない。
イ.商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは,その他人に対し,立替えの日以後の法定利息を請求することができる。(問改)
ウ.商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において,その申込みとともに受け取った物品があるときでも,平常取引をする者から申込みを受けたときでなければ,その商人は,その物品を保管する義務を負わない。
エ.判例によれば,保証人がある場合において,保証が債権者にとって商行為であるときは,主たる債務者及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても,その債務は,各自が連帯して負担する。
オ.写真の撮影を業とする商人がその営業の部類に属する取引によって商人でない顧客に対して債権を有し,その弁済期が到来している場合において,その商人がその顧客の物を占有しているときは,当該債権がその物に関して生じたものでなくても,その商人は,当該債権の弁済を受けるまで,その物を留置することができる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 3
SH2270H27-28Y 商人及び商行為 B
個人商人及び商行為に関する,誤っているものは,後記1から4までのうちどれか。(問改)
ア.商人である隔地者の間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは,その申込みは,効力を失う。
イ.保証人がある場合において,債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるときは,主たる債務者及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときでも,その債務は,各自が連帯して負担する。
ウ.商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは,その他人が商人であるか否かにかかわらず,相当な報酬を請求することができる。
エ.商行為によって生じた債務に係る債権が指図債権である場合でも,その債務の履行をすべき場所がその行為の性質又は当事者の意思表示によって定まらないときは,その債務の履行は,債権者の現在の営業所においてしなければならない。(解答不能)
オ.商人間の売買において,買主がその目的物の受領を拒んだために売主が相当の期間を定めて催告をした後にその物を競売に付したときは,売主は,遅滞なく,買主に対してその旨の通知を発しなければならず,これを怠ったときは,その競売は,無効となる。
1.ア 2.イ 3. ウ 4. オ
解答 4
SH2280H30-28Y 商人及び商行為 A
商人及び商行為に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.利益を得て譲渡する意思をもって動産を有償取得する行為は,商人が行う場合に限り,商行為となる。
2.支配人の代理権は,当該支配人を選任した商人の死亡によっては,消滅しない。
3.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは,遅滞なく,契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならず,これを怠ったときは,その商人は,当該契約の申込みを承諾したものとみなされる。
4.委託を受けた商人がその営業の範囲内において委託者のために行為をした場合には,委託者との間で報酬についての合意がないときであっても,その委託者に対し,相当な報酬を請求することができる。
5.問屋は,取引所の相場がある物品の販売の委託を受けたときは,自ら買主となることができる。
解答 1
SH2300H28-28Y 商行為 B
商行為に関する次のアからオまでの各記述のうち正しいものは,後記1から4までのうちどれか。(問改)
ア.商人である対話者の間において契約の申込みを受けた者が直ちに承諾をしなかったときは,その申込みは,その効力を失う。(解答不能)
イ.商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合には,相手方が,代理人が本人のためにすることを知らなかったときであっても,代理人に対して履行の請求をすることはできない。
ウ.匿名組合員は,自己の氏名を営業者の商号中に用いることを許諾した場合には,営業者を代表することができる。
エ.商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において,その申込みとともに受け取った物品があるときは,その申込みを拒絶したときであっても,その物品を保管する必要はない。
オ.商行為によって生じた債権を担保するために設定された質権の質権設定者は,債務の弁済期前の契約において,質権者に弁済として質物の所有権を取得させることを約することができる。
