第1編 総則 第3章 人

MN0020H30-01 胎児 A

胎児に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.胎児を受贈者として死因贈与をすることはできない。
イ.胎児を受遺者として遺贈をすることはできない。
ウ.胎児の父は,胎児の母の承諾を得ても,胎児を認知することはできない。
エ.胎児の母は,胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない。
オ.胎児のときに不法行為を受けた者は,出生前にその父母が胎児を代理して加害者とした和解に拘束される。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 2

MN0050H28-01 未成年者 A

未成年者に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,本問では,婚姻による成年擬制を考慮する必要はない。
ア.未成年者は,養親となることができない。
イ.15歳に達した未成年者は,遺言の証人となることができる。
ウ.一種又は数種の営業を許された未成年者は,その営業に関しては,成年者と同一の行為能力を有する。
エ.未成年者は,法定代理人の同意を得ずにした法律行為を単独で取り消すことができる。
オ.未成年者は,代理人となることができない。
1.ア ウ  2.ア オ   3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 4

MN0060H29-01K 未成年者 B

Aが19歳で,親権に服する男性であることを前提として,次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Aがその親権者から営業を行うことを許可された後に親権者の同意を得ずに売買契約を締結した場合には,その売買契約がその営業に関しないものであっても,Aは,その売買契約を取り消すことができない。
イ.Aの親権者が,新聞配達のアルバイトによりAが得る金銭の処分をAに許していた場合において,Aがそのアルバイトによって得た金銭で自転車を購入したときは,Aがその売買契約を締結する際に親権者の同意を得ていないときであっても,Aは,その売買契約を取り消すことができない。
ウ.Aがその親権者の同意を得ずにAB間に生まれた子を認知した場合であっても,Aは,その認知を取り消すことができない。
エ.Aが精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある場合でも,Aが成年に達するまでは,家庭裁判所は,Aについて後見開始の審判をすることができない。
オ.Aが相続によって得た財産から100万円をBに贈与する旨の契約を書面によらずに締結した場合において,書面によらない贈与であることを理由にAがその贈与を解除したときでも,Aが贈与の解除について親権者の同意を得ていなかったときは,Aは,贈与の解除を取り消すことができる。(問改) 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 3

MN0110H24-01 行為能力 A

行為能力に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者は,自ら補助開始の審判を請求することができない。
イ.成年被後見人が認知をする場合,成年後見人の同意は不要である。
ウ.保佐人の同意を得なければならない行為について,被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず保佐人が同意をしないとき,被保佐人は,家庭裁判所に対し,保佐人の同意に代わる許可を請求することができる。
エ.被補助人について後見開始の審判をする場合,家庭裁判所は,その者に係る補助開始の審判を取り消さずに後見開始の審判をすることができる。
オ.精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者について,家庭裁判所は,同意権も代理権も付与されない補助人を選任することができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 3

MN0130H24-02 制限行為能力者 A

制限行為能力者に関する次の1から4までの各記述のうち,正しいものはどれか。 
1.制限行為能力者のした契約について,制限行為能力者及びその法定代理人が取消権を有するときは,契約の相手方も取消権を有する。
2.契約を締結した成年者がその後に後見開始の審判を受けたとき,成年後見人は,その契約の当時,既にその成年者につき後見開始の事由が存在していたことを証明して,その成年者のした契約を取り消すことができる。
3.未成年者は,その契約を取り消すことができることを知って契約を締結したときでも,その契約を取り消すことができる。
4.制限行為能力者が,自己を行為能力者であると信じさせるために相手方に対して詐術を用いて法律行為をした場合は,その法律行為について重要な錯誤があるときでも,錯誤による取消しを主張することはできない。(問改)

解答 3

MN0140H26-01 制限行為能力 A

制限行為能力に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.未成年者が婚姻をする場合に,未成年後見人があるときは,その同意を得なければならない。
イ.成年被後見人がした遺言は,成年後見人が取り消すことができる。
ウ.保佐開始の審判は,本人の同意がなくてもすることができる。
エ.保佐人の同意を得なければならない行為について,保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは,家庭裁判所は,被保佐人の請求により,保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
オ.本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには,本人の同意が必要である。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ ウ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 1

MN0150H29-02 被保佐人 A

被保佐人Aが保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにBに対してA所有の甲土地を売り渡したことを前提として,当該売買契約の効力に関する次のアからオまでの各記述のうち誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.BがAの保佐人に対し当該売買契約を追認するかどうか確答することを1か月の期間を定めて催告した場合において,保佐監督人があるときは,保佐人が保佐監督人の同意を得てその期間内に追認の確答を発しなければ,当該売買契約を取り消したものとみなされる。
イ.BがAに対し当該売買契約について保佐人の追認を得ることを1か月の期間を定めて催告した場合において,Aがその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは,当該売買契約を取り消したものとみなされる。
ウ.Aが行為能力者となった後に,BがAに対し当該売買契約を追認するかどうか確答することを1か月の期間を定めて催告した場合において,Aがその期間内に確答を発しないときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。
エ.Aが行為能力者となった後に,AがBから甲土地の所有権移転登記手続の請求を受けたときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。
オ.Aが行為能力者となった後に,Aが甲土地の売買代金債権を他人に譲渡したときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。 
1.ア エ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.ウ オ

解答 1

MN0160R01-01K 制限行為能力者 A

制限行為能力者の行為であることを理由とする取消しに関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.未成年者がした売買契約は,親権者の同意を得ないでした場合であっても,その契約が日常生活に関するものであるときは,取り消すことができない。
イ.成年被後見人がした売買契約は,成年後見人の同意を得てした場合であっても,その契約が日常生活に関するものであるときを除き,取り消すことができる。
ウ.被保佐人がした保証契約は,保佐人の同意を得てした場合には,取り消すことができない。
エ.被補助人が,補助人の同意を得なければならない行為を,その同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでしたときは,その行為は取り消すことができる。
オ.成年被後見人の行為であることを理由とする取消権の消滅時効の起算点は,成年被後見人が行為能力者となった時である。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 2

MN0161R02-01 補助 B

補助に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。  
ア.家庭裁判所は,精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であり保佐開始の原因がある者についても,補助開始の審判をすることができる。
イ.本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには,家庭裁判所が相当と認める場合を除き,本人の同意がなければならない。
ウ.補助開始の原因が消滅したときは,家庭裁判所は,職権で補助開始の審判を取り消すことができる。
エ.補助人の同意を得なければならない行為について,補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは,家庭裁判所は,被補助人の請求により,補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
オ.家庭裁判所が特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をした場合であっても,被補助人は,その法律行為を自らすることができる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 5