1.イ 2.ウ 3.エ 4.オ
解答 4
第9編 総則商行為 第9章 商事売買
SH2320H24-52K 商人間の売買契約 B
商人間の売買契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.売買契約が特定の日時に履行しなければ契約をした目的を達することができない性質のものであっても,当事者の一方が履行をしないでその日時を経過したことを理由に相手方がその契約の効力を失わせるためには,解除の意思表示をしなければならない。
イ.判例によれば,売買契約の目的物の契約不適合に関する通知義務を定めた商法の規定は, 不特定物の場合にも適用される。(問改)
ウ.判例によれば,売買契約の目的物に生じていた契約不適合が直ちに発見することのできないものである場合には,受領後6か月以内にその契約不適合を発見して直ちに通知を発すれば,その契約不適合を理由とする損害賠償請求権について,民法上の消滅時効の規定は,適用されなくなる。(問改)
エ.買主が売買の目的物の受領を拒んだ場合には,売買契約は,直ちに解除されたものとみなされる。
オ.売買契約の売主及び買主の営業所が異なる市町村内にある場合には,買主が売買の目的物に契約不適合があることを理由にその売買契約を解除したときであっても,買主は,その目的物を売主に送り返すことを要しない。(問改)
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 4
第9編 総則商行為 第11章 運送と倉庫
SH2350H25-53 物品運送契約 B
陸上における物品の運送契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述に係る事項について運送契約上別段の定めはなく,また,運送契約に関して貨物引換証は発行されていないものとする。
ア.運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日から1年以内に裁判上の請求がされない時は、消滅する。(問改)
イ.高価品について運送契約が締結される際に,高価品の種類及び価額の明告がされなかった場合には,運送契約の債務不履行による損害賠償の額は,運送品が高価品でなかったとしたときに生ずるであろう損害の額が上限となる。
ウ.運送人に対して運送契約によって生ずる権利を有するのは荷送人であって,荷受人が運送契約によって生ずる権利を取得することはない。
エ.判例によれば,運送人の故意又は過失により運送品が滅失し,荷送人に損害が生じた場合には,荷送人は,運送人に対し,運送契約に基づく債務不履行責任のみを追及することができ,不法行為責任を追及することはできない。
オ.運送人の過失(重大な過失を除く。)によって運送品の全部が滅失した場合には,運送契約の債務不履行による損害賠償の額は,運送品の引渡しがあるべき日における到達地での運送品の価格によって定まる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 2
SH2360R02-28Y 運送人の責任 B
商法の規定の適用がある物品運送を引き受けた運送人の責任に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。なお,条約及び特別法の規定の適用はないものとする。
1.運送人の過失によって運送品が延着したときは,当該運送人がその延着について賠償の責任を負う額は,債務不履行責任に関する民法の規定により定められる。
2.運送品が滅失し,又は損傷した場合において,送り状に当該運送品の価額が記載されていたときは,運送人がその滅失又は損傷について賠償の責任を負う額は,当該運送人の故意又は重大な過失によってその滅失又は損傷が生じたときを除き,その価額を限度とする。
3.高価品である運送品が滅失し,又は損傷した場合において,荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知しなかったときは,運送人は,物品運送契約の締結の当時,当該運送品が高価品であることを知っていたとき又は運送人の故意若しくは重大な過失によってその滅失若しくは損傷が生じたときを除き,その滅失又は損傷について損害賠償の責任を負わない。
4.運送人の過失によって運送品の全部が滅失したときは,当該運送人は,荷受人に対しても,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
5.運送品に直ちに発見することができる損傷又は一部滅失があった場合には,運送人がその損傷又は一部滅失について負う損害賠償責任は,荷受人が異議をとどめないで当該運送品を受け取ったときは,当該運送品の引渡しの当時,当該運送人が当該運送品にその損傷又は一部滅失があることを知っていたときを除き,消滅する。
解答 2
第9編 総則商行為 第13章 匿名組合
SH2390H24-53 匿名組合及び合資会社 B