MN0180R01-02 不在者管理人 A

Aがその財産の管理人を置かないで行方不明となったことから,家庭裁判所は,Bを不在者Aの財産の管理人として選任した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Aが甲土地を所有している場合,BがAを代理して甲土地をCに売却するためには,家庭裁判所の許可を得る必要がある。
イ.Aが所有する現金が発見された場合,BがAを代理してその現金をD銀行のA名義普通預金口座に預け入れるためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
ウ.AがEに対して借入金債務を負っており,その債務が弁済期にある場合,BがAのためにEに対しその債務の弁済をするためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
エ.Aが被相続人Fの共同相続人の一人である場合,BがAを代理してFの他の共同相続人との間でFの遺産について協議による遺産分割をするためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
オ.Aに子Gがいる場合,BがAを代理してGに対し結婚資金を贈与するためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 5

MN0190H29-03K 失踪宣告 B

失踪宣告に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.沈没した船舶の中に在ったAについて失踪宣告がされた場合には,Aはその沈没事故の後1年が経過した時に死亡したものとみなされる。
イ.Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされた場合には,Aは,7年間の期間が満了した時に死亡したものとみなされる。
ウ.Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされ,Aが死亡したものとみなされた後にAの生存が判明した場合でも,失踪宣告がされた後にAがした売買契約は,失踪宣告が取り消されなければ有効とはならない。
エ.Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされ,Aが死亡したものとみなされた後に,Aの子であるBがA所有の甲土地を遺産分割により取得した。その後,Bは,Cに甲土地を売却したが,その売却後にAの生存が判明し,Aの失踪宣告は取り消された。その売買契約の時点で,Aの生存についてBが善意であっても,Cが悪意であるときは,Cは,甲土地の所有権を取得することができない。
オ.Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされ,Aが死亡したものとみなされた後に,Aの生存が判明したが,失踪宣告が取り消されずにAが死亡した場合には,もはやその失踪宣告を取り消すことができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN0191R03-01K 失踪宣告 A

失踪宣告に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.不在者の推定相続人は,家庭裁判所に失踪宣告の請求をすることができる。
イ.死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が,その危難が去った後1年間明らかでないことを理由として失踪宣告がされた場合には,失踪宣告を受けた者は,その危難が去った時に死亡したものとみなされる。
ウ.失踪宣告を受けて死亡したものとみなされたAから甲土地を相続したBが,Cに甲土地を売却した後に,Aの失踪宣告が取り消された。この場合において,CがAの生存につき善意であったときは,Bがこれにつき悪意であったとしても,その取消しは,BC間の売買契約による甲土地の所有権の移転に影響を及ぼさない。
エ.失踪宣告が取り消された場合,失踪宣告によって財産を得た者は,失踪者の生存につき善意であっても,財産を得ることによって受けた利益の全額を失踪者に返還しなければならない。
オ.失踪宣告を受けて死亡したものとみなされたAが,失踪宣告が取り消される前に,Bから甲土地を買い受けた場合,この売買契約は,失踪宣告がされたことにつきBが善意であるときに
限り効力を有する。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 1

第1編 総則 第4章 法人

MN0220H25-07 一般社団法人 B

一般社団法人に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めていない場合には,各理事は,単独で一般社団法人を代表する。
イ.一般社団法人は,代表者でない者が職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負うことはない。
ウ.一般社団法人に理事が複数ある場合には,必ず理事会を置かなければならない。
エ.一般社団法人が代表理事を定めた場合には,必ず理事会を置かなければならない。
オ.一般社団法人が理事会を設置した場合には,必ず監事を置かなければならない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 2

MN0230H30-02K 法人 B

法人に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.法人は成年後見人になることができない。
イ.法人は民法上の組合の組合員になることができない。
ウ.法人は財産以外の損害について不法行為に基づき損害賠償を請求することができない。
エ.法人は遺言執行者になることができる。
オ.法人は特別縁故者として相続財産の分与を受けることができる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ 4.ウ エ  5.エ オ

解答 5

MN0231R02-02 法人 B

法人に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.法人は,その定款に記載された目的に含まれない行為であっても,その目的遂行に必要な行為については,権利能力を有する。
イ.理事が法人の機関として不法行為を行い,法人が不法行為責任を負う場合には,その理事は,個人として不法行為責任を負うことはない。
ウ.法人の代表者が職務権限外の取引行為をし,当該行為が外形的に当該法人の職務行為に属すると認められる場合であっても,相手方がその職務行為に属さないことを知っていたときは,法人は,代表者の当該行為に基づいて相手方に生じた損害の賠償責任を負わない。
エ.外国人が享有することのできない権利であっても,認許された外国法人は,日本において成立する同種の法人と同様に,その権利を取得することができる。
オ.設立登記が成立要件となっている法人について,設立登記がされていなくても,法人としての活動の実態がある場合には,予定されている定款の目的の範囲内での権利能力が認められる。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 1

第1編 総則 第6章 法律行為総説

MN0280H27-01 法律行為 B

法律行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.代理権を有しない者が本人のためにすることを示して契約を締結した場合,本人がその契約の相手方に対して追認を拒絶する旨を表示することは,法律行為に当たる。
イ.債権者が債務者に対してその債務を免除する旨を表示することは,法律行為に当たる。
ウ.債権者が債務者に対してあらかじめ弁済の受領を拒絶する旨を表示することは,法律行為に当たる。
エ.2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において,双方の債務が弁済期にあるときに,債務者の一方が相手方に対してその対当額について相殺をする旨を表示することは,法律行為に当たる。
オ.債務の消滅時効が完成する前に,債務者が債権者に対してその債務の承認をする旨を表示することは,法律行為に当たる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 5

MN0290H25-01 公序良俗違反 B

次の各記述のうち公序良俗に違反することを根拠とするものは,後記1から4までのうちどれか。 
1.土地の売買契約により,買主が所有権を取得し,その引渡しを受けた後に,売主がその土地に第三者のため地上権の設定登記をした場合には,売主が買主に対して残代金の支払を催告し,その不払を理由に売買契約を解除する旨の意思表示をしても,解除の効力は生じない。
2.食品の製造業者Aが,有害性物質甲の混入した食品の販売を法令が禁止していることを知りながら,あえて甲の混入した食品を製造し,これをその混入の事実を知る販売者Bに継続的に売り渡す契約を締結した場合,この売買契約は無効であるから,BはAに対してその代金支払の義務を負わない。
3.消費貸借契約の貸主が積極的に借主の誤信を招くような対応をしたため,借主が期限の利益を喪失していないものと信じて各期の支払を継続し,貸主も借主が誤信していることを知りながらその誤信を解くことなく弁済金を受領し続けたという事情がある場合,貸主は,借主に対し,期限の利益を喪失した旨の主張をすることはできない。
4.不動産の共同相続人の一人が,単独相続の登記をして,これに抵当権を設定し,その設定登記をしながら,自己の持分を超える部分の抵当権の無効を主張して,その抹消登記手続を請求することはできない。

解答 2

第1編 総則 第7章 意思表示

MN0310H25-02K 意思表示 A

意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.意思能力が欠けた状態で契約を締結した者は,後見開始の審判を受けていなくても,その契約の無効を主張することができる。
イ.被保佐人が,保佐人の同意を得て,自己の不動産につき第三者との間で売買契約を締結したときは,被保佐人がその売買契約の要素について錯誤に陥っており,かつ,そのことにつき重大な過失がない場合でも,その契約の無効を主張することができない。
ウ.第三者の詐欺によって相手方に対する意思表示をした者は,相手方が第三者による詐欺の事実を知らなかった場合にも,その詐欺によって生じた錯誤が錯誤無効の要件を満たすときは,相手方に対し,その意思表示の無効を主張することができる。
エ.被保佐人は,保証契約を締結する前にその行為をすることについて保佐人の同意を得たときは,自己の判断でその保証契約の締結を取りやめることはできない。
オ.被保佐人と契約を締結しようとする者は,家庭裁判所に対し,利害関係人として,被保佐人に十分な判断能力があることを理由に保佐開始の審判の取消しを請求することができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 1

MN0320H27-02K 意思表示 A

意思表示に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。 
1.Aは,その所有する甲土地についてBと仮装の売買契約を締結し,その旨の所有権移転登記をした。その後,Bがこの事情を知らないCに甲土地を売却した場合,BからCへの所有権移転登記がされていないときでも,Aは,Cに対し,AB間の売買契約の無効を主張することができない。
2.Aは,その所有する甲土地についてBと仮装の売買契約を締結し,その旨の所有権移転登記をした。その後,Bがこの事情を知らないCから500万円を借り入れたが,その返済を怠ったことから,Cが甲土地を差し押さえた場合,甲土地の差押えの前にCがこの事情を知ったとしても,Aは,Cに対し,AB間の売買契約の無効を主張することができない。
3.Aの代理人であるBは,その代理権の範囲内でAを代理してCから1000万円を借り入れる旨の契約を締結したが,その契約締結の当時,Bは,Cから借り入れた金銭を着服する目的を有しており,実際に1000万円を着服した。この場合において,Cが,その契約締結の当時,Bの目的を知ることができたときは,Aは,Cに対し,その契約の効力が自己に及ばないことを主張することができる。(問改)
4.AのBに対する甲土地の売買契約の意思表示について錯誤取消しの要件を満たす場合でも,Aに自らの錯誤を理由としてその意思表示の取消しを主張する意思がないときには,Bは,Aの意思表示の取消しを主張することはできない。(問改)

解答 2

MN0330H28-36 仮装譲渡 A

A所有の甲土地に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Aは,BからBの取引上の信用のために,甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け,Bへの所有権移転登記を了した。この場合において,Bから甲土地を譲り受けたCが,仮装譲渡について善意のときは,登記を備えていなくてもAに対して甲土地の所有権取得を主張することができる。
イ.Aは,BからBの取引上の信用のために,甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け,Bへの所有権移転登記を了した。この場合において,Bの死亡によりその単独相続人として所有権移転登記を了したCが,仮装譲渡について善意のときは,Aに対して甲土地の所有権を主張することができる。
ウ.Dは,建物所有を目的としてAから甲土地を賃借し,甲土地上に乙建物を建築してD名義で乙建物の所有権保存登記を有している。Aは,BからBの取引上の信用のために,甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け,Bへの所有権移転登記を了した。この場合において,Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けて登記を備えたCは,仮装譲渡であることをDが知っていたときは,甲土地の賃借権を否定することができる。
エ.Aは,BからBの取引上の信用のために,甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け,Bへの所有権移転登記を了した。この場合において,Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けたCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは,仮装譲渡について悪意であったとしても甲土地の所有権を取得する。
オ.Dは,建物所有を目的としてAから甲土地を賃借し,甲土地上に乙建物を建築してD名義で乙建物の所有権保存登記を有している。Dは,BからBの取引上の信用のために,乙建物の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け,Bへの所有権移転登記を了した。この場合において,仮装譲渡であることを知らなかったAは,Bに対して,賃借権の譲渡を承諾し,地代の支払を求めることができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 2

MN0340H28-03K 意思表示 A

意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。  
ア.成年被後見人であるAがBから日用品を買い受けた場合,Aが成年被後見人であることをBが知らなかったとしても,Aの成年後見人Cは,当該日用品の売買契約を取り消すことができる。
イ.AがBから契約解除の意思表示を受けた時にAが成年被後見人であった場合,Aの成年後見人CがBの契約解除の意思表示を知るまで,当該契約解除の効力は生じない。
ウ.AがBに対し契約申込みの通知を発した後,Aが行為能力を喪失した場合,Bがその事実を知っていたとしても,当該契約申込みの効力は生じる。(問改)
エ.AがBに対し契約解除の通知を発した後,Aが行為能力を喪失した場合,Bがその事実を知っていたとしても,当該契約解除の効力は生じる。(問改)
オ.AがBに対し契約承諾の通知を発した後,Aが行為能力を喪失した場合,Bがその事実を知っていたとしても,当該契約は成立する。(問改) 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 2(但しイは×とも考えられる。)