匿名組合員及び合資会社の有限責任社員に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述に係る匿名組合契約又は合資会社の定款には,特約又は別段の定めがないものとする。
ア.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
イ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,営業者又は合資会社の業務を執行することができる。
ウ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,重要な事由があるときは,いつでも,裁判所の許可を得て,営業者又は合資会社の業務及び財産の状況を検査することができる。
エ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,出資が損失によって減少したときは,その損失が塡補された後でなければ,利益の配当を請求することができない。
オ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員が出資した財産は,営業者又は合資会社に属する。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 2
第10編 手形小切手 第4章 手形法の視点
SH2410H25-54K 手形上の記載 B
手形上の記載からは,約束手形の振出しが法人のためにされたものであるとも,代表者個人のためにされたものであるとも解し得る場合には,手形所持人は,法人及び代表者個人のいずれに対しても手形金の請求をすることができるとの見解がある。次のアからオまでの各記述のうち,この見解と整合しないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人の代表者が法人のために手形行為をする場合の代表機関としての表示は,法人のためにされたものであることを認識し得る程度に手形上記載すれば足りる。
イ.手形上の記載を解釈するに当たっては,一般の社会通念に従ってその記載の趣旨を合理的に判断すべきである。
ウ.手形上,法人名と個人名とが併記されている場合には,法人の代表者である旨の記載がなくても,法人の代表者が法人のために手形行為をする場合の代表機関としての表示と解釈すべきである。
エ.この手形金の請求を受けた者は,その振出しが真実いずれの趣旨でされたかを知っていた直接の相手方に対し,その旨の人的抗弁を主張することができる。
オ.手形上の記載を解釈するに当たっては,手形外の証拠もしんしゃくすることができる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
第10編 手形小切手 第5章 原因手形関係
SH2420H25-55 原因関係と手形関係等 A
小売商Aと卸売商Bは,Aを買主とし,Bを売主とする衣料品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,その売買代金債務(以下「本件原因債務」という。)の支払を目的として,Aは,Bを受取人とする確定日払の約束手形(以下「本件手形」という。)を振り出した。Bは,本件手形を誰にも譲渡していない。
この取引におけるA・B間の法律関係に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Bが,本件売買契約に基づく衣料品の納入に係る債務を履行しないまま,支払呈示期間内に本件手形の支払呈示をした場合でも,Aは,手形金の支払を拒むことはできない。
イ.判例によれば,本件手形の振出し後に本件原因債務が時効により消滅した場合には,Aは,これを抗弁として,Bに対し,手形金の支払を拒むことができる。
ウ.Bが支払呈示期間内に本件手形の支払呈示をすることを怠っても,BのAに対する本件手形上の権利は,消滅しない。
エ.火災によりBが本件手形を焼失した場合には,Bは,Aに対し,手形金の支払を求めることはできない。
オ.AとBが,本件手形の振出しの際,本件原因債務を消滅させ,本件手形上の権利だけを残すことを合意していた場合において,本件手形上の権利が時効により消滅したときは,Bは,Aに対し,利得償還請求権を取得しない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 3
第10編 手形小切手 第6章 成立要件
SH2431R03-29Y 約束手形 A
約束手形に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.全国銀行協会が規格・様式を定めた統一手形用紙によらないで振り出された約束手形も,有効である。
イ.振出人が第三者の住所で支払うべき旨が記載されている約束手形も,有効である。
ウ.約束手形の金額として数字で二つの金額が記載されている場合において,それら二つの金額に差異があるときは,当該約束手形は無効である。
エ.判例の趣旨によれば,振出日として記載された日よりも前の日が満期として記載されている確定日払いの約束手形は,無効である。