MN0351R03-02 意思表示 A

意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.表意者がその真意ではないことを知って意思表示をした場合において,相手方が,表意者の真意を具体的に知らなくても,その意思表示が表意者の真意ではないことを知り,又は知ることができたときは,その意思表示は無効である。
イ.表意者の意思表示がその真意ではないことを理由として無効とされた場合において,その無効は,善意であるが過失がある第三者に対抗することができる。
ウ.相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は,第三者がその表示の目的につき法律上の利害関係を有するに至った時に善意であれば,その後悪意になったとしても,その第三者に対抗することができない。
エ.相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合,相手方がその事実を知らなかったとしても,それを知ることができたときは,表意者は,その意思表示を取り消すことができる。
オ.強迫による意思表示の取消しは,善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 4

MN0352R03-03K 解除の意思表示 A

AのBに対する契約の解除の意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Aが未成年者であるBに対して契約を解除する旨の通知書を発送したところ,Bがその通知書を受け取り,Bの法定代理人がその解除の意思表示を知るに至った。この場合,Aは,その意思表示をもってBに対抗することができる。
イ.Aは,Bに対して契約を解除する旨の通知書を何度も発送したが,Bは,正当な理由なく,その受取を拒んだ。この場合,Aがした解除の意思表示は,到達したものとみなされる。
ウ.Aは,Bに対して契約を解除する旨の通知書を発送した後に死亡し,その後,その通知書がBのもとに到達した。この場合,Aがした解除の意思表示は,その効力を妨げられない。
エ.Aは,Bに対して契約を解除する旨の通知を電子メールで発信したが,通信システムの不具合によりその通知はBに到達しなかった。この場合,Aがした解除の意思表示は,その効力を生ずる。
オ.Aは,Bに対して契約を解除する旨の通知書を発送しようとしたが,Bの所在を知らず,公示の方法によって解除の意思表示をした。この場合,Bの所在を知らないことについてAに過失があったとしても,Aがした解除の意思表示は,その効力を生ずる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

MN0370H29-04 虚偽表示 A

虚偽表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地をBに仮装譲渡し,AからBへの所有権移転登記がされた後,Bの債権者Cが甲土地を差し押さえた場合において,その差押えの時にCが仮装譲渡について善意であったときは,Aは,Cに対し,Bへの譲渡が無効であることを主張することができない。
イ.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地をBに仮装譲渡した後に,CがBとの間で甲土地についてCを予約者とする売買予約を締結した場合,仮装譲渡についてCが予約成立の時に善意であっても,予約完結権行使の時に悪意であれば,Cは,Aに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
ウ.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地にBのための抵当権設定を仮装した後,その抵当権設定が仮装であることについて善意のCがBから転抵当権の設定を受け,その旨の登記がされた場合には,Aは,Cに対し,原抵当権の設定が無効であることを主張することができない。
エ.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地をBに仮装譲渡し,AからBへの所有権移転登記がされた後に,Bが死亡した場合において,Bが死亡した時にBの相続人であるCが仮装譲渡について善意であったときは,Aは,Cに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
オ.甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地をBに仮装譲渡し,AからBへの所有権移転登記がされた後に,BがCに甲土地を譲渡し,さらに,CがDに甲土地を譲渡した場合において,Cが仮装譲渡について悪意であったときは,Dが仮装譲渡について善意であったとしても,Aは,Dに対し,甲土地の所有権を主張することができる。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ ウ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

MN0400H24-03 錯誤 B

錯誤に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 
1.意思表示の相手方が表意者の錯誤を認識していた場合であっても,表意者において錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは,表意者は,錯誤による取消しを主張することができない。(問改)
2.売買の目的物に隠れた瑕疵があり,この点について買主が錯誤に陥っていた場合は,錯誤の規定に優先して,瑕疵担保責任の規定が適用されることになる。(解答不能)
3.裁判上の和解は,裁判所の関与の下にされるものであるから,これについて錯誤による取消しを主張することはできない。(問改)
4.表意者に対して債権を有する者は,その債権を保全する必要がある場合,表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは,その意思表示の取消しを主張し,その結果生ずる表意者の債権を代位行使することができる。(問改)
5.意思表示の動機に錯誤があった場合,その意思表示の錯誤による取消しを主張するためには,その動機が表示されていれば足り,その動機が法律行為の内容となっている必要はない。(問改)

解答 4

MN0410H28-02 錯誤 B

錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法律行為の重要な錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合であっても,その意思表示の時から20年が経過すれば,表意者は,錯誤による意思表示の取消しをすることができる。(問改変)
イ.相手方の詐欺により法律行為の重要な錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合であっても,表意者は,錯誤による意思表示の取消しをすることができる。(問改)
ウ.Aを売主,Bを買主とする売買契約に基づく商品の売買代金をCが立替払する旨の契約がBC間で締結され,BのCに対する立替金償還債務をDが連帯保証した場合において,Dが,CD間の連帯保証契約締結当時,実際にはAB間の売買契約が存在しないことを知らなかったときは,Dは,CD間の連帯保証契約について錯誤による取消しをすることができる。(問改)
エ.他にも連帯保証人となる者がいるとの債務者の説明を信じて連帯保証人となった者は,特にその旨が表示され連帯保証契約の内容とされていたとしても,連帯保証契約について錯誤による取消しをすることができない。(問改)
オ.Aの所有する甲土地の売買契約が,Bを売主,Cを買主として成立した場合において,Cは,BC間の売買契約締結当時,甲土地がBの所有するものでなければ売買をしない旨の意思表示をしたとしても,BC間の売買契約について錯誤による取消しをすることができない。(問改)
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 3

MN0411R02-03K 錯誤 A

錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.錯誤を理由とする意思表示の取消しの可否について,錯誤の重要性は,表意者を基準として判断される。
イ.AのBに対する意思表示がAの錯誤を理由として取り消すことができるものである場合,Bも,Aの錯誤を理由としてAの意思表示を取り消すことができる。
ウ.負担のない贈与について贈与者であるAの錯誤を理由とする取消しがされたが,受贈者であるBが既に当該贈与契約に基づいて給付を受けていた場合,Bは,給付を受けた時に当該贈与契約が取り消すことができるものであることを知らなかったときは,現に利益を受けている限度において返還の義務を負う。
エ.AのBに対する意思表示が錯誤を理由として取り消された場合,Aは,その取消し前に利害関係を有するに至った善意無過失のCに,その取消しを対抗することができない。
オ.AのBに対する意思表示が錯誤に基づくものであって,その錯誤がAの重大な過失によるものであった場合,Aは,BがAに錯誤があることを知り,又は重大な過失によって知らなかったときを除いて,錯誤を理由としてその意思表示を取り消すことができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 4

MN0440H26-02K 詐欺/強迫 A

詐欺又は強迫による意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合において,相手方がその事実を知っていたときには,その意思表示を取り消すことができるが,第三者が強迫を行った場合においては,相手方がその事実を知らなかったときでも,その意思表示を取り消すことができる。
イ.Aがその所有する不動産をBに売却する旨の契約が締結され,これに基づきAからBへの所有権移転登記がされた場合において,Aが詐欺を理由としてその意思表示を取り消したときには,その旨の登記をしなければ,その取消し後にBからその不動産を買い受けたCに対抗することができないが,Aが強迫を理由としてその意思表示を取り消したときには,その旨の登記をしなくても,その取消し後にBからその不動産を買い受けたCに対抗することができる。
ウ.強迫による意思表示の取消しが認められるためには,表意者が完全に意思の自由を失って意思表示をしたことを要する。
エ.相手方に欺罔された結果,法律行為に重要な錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合には,錯誤による意思表示の取消しを主張することも,詐欺による意思表示の取消しをすることもできる。(問改)
オ.連帯債務者の一人であるAが代物弁済をした後,その代物弁済を詐欺を理由として取り消した場合,他の連帯債務者は,Aの代物弁済が詐欺によるものであることを知らなかったときであっても,債権者に対し,代物弁済による債務の消滅を主張することはできない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 3

MN0450H30-03 意思表示 A

意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.土地の仮装譲受人が当該土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合,その建物賃借人は,民法第94条第2項の「第三者」に当たらない。
イ.強迫による意思表示の取消しが認められるためには,表意者が,畏怖の結果,完全に意思の自由を失ったことを要する。
ウ.Aを欺罔してその農地を買い受けたBが,農地法上の許可を停止条件とする所有権移転の仮登記を得た上で,当該売買契約上の権利をCに譲渡して当該仮登記移転の付記登記をした場合には,Cは民法第96条第3項の「第三者」に当たる。
エ.協議離婚に伴う財産分与契約において,分与者は,自己に譲渡所得税が課されることを知らず,課税されないとの理解を当然の前提とし,かつ,その旨を黙示的に表示していた場合であっても,財産分与契約について錯誤による取消しをすることはできない。(問改)
オ.特定の意思表示が記載された内容証明郵便が受取人不在のために配達することができず,留置期間の経過により差出人に還付された場合,受取人がその内容を十分に推知することができ,受領も困難でなかったとしても,当該意思表示が受取人に到達したものと認められることはない。
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.エ オ 
(参照条文)民法
(虚偽表示)
第94条 (略)
2 前項の規定による意思表示の無効は,善意の第三者に対抗することができない。
(詐欺又は強迫)
第96条 1,2(略)
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは,善意でかつ過失のない第三者に対抗することができない。(改)

解答 2

第1編 総則 第8章 代理

MN0470H27-03K 代理 A

代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが,Cとの間で甲土地の売買契約を締結する際に,Bの従業員Dに命じて甲土地の売買契約書に「Aの代理人B」という署名をさせた場合でも,AC間に売買契約の効力が生ずる。
イ.Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが,Aの許諾を得て復代理人Cを選任し,CがDとの間で甲土地の売買契約を締結した場合,CがDに対しAのために売買契約を締結することを示しただけで,自らが代理人Bによって選任された復代理人であることを示さなかったときは,AD間に売買契約の効力は生じない。
ウ.Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが,CのBに対する詐欺により,Aのためにすることを示してCとの間で甲土地の売買契約を締結した場合,Aは,その売買契約を取り消すことができない。
エ.Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが,Cから甲土地を売却する権限を与えられてCの代理人にもなり,A及びCを代理してAC間の甲土地の売買契約を締結した場合,Bが双方代理であることをA及びCの双方にあらかじめ通知したときは,AC間に売買契約の効力が生ずる。
オ.Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが,Aのためにすることを示さずにCとの間で甲土地の売買契約を締結した場合,BがAのために売買契約を締結することをCが知ることができたときは,AC間に売買契約の効力が生ずる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 2

MN0480H28-04 代理 A

代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.無権代理行為の相手方は,代理人が代理権を有しないことを過失によって知らなかったときは,民法上の無権代理人の責任を追及することができない。
イ.代理権は,代理人が後見開始の審判を受けたときは消滅する。
ウ.成年後見人は,やむを得ない事由があるときでなければ,復代理人を選任することができない。
エ.委任による代理人がやむを得ない事由があるため復代理人を選任した場合,復代理人は,復代理の委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときであっても,本人に対し,その費用の償還を直接請求することはできない。
オ.Aの代理人BがCの詐欺により売買契約を締結した場合,Bは当該売買契約を取り消すことができるが,Aは当該売買契約を取り消すことができない。 
1.ア(ア イ) 2.イ(ア エ) 3.ウ(イ ウ) 4.エ(ウ オ) 5.オ(エ オ)(問改)

解答 2

MN0490H30-04K 代理 A

任意代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をした場合,本人は,自ら過失によって知らなかった事情について代理人が過失なく知らなかったことを主張することができない。(問改)
イ.権限の定めのない代理人は,保存行為をする権限のみを有する。
ウ.代理人が相手方と通謀して売買契約の締結を仮装した場合,相手方は,本人がその通謀虚偽表示を知っていたか否かにかかわらず,当該売買契約の無効を主張することができる。
エ.代理人が保佐開始の審判を受けたときは,代理権は消滅する。
オ.代理人が相手方と売買契約を締結した後,その代理人が制限行為能力者であったことが判明した場合であっても,本人は当該売買契約を行為能力の制限によって取り消すことができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN0500R01-03 代理 B

代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。  
ア.Aの代理人Bがその代理権の範囲内でAのためにすることを示さずにCと契約を締結した場合,Cにおいて,BがAのために契約を締結することを知っていたのでなければ,AC間に契約の効力が生じることはない。
イ.Aは,B及びCからあらかじめ許諾を得た場合,B及びCの双方を代理してBC間の契約を締結することができる。
ウ.委任による代理人が本人の指名に従って復代理人を選任した場合,代理人は,選任時に復代理人が不適任であることを知っていたとしても,本人に対して復代理人の選任についての責任を負うことはない。
エ.法定代理人がやむを得ない事由があるために復代理人を選任した場合,代理人は,本人に対して復代理人の選任及び監督についての責任のみを負う。
オ.無権代理人は,本人の追認を得られなかったとしても,自己に代理権があると過失なく信じて行為をしたときは,相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負わない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN0520H24-04K 任意代理 A