オ.判例の趣旨によれば,暦に存在しない平年における2月29日が満期として記載されている約束手形は,無効である。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
SH2450H30-30Y 手形債務の発生 A
約束手形の振出人が負う手形債務がどのようにして生ずるかについては,幾つかの立場がある。次のアからオまでの各記述のうち,「この立場」が,当該手形債務は,手形の作成及び署名という一方的行為によって発生すると解する立場を指すものとしてふさわしいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.「この立場」は,一般に,署名によって署名者自身を権利者とする手形上の権利が成立し,その権利が手形の交付によって相手方に譲渡されると解している。
イ.「この立場」は,手形という書面を通じて意思表示がされ,手形の授受により,意思表示が相手方に到達すると解している。
ウ.「この立場」は,手形を一旦作成し,署名した後であっても,占有を手放すまでは,署名者は自由に手形債務の内容を変更し,又は消滅させることができるから,手形を相手方に交付して初めて債務を負担すると解することが手形行為者の通常の意思に合致すると主張する。
エ.「この立場」に対しては,民法上も単独行為によって債権債務関係は生じ得るし,相手方の承諾を必要と考えるのは擬制的であるという批判がある。
オ.「この立場」は,振出人が署名したが,受取人に交付する前の手形が振出人の下で保管されていた間に盗取されたときは,当該手形を盗取した者から,善意でかつ重大な過失がなく当該手形を取得した者は,善意取得によって保護されると解している。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
解答 2
第10編 手形小切手 第9章 移転と裏書
SH2510H28-29Y 手形の善意取得 A
手形の善意取得に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.判例の趣旨によれば,裏書の連続する手形の所持人から裏書により当該手形を譲り受ける者であっても,当該所持人が当該手形を所持することにつき疑念を抱いてしかるべき事情が認められる場合には,振出人又は支払担当銀行に照会するなどの方法で調査をしなければ,手形を善意取得することができない。
イ.善意取得は,手形の承継取得の一例である。
ウ.判例の趣旨によれば,手形について除権決定があったとしても,これよりも前に当該手形を善意取得した者は,当該手形に表章された手形上の権利を失わない。
エ.無権利者から裏書の連続した手形を取得した者がその取得時に相手方の無権利につき善意でかつ重大な過失がない場合には,その後に事情を知ったときであっても,当該手形を善意取得することができる。
オ.相続による手形の取得にも,善意取得の適用がある。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
SH2520H24-30Y 隠れた取立委任裏書 B
外形上通常の譲渡裏書であるが,取立委任の目的をもってされたいわゆる隠れた取立委任裏書について,手形上の権利は,通常の譲渡裏書におけると同様,裏書人から被裏書人に移転するとする説がある。次のアからオまでの各記述のうち,この説を採った場合の結論となり得ないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.被裏書人が取立委任の目的につき善意の第三者に手形を裏書譲渡したときは,その第三者は,善意取得の規定によって保護される。
イ.被裏書人は,裏書人に対し,担保責任を追及することはできない。
ウ.取立委任の合意が解除されると,被裏書人の取立権限は消滅する。
エ.手形債務者は,被裏書人に対する人的抗弁を対抗することができない。
オ.被裏書人が破産した場合,裏書人は取戻権を有する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 2
SH2521R03-30Y 隠れた取立委任裏書 A
手形上の権利を行使する代理権を付与する目的をもって通常の譲渡裏書の方式でする裏書(隠れた取立委任裏書)について,手形上の権利は依然として裏書人にあり,被裏書人は単に手形上の権利行使の資格と権限を授与されるにすぎないとする見解がある。AがBに対して約束手形を振り出し,BがCに隠れた取立委任裏書をした場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,この見解からの結論と整合しないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.手形債務者Aは,被裏書人Cに対する人的抗弁をもって被裏書人Cに対抗することができない。
イ.手形債務者Aは,裏書人Bに対する人的抗弁をもって被裏書人Cに対抗することができない。