任意代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(問改) 
ア.代理人に対して意思表示をした者が,本人に対する意思表示であることを示したときは,代理人において本人のために受領することを示さなくても,その意思表示は本人に対して効力を生ずる。
イ.代理権は,代理人が後見開始の審判を受けたときは消滅する。
ウ.意思表示の効力がある事情を知っていたことによって影響を受けるべき場合,その事実の有無は,本人の選択に従い,本人又は代理人のいずれかについて決する。
エ.代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合,その契約の効力は,別段の意思表示がない限り,追認をした時から将来に向かって生ずる。
オ.代理人が本人の指名に従って復代理人を選任した場合は,その選任及び監督について本人に対して責任を負わないが,その復代理人が不誠実であることを知りながら,その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは,本人に対して責任を負う。 
1.ア イ  2.ア オ 3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 1

MN0530H26-03 代理人の権限 A

代理人の権限に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売買契約を締結する権限を与えられて代理人となった者は,相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受ける権限を有する。
イ.成年被後見人が日常生活に関する行為をすることができる場合,成年後見人は,成年被後見人の日常生活に関する法律行為について成年被後見人を代理することはできない。
ウ.家庭裁判所が選任した不在者の財産の管理人は,不在者を被告とする土地明渡請求訴訟の第一審において不在者が敗訴した場合,家庭裁判所の許可を得ないで控訴をすることができる。
エ.委任による代理人は,本人の許諾を得たときのほか,やむを得ない事由があるときにも,復代理人を選任することができる。
オ.個別に代理権の授権がなければ,日常の家事に関する事項についても,夫婦の一方は,他の
一方のために法律行為をすることはできない。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 3

MN0550H25-04K 表見代理 A

表見代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.本人から登記申請を委任された者が,その権限を越えて,本人を代理して第三者と取引行為をした場合において,その登記申請の権限が本人の私法上の契約による義務を履行するために付与されたものであり,第三者が代理人に権限があると信ずべき正当な理由があるときは,委任された登記申請の権限を基本代理権とする表見代理が成立する。
イ.原材料甲を仕入れる代理権を本人から付与された者が,その代理権を利用して利益を図ろうと考え,本人を代理して第三者から甲を買い受け,これを他に転売しその利益を着服した場合,権限外の行為についての表見代理に関する規定が類推され,第三者は,本人に対し,甲の代金の支払を求めることができる。(問題不適切)
ウ.子が父から何らの代理権も与えられていないのに,父の代理人として相手方に対し父所有の不動産を売却した場合,相手方において,子に売買契約を締結する代理権があると信じ,そのように信じたことに正当な理由があるときは,表見代理が成立する。
エ.本人からその所有する不動産に抵当権を設定する代理権を与えられた者が,本人を代理して当該不動産を売却した場合,売買契約の相手方がその権限の逸脱の事実を知り,又はそれを知らないことについて過失があったときでも,転得者が善意無過失であるときは,表見代理が成立する。
オ.夫が,日常の家事の範囲を越えて,妻を代理して法律行為をした場合,相手方において,その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由があるときは,権限外の行為についての表見代理に関する規定の趣旨が類推され,妻は夫がした法律行為によって生じた債務について,連帯してその責任を負う。
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 2

MN0560H29-05 代理 A

代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.代理人が自己又は第三者の利益を図るために契約をした場合において,それが代理人の権限内の行為であるときは,本人は,代理人の意図を知らなかったことについて相手方に過失があったとしても,その行為について責任を免れることができない。
イ.第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は,その他人に代理権が与えられていないことをその第三者が知り,又は過失によって知らなかったことを主張立証すれば,その表示された代理権の範囲内においてされた行為について責任を免れる。
ウ.権限外の行為の表見代理は,代理人として行為をした者が当該行為をするための権限を有すると相手方が信じたことにつき本人に過失がなかったときは成立しない。
エ.代理権消滅後の表見代理は,相手方が代理人として行為をした者との間でその代理権の消滅前に取引をしたことがなかったときは成立しない。
オ.相手方から履行の請求を受けた無権代理人は,表見代理が成立することを理由として無権代理人の責任を免れることはできない。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN0570H24-05 無権代理 A

無権代理に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.Aは,見知らぬ他人であるB宅に侵入し,Bの印章と登記関係の書類を盗み出し,それを用いて,BがAにB所有の甲不動産を売却する代理権を与えた旨の委任状を偽造し,Bの代理人として,Cに対して甲不動産を売却する契約を締結した。この場合において,CがAに代理権がないことについて善意無過失であっても,表見代理は成立しない。
2.判例によれば,Aの親権者Bは,Cから金銭を借り入れるに当たり,Aを代理してA所有の不動産にCのBに対する債権を担保するために抵当権を設定することはできないし,その設定行為を追認することもできない。
3.代理権を有しない者が代理行為として契約をした場合,その契約の時に代理権のないことを知っていた相手方は,本人が追認をする以前でもこれを取り消すことができない。
4.無権代理人が本人の追認を得ることができなかったときは,代理権の不存在につき善意無過失の相手方は,無権代理人に損害賠償を請求することができる。
5.判例によれば,AがBに代理権を与えないまま「A」という名称の使用を許し,BがAの取引であるように見える外形を作り出して取引をした場合,この取引の効果がAに帰属することはない。

解答 5

MN0610H26-04K 無権代理 A

無権代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.本人に代わって弁済を受領する権限がない者が本人の有する債権について本人に代わって弁済を受領した後に,第三者が当該債権を差し押さえて転付命令を得た場合において,その後に本人がその弁済受領行為を追認したときは,当該第三者は,転付命令により当該債権を取得することはできない。
イ.本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合であっても,その後に無権代理人が本人を相続したときは,無権代理行為は有効になる。
ウ.無権代理人を相続した本人は,無権代理行為について追認を拒絶することができる地位にあったことを理由として,無権代理人の責任を免れることができない。
エ.本人が無権代理人に対して無権代理行為を追認したとしても,相手方がこれを知るまでの間は,本人は,無権代理人に対しても追認の効果を主張することができない。
オ.無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において,他の共同相続人の一人が追認を拒絶したときは,無権代理行為は有効にならない。 
1.ア エ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.ウ オ

解答 5

MN0611R02-04 無権代理 A

Aは,Bの代理人と称して,Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが,実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。  
ア.AがCに対する無権代理人の責任を負う場合,Aは売買契約の履行をするか,又は損害賠償責任を負うかを自ら選択することができる。
イ.Bが売買契約を追認した場合,AはCに対する無権代理人の責任を負わない。
ウ.代理権を有しないことを知らないことにつきCに過失がある場合,Aは,自己に代理権がないことを知っていたときであっても,Cに対する無権代理人の責任を負わない。
エ.売買契約の締結後にAがDと共にBを相続した場合,Dの追認がない限り,Aの相続分に相当する部分においても,売買契約は当然に有効となるものではない。
オ.売買契約の締結後にBがAを単独で相続した場合,売買契約は当該相続により当然に有効となるものではない。 
1.ア イ  2.ア ウ 3.イ エ  4.ウ オ 5.エ オ

解答 2

第1編 総則 第9章 無効及び取消し

MN0620H25-05 無効と取消し A

無効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がなく養子縁組がされたときは,その縁組は無効である。
イ.賭博の勝ち負けによって生じた債権が譲渡された場合において,債務者が異議をとどめずに債権譲渡を承諾したとき,債務者は,当該債権の譲受人に対し,当該債権の発生に係る契約の公序良俗違反による無効を主張することができない。(問題不適切)
ウ.Aの所有する土地をBが錯誤により購入し,Bが当該土地を占有するCに対して所有権に基づき明渡しを求めた場合,Bにおいて錯誤による意思表示の取消しを主張する意思がないときは,Cは,当該土地の売買契約の取消しを主張して,その明渡しを拒むことはできない。(問改)
エ.AがB所有の動産をBから何らの代理権も与えられていないのにその代理人としてCに売却した場合には,Bがこれを追認すれば,BC間の売買契約は契約時にさかのぼって有効となるが,AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合には,Bがこれを追認すると,その追認の時に新たにAC間の売買契約が締結されたものとみなされる。
オ.Aがその所有する不動産を,一方でBとの売買契約によりBへ譲渡し,他方でCとの売買契約によりCへ譲渡した場合において,AからCへの所有権移転登記がされたときは,AB間の売買契約は無効となる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 2

MN0650H30-05 追認 A

追認に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.無権代理行為について本人が追認を拒絶した後は,本人であっても追認によってその行為を有効とすることができない。
イ.事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成して提出した場合において,当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し,かつ,後に他方が届出の事実を知ってこれを追認したときは,その婚姻は追認時から将来に向かって効力を生ずる。
ウ.代理権を有しない者がした契約を本人が相手方に対して追認した場合であっても,契約の時においてその者が代理権を有しないことを相手方が知らなかったときは,相手方は契約を取り消すことができる。
エ.親権者の代理行為が利益相反行為に当たる場合,本人は,成年に達すれば,追認することができる。
オ.養子縁組が法定代理人でない者の代諾によるために無効である場合であっても,養子本人は,縁組の承諾をすることができる満15歳に達すれば,追認することができる。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 3

第1編 総則 第10章 条件及び期限

MN0660R01-04K 条件 A

条件に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.停止条件付法律行為は,当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したとしても,条件が成就した時からその効果が生ずる。
イ.条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は,一般の規定に従い,処分し,相続し,若しくは保存し,又はそのために担保を供することができる。
ウ.不能の解除条件を付した法律行為は,無効となる。
エ.条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは,相手方は,その条件が成就したものとみなすことができる。
オ.停止条件付法律行為は,その条件が単に債務者の意思のみに係るときは,無条件となる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 3

MN0690H27-05 条件及び期限 B

条件及び期限に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.医学部に入学したAがBから金銭を借り入れた際に「借入金は私が医師になった時に返済する。」と約束していたが,その後,Aの父親が急死し,Aがその父親の事業を継がざるを得なくなったため医学部を中途退学した場合,Aは,Bに対する借入金の返還債務を免れる。
イ.家屋の賃貸人Aがその家屋の賃借人Bに対し,Bが滞納している賃料を所定の期限までに支払わない場合にはその家屋の賃貸借契約を解除する旨の意思表示をすることは,単独行為に条件を付することになっても許される。
ウ.AがBに対し「将来気が向いたら,私が所有する甲自動車を贈与する。」と約束したとしても,その贈与契約は無効である。
エ.AがBに対し「Bが医学部の卒業試験に合格したら,私が所有する甲自動車を贈与する。」と約束した場合,卒業試験の前にAが甲自動車を第三者Cに売却したときは,Bは,Aに対し,それにより生じた損害の賠償を請求することができる。
オ.AがBに対し「私の所有する乙土地の購入希望者をBが見つけることができ,Bの仲介により売買契約に至れば,その仲介報酬を支払う。」と約束した場合,Aが,Bの見つけてきた乙土地の購入希望者との間で,Bの仲介によらずに直接乙土地の売買契約を結んだときは,Bは,Aに対し,仲介報酬を請求することができない。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 2

MN0700H24-06K 条件及び期限、期間 A

条件,期限及び期間の計算に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合,その条件が解除条件である
ときは無条件の法律行為となり,その条件が停止条件であるときは無効な法律行為となる。
イ.不法な条件を付した法律行為は無効であるが,不法な行為をしないことを条件とする法律行為は有効である。
ウ.条件の付された権利は,その条件の成否が未定である間は,相続することができない。
エ.判例によれば,不法行為による損害の賠償を請求する債権の消滅時効の期間の計算については,被害者が損害及び加害者を知った時が午前零時でない限り,初日は算入しない。
オ.契約の一方当事者に債務不履行があった場合において,催告期間内に履行しなければ契約を解除する旨の意思表示を他方当事者がしたときは,その催告期間内に履行がなければ,改めて解除の意思表示をしなくても,解除の効果は発生する。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 3