ウ.裏書人Bは,被裏書人Cに対して担保責任を負わない。
エ.被裏書人Cにつき破産手続が開始された場合,裏書人Bは取戻権を有しない。
オ.取立委任の合意が解除されると,被裏書人Cの取立権限は消滅する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 4
SH2530H24-55 白地式裏書のある手形 B
AがBを受取人として振り出した約束手形を,Bは,白地式裏書によってCに譲渡し,Cは,この手形をそのままの状態で金庫で保管していた。Cの金庫からこの手形を盗み出したDは,記名式裏書によってこれをEに譲渡した。Eは,この手形を取得する際,Dが権利者であると重過失なく信じていた。Eは,この手形を記名式裏書によってFに譲渡した。現在の所持人は,Fである。この手形の裏書欄の状況を簡略化して示したものが【図】である。
この手形に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
【図】
第1裏書 B → (白地)
第2裏書 D → E
第3裏書 E → F
ア.この手形には,裏書の連続が認められる。
イ.Fが,この手形をEから取得した際,DがCから盗取したものであることを知っていた場合,Aは,Dによる盗取の事実とFの悪意を証明することにより,Fに対する手形金の支払を拒むことができる。
ウ.Cは,盗難の時から2年間,この手形がCから盗まれたことを証明することにより,Fに対し,この手形の返還を請求することができる。
エ.この手形が金庫から盗み出されたことにつき,Cに重過失があった場合でも,Cは,この手形について遡求義務を負うことはない。
オ.判例によれば,Dは,この手形について遡求義務を負うことはない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 2
SH2540R01-29Y 手形の裏書 B
手形の裏書に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.商品の引渡しを条件とするなど,一定の条件を付した裏書は,手形上の権利を移転する効力を有しない。
2.裏書は,手形の裏面に単に裏書人の署名をすることによって行うことができる。
3.判例の趣旨によれば,約束手形の受取人欄の記載が変造された場合であっても,手形面上,変造後の受取人から現在の手形所持人へ順次連続した裏書の記載があるときは,当該手形所持人は,振出人に対する関係においても,当該手形の適法な所持人と推定される。
4.判例の趣旨によれば,手形の裏書中に実在しない会社の裏書が介在している場合であっても,
裏書が形式的に連続しているときは,手形所持人は,振出人に対する関係において,当該手形の適法な所持人と推定される。
5.判例の趣旨によれば,約束手形の裏書欄の記載事項のうち被裏書人欄の記載のみが抹消された場合には,当該裏書は,裏書の連続の関係においては,白地式裏書となる。
解答 1
第10編 手形小切手 第10章 手形抗弁
SH2550H29-30Y 手形抗弁 A
手形抗弁に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した約束手形につきBがCに裏書をした場合には,BC間の裏書の原因関係が消滅したときであっても,Aは,Cからの手形金請求を拒むことはできない。
2.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した約束手形につきBがCに裏書をした場合には,AB間の手形振出し及びBC間の裏書の原因関係が共に消滅したときであっても,Aは,Cが債務者を害することを知って手形を取得した場合でなければ,AB間の原因関係が消滅したことを主張して,Cからの手形金請求を拒むことができない。
3.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した約束手形につき,AB間の手形振出しの原因関係が消滅した場合において,Bが当該原因関係の消滅の事実について善意であるCに対し裏書をした後,再度CからBに対し裏書がされたときは,Aは,当該原因関係が消滅したことを主張して,Bからの手形金請求を拒むことができる。
4.AがBに対し振り出した約束手形につき,AB間の手形振出しの原因関係が消滅した場合において,Bが,支払のための呈示をすることなく,Cに対し満期日の翌日に裏書をしたときは,Cが当該原因関係の消滅の事実について善意であったとしても,Aは,当該原因関係が消滅したことを主張して,Cからの手形金請求を拒むことができる。
5.AがBに対し振り出した約束手形につき,AB間の手形振出しの原因関係が消滅した場合において,BがCに対し「取立てのため」との文言を付して裏書をしたときは,Aは,Cが債務者を害することを知って手形を取得した場合でなければ,当該原因関係が消滅したことを主張して,Cからの手形金請求を拒むことができない。
解答 3
第10編 手形小切手 第11章 満期以後
SH2560H28-30Y 約束手形の遡求 B
約束手形の遡求に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.裏書人は,遡求義務者にならない場合がある。
イ.判例の趣旨によれば,遡求を受けて受け戻した手形の所持人は,満期の日から3年を経過し
て振出人の義務について消滅時効が完成した後であっても,前者である遡求義務者に遡求をすることができる。
ウ.手形が,振出人AからB,BからC,CからD,DからEに順次裏書によって譲渡され,手形の所持人Eが,裏書人B,C及びDのいずれに対しても遡求をすることができる要件を満たしているが,いまだその請求をしていない場合において,Eが,B,C及びDから同時に遡求金額の支払の申出を受けたときは,Eは,B,C及びDのうち,任意に選んだ者から支払を受けることができる。
エ.判例の趣旨によれば,手形の所持人が,支払呈示期間内に,振出日が白地である確定日払の手形を,白地を補充しないで支払のため呈示し,支払を拒絶された場合には,支払呈示期間経過後に白地を補充したとしても,遡求をすることができない。
オ.判例の趣旨によれば,約束手形の振出人に対する満期前の手形金請求訴訟の提起又は当該訴訟に係る訴状の送達は,裏書人に対する満期後の遡求権行使の要件である支払のための呈示としての効力を有しない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 3
第10編 手形小切手 第12章 支払・保証
SH2570R02-29Y 手形の支払及び保証 B
手形の支払及び手形保証に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.手形債務者が手形の満期前に期限の利益を放棄して手形金の支払をしようとするときは,手形所持人は,その支払を受けることを要しない。
2.判例の趣旨によれば,約束手形の補箋の表面にした単なる署名は,保証その他これと同一の意義を有する文字の表示がなくても,保証とみなされる。
3.裏書の連続がある手形の手形債務者は,単に所持人が無権利者であることを知っているだけではなく,所持人が無権利者であることを容易かつ確実に立証し得る証拠方法があることを知っていながら手形金の支払を拒まなかった場合に,悪意があると認められ,支払免責を受けることができない。
4.約束手形の受取人が振出人に対して手形上の債務の履行を請求した場合には,手形保証人に対しては時効の中断の効力が生じない。
5.手形の支払免責は,手形債務者ではなく,支払担当者が支払をした場合には,適用されない。
解答 5
SH2580H25-30Y 手形保証 B
AがBに対して約束手形を振り出し,Cが手形保証をした場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが未成年者であり,その法定代理人がAの手形行為を取り消した場合でも,これによって,Cの手形保証債務は,無効とはならない。
イ.判例によれば,Aの手形債務が時効により消滅した場合でも,Cの手形保証債務は,消滅しない。
ウ.BがCに手形保証債務の履行を請求するためには,遡求権保全の手続を採る必要はない。
エ.判例によれば,A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合でも,Cは,Bに対し,手形保証債務の履行を拒むことはできない。
オ.Cが,Aに弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明した場合でも,Bは,Aの財産についてではなく,Cの財産について執行することができる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 3
第10編 手形小切手 第14章 白地手形
SH2590R01-30Y 白地手形 B
AがBに対し振り出した白地手形に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,白地部分以外の手形要件は具備されているものとする。
ア.判例の趣旨によれば,AがBに対し受取人白地の約束手形を振り出し,Bが白地の補充をしないままこれをCに裏書譲渡した場合において,CがAに対し満期日に受取人白地のまま手形金を請求したときは,Aは,履行遅滞に陥らない。
イ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振出日白地の約束手形を振り出し,BがAに対し満期日から3年以内に振出日白地のまま手形金請求の訴えを提起し,その後,Bが当該訴えの事実審口頭弁論終結時までに白地の補充をした場合において,その補充の時が満期日から3年を経過した後であったときは,Aは,その手形上の権利の消滅時効を援用することができる。
ウ.判例の趣旨によれば,AがBに対し満期及び受取人が白地の約束手形を振り出した場合において,Bが振出日から5年以内にAとの間であらかじめされた白地の補充に関する合意に基づき満期の記載を補充し,Aに対し満期日から3年以内に受取人の記載を補充して手形金を請求したときは,Aは,その手形上の権利の消滅時効を援用することができない。
エ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した手形が白地手形であって,Bが白地の補充をしないままこれをCに裏書譲渡した場合において,CがAとBとの間であらかじめされた白地の補充に関する合意と異なる補充をしたときであっても,Cが善意でかつ重大な過失がないときは,Aは,その白地の補充に関する合意に反することをもってCに対抗することができない。
オ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した手形が白地手形であって,Bが白地の補充をする前に当該手形を紛失した場合において,当該手形について除権決定があったときは,Bは,Aに対し,手形外で白地を補充する旨の意思表示をすることにより手形金を請求することができる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 4
第10編 手形小切手 第16章 総合
SH2620H26-55K 約束手形の流通性 A
約束手形に関する次のアからオまでの各規律のうち,約束手形の流通性を高める趣旨によるものとしてふさわしくないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.約束手形の振出人は,為替手形の引受人と同一の義務を負う。
イ.約束手形の金額が文字及び数字によって記載された場合において,文字によって記載された金額と数字によって記載された金額とに差異があるときは,文字によって記載された金額が手形金額となる。
ウ.約束手形に偽造の署名がある場合でも,他の署名者の債務は,その効力を妨げられない。
エ.約束手形の取得者には,手形法所定の要件の下で善意取得が認められる。
オ.約束手形の所持人が裏書人に対して遡求権を行使するためには,原則として,満期又はこれに次ぐ2取引日内に振出人に対して支払のための呈示をするなど,手形法所定の要件を満たさなければならない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 2
SH2630H27-29Y 約束手形の流通 A
約束手形の流通に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが商取引の裏付けなく専ら手形を利用してBに金融を得させることを目的としてBに手形を振り出した場合において,BがCにこれを裏書譲渡したときは,Cがそのような手形振出しの目的を知ってその手形を取得したときでも,Aは,そのことを理由として,Cに対して手形金の支払を拒むことができない。
イ.手形を善意取得した者は,その手形について除権決定があったときは,その手形に表章された手形上の権利を失う。
ウ.AがBに振り出した手形が白地手形であって,Bが白地の補充をしないままこれをCに裏書譲渡した場合において,CがA・B間であらかじめされた白地の補充に関する合意と異なる補充をしたときは,Cが善意でかつ重大な過失がないときでも,Aは,その白地の補充に関する合意に反することをもってCに対抗することができる。
エ.手形の裏書欄の記載事項のうち被裏書人欄の記載のみが抹消されたときは,その裏書は,裏書の連続の関係では,白地式裏書となる。
オ.AがBに振り出した手形をBがCに裏書譲渡し,これをCが更にDに裏書譲渡した場合において,AがBに対する人的抗弁を善意のCに対して対抗することができないときは,Dがその人的抗弁の存在を知ってその手形を取得したときでも,Aは,Dに対してその人的抗弁を対抗することができない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 3
SH2640H26-56K 約束手形の振出人と裏書人 B
約束手形の振出人と裏書人の手形法上の地位に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.振出人は,手形に「指図禁止」の文字を記載することができるが,裏書人は,新たな裏書を禁止することはできない。
2.手形金額を100万円とする手形が振り出された後に,手形金額が200万円に変造され,その後,裏書がされた場合には,振出人及び裏書人は,100万円の限度で手形上の債務を負う。
3.受取人の記載のない手形について振出人に対し手形上の権利を行使するには,受取人の記載を補充する必要があるが,被裏書人の記載のない手形について裏書人に対し手形上の権利を行使するには,被裏書人の記載を補充する必要はない。
4.振出人及び裏書人が手形所持人に対して合同して責任を負うときは,手形所持人が振出人に対して手形上の債務の履行を請求しても,裏書人に対しては時効の完成猶予の効力を生じない。(問改)
5.手形上の権利は,振出人に対するものであっても,裏書人に対するものであっても,満期の日から1年間行使しないときは,時効により消滅する。
解答 3,4
SH2650H27-30Y 約束手形の支払 A
約束手形の支払に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.振出人が期限の利益を放棄して支払をすべき日より前に手形金の支払をしようとするときは,所持人は,その支払を拒むことができる。
2.振出人が支払をすべき日に手形金の一部の支払をしようとするときは,所持人は,その支払を拒むことができる。
3.振出人は,支払をすべき日に手形金の支払をするに当たり,裏書の連続の整否を調査する義務を負うが,裏書人の署名を調査する義務を負わない。
4.振出人は,所持人が支払をすべき日又はこれに次ぐ2取引日内に支払のために手形を呈示しないときでも,所持人に対する手形金の支払義務を免れない。
5.確定日払の手形の振出人は,所持人が支払のために手形を呈示しないときでも,支払をすべき日に支払をしない限り,同日以後の利息を支払わなければならない。
解答 2,5
SH2660H29-29Y 約束手形 B
AがBに対し振り出した約束手形に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。なお,支払拒絶証書の作成は,免除されているものとする。
1.Bは,手形金額の一部のみであっても裏書により譲渡することができる。
2.Bから裏書を受けたCは,Aに対し,支払呈示期間内に支払のため手形を呈示した場合において,支払がなかったときは,Bに対し,手形金を請求することができる。
3.Bから裏書を受けたCがDに対し「取立てのため」との文言を付して裏書をし,Dが,Aに対し,支払のため手形を呈示したが,支払がなかったため,手形をCに返還した場合には,Dに対する被裏書人欄の記載を抹消しないときであっても,裏書の連続が認められる。
4.Bから裏書を受けたCは,Aに対し,支払呈示期間経過後に支払のため手形を呈示した場合であっても,満期日からの遅延損害金を請求することができる。
5.Bが,Cに対し,裏書をするに当たり,被裏書人名を記入しないで白地のまま交付し,さらに,CがDに対し裏書をしないで単なる交付により譲渡した場合には,Cは,手形所持人に対し,担保責任を負わない。
解答 1,4
第10編 手形小切手 第17章 為替手形
SH2670R02-30Y 為替手形及び小切手 B
為替手形及び小切手に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.為替手形の振出人及び小切手の振出人は,いずれも,第一次的な支払義務者ではなく,遡求義務者である。
イ.為替手形の支払人及び小切手の支払人は,いずれも,銀行又は銀行と同視される人若しくは施設に限られる。
ウ.為替手形については持参人払式のものが認められないが,小切手については持参人払式のものが認められる。
エ.為替手形及び小切手については,いずれも,利息文句を記載することにより,手形金額及び小切手金額に利息を付すことができる。
オ.為替手形の支払人は裏書をすることができるが,小切手の支払人は裏書をすることができない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 3
第10編 手形小切手 第18章 小切手
SH2680H30-29Y 小切手 B
小切手に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.小切手は,引受けをすることができない。
イ.小切手は,振出人の自己宛てで振り出すことができない。
ウ.特定の日に支払う旨の記載をした小切手であっても,一覧払のものとされる。
エ.一般線引小切手は,二条の平行線内に銀行の名称を記載することにより,特定線引小切手に変更することができる。
オ.小切手の所持人の裏書人,振出人その他の債務者に対する遡求権は,支払呈示期間経過後3年をもって時効によって消滅する。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 4
SH2710H24-54K 信用証券性と支払証券性 B
手形は,主として「信用の手段」として規律され,小切手は,主として「支払の手段」として規律されている。次の1から5までの各記述のうち,このことと関係がないものはどれか。
1.約束手形の振出人は,第一次的な支払義務を負うが,小切手の振出人は,支払人が支払拒絶をしたことを条件とする支払義務を負うにとどまる。
2.小切手においては,支払人が銀行その他の金融機関に限られ,かつ,振出人は,その支払人の下に小切手の支払に充てられるべき資金を有していなければならないが,為替手形においては,そのような制約はない。
3.為替手形においては,支払人が引受けをすることができるが,小切手においては,支払人が引受けをすることはできない。
4.手形においては,満期の定め方として一覧払のほかに確定日払,日附後定期払及び一覧後定期払も認められるが,小切手においては,一覧払しか認められない。
5.小切手の支払呈示期間は,原則として振出日の日付から10日内とされているが,一覧払手形の支払呈示期間は,原則として振出日の日付から1年内とされている。