MN0701R03-04 期間 B

期間に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述において言及されている特定の日は,特に記載がない限り,いずれも日曜日,国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当たらないものとする。 
ア.ある年の5月16日午後3時に「1週間以内に債務を履行する。」と合意された場合,その期間は,同日午前零時から起算する。
イ.ある年の6月3日午前10時に「5時間以内に債務を履行する。」と合意された場合,その期間は,同日午前10時から起算する。
ウ.合意によって定められた期間の末日が日曜日に当たる場合において,その日曜日に取引をする慣習があるときは,その期間は,その日に満了する。
エ.ある年の7月12日午前11時に「1か月以内に債務を履行する。」と合意された場合,その期間は,同年8月13日午後12時に満了する。
オ.うるう年ではない年の1月30日午後5時に「1か月以内に債務を履行する。」と合意された場合,その期間は同年2月28日午後12時に満了する。 
1.ア ウ  2.ア エ 3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 2

第1編 総則 第12章 時効

MN0730H26-05K 取得時効 B

取得時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.10年の取得時効を援用して所有権の取得を主張する者は,占有を開始した時及びその時から10年を経過した時の2つの時点の占有を主張・立証すれば足り,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と物を占有したこと,占有の開始時に善意無過失であったことについて主張・立証する必要はない。
イ.時効期間を計算する際には,その期間が午前零時から始まるときを除き,期間の初日は算入しない。
ウ.外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったと解される事情を証明すれば,所有の意思を否定することができる。
エ.Aが所有する不動産についてBが占有を継続したことにより取得時効が完成しても,Bは,その登記をしなければ,その後にAからその不動産を取得したCに対しては,時効による権利の取得を対抗することができない。
オ.他人が所有する土地を自己所有の土地として第三者に賃貸した者は,その第三者が20年間その土地を占有したとしても,取得時効によりその土地の所有権を取得することはできない。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 2

MN0740R01-05 取得時効 A

取得時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.時効期間中に建物が第三者の不法行為により一部損傷した場合の損害賠償請求権は,その建物の所有権を時効により取得した者に帰属する。
イ.不動産の所有権を時効により取得した者は,時効完成後にその不動産を譲り受けた者に対し,登記をしなくてもその所有権の取得を対抗することができる。
ウ.被相続人の占有により不動産の取得時効が完成した場合,その共同相続人の一人は,自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。
エ.自己の所有物を占有する者は,その物について取得時効を援用することができない。
オ.占有主体に変更があって承継された二個以上の占有が併せて主張される場合,占有者の善意無過失は,最初の占有者の占有開始時に判定される。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ 5.エ オ

解答 4

MN0790H28-05K 消滅時効 A

時効の援用に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.抵当不動産の第三取得者は,その抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
イ.先順位抵当権の被担保債権の消滅により後順位抵当権者に対する配当額が増加する場合,当該後順位抵当権者は,先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
ウ.詐害行為の受益者は,詐害行為取消権を行使している債権者の被保全債権について,その消滅時効を援用することができない。
エ.譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に譲渡担保の目的物を第三者に譲渡したときは,その第三者は譲渡担保権設定者が譲渡担保権者に対し有する清算金支払請求権の消滅時効を援用することができる。
オ.建物の敷地所有権の帰属につき争いがある場合において,その敷地上の建物の賃借人は,建物の賃貸人が敷地所有権を時効取得しなければ建物賃借権を失うときは,建物の賃貸人による敷地所有権の取得時効を援用することができる。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ ウ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 2

MN0820H27-06K 消滅時効 A

消滅時効の更新に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。 
1.時効期間が経過する前に,被保佐人である債務者が保佐人の同意を得ることなくその債務を承認した場合,その債権の消滅時効は更新しない。(問改)
2.時効期間が経過する前に,債権者が第三者に債権を譲渡し,債務者がその債権の譲渡について債権の譲受人に対し承諾をした場合,その債権の消滅時効は更新する。(問改)
3.時効期間が経過する前に,債務者が債権者の代理人に対し支払猶予の申入れをした場合,その債権の消滅時効は更新する。(問改)
4.時効期間が経過する前に,債務者が債権者に対し債務の承認をした場合,被担保債権について生じた消滅時効更新の効力を,その債権の物上保証人が否定することは許されない。(問改)

解答 1

MN0830H30-06 消滅時効 B

消滅時効の更新に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.判決により確定した不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間は10年である。
イ.訴訟上相殺の主張がされ,受働債権につき債務の承認がされたものと認められる場合において,その後相殺の主張が撤回されたときは,承認による時効更新の効力は失われる。(問改)
ウ.一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えの提起があった場合,裁判上の請求による時効の完成猶予及び、更新の効力は,その一部の範囲においてのみ生じ,残部に及ばない。(問改)
エ.不動産の仮差押えによる時効完成猶予の効力は,仮差押えの被保全債権について本案の勝訴判決が確定した時に消滅する。(問改)
オ.目的物の引渡請求訴訟において留置権の抗弁を主張したときは,その被担保債権について裁判上の請求による時効の完成猶予及び更新の効力を生ずる。(問改) 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 2

MN0840H24-07 消滅時効 B

消滅時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.単独で金銭債務を負う債務者が死亡し,複数の相続人がいる場合,遺産分割によってその金銭債務を負う者が決定するまでの間は,その債務について消滅時効は完成猶予及び更新される。(問改)
イ.AのBに対する金銭債権を担保するためC所有の不動産に抵当権が設定された場合,その抵当権に基づく担保不動産競売の開始決定がされ,その決定正本が裁判所からBに送達されたときは,AのBに対する債権の消滅時効は完成猶予及び更新される。(問改)
ウ.主たる債務の消滅時効期間が10年である場合,連帯保証人が主たる債務の履行期から7年を経過した日に保証債務の履行として弁済をしても,主たる債務の履行期から10年が経過したときは,主たる債務が時効により消滅するので,弁済をした連帯保証人は,主たる債務者に対して求償権を行使することができない。
エ.AとBが連帯債務を負う場合において,Aが全部の負担部分を有するときは,Bが債権者に対して債務を承認しても,Aの債務について消滅時効は更新せず,その消滅時効が完成すれば,Bも債務を免れる。(問改)
オ.AとBが夫婦の場合,Aが自己の単独名義でCと日常の家事に関して契約を締結して債務を負ったとき,CのAに対する債権の裁判上の請求により,CのBに対する債権の消滅時効も完成猶予及び更新されない。(問改) 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 2

MN0850H25-06 消滅時効 A

消滅時効に関する次のアからエまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から6までのうちどれか。 
ア.他人の代理人として契約をした者が無権代理人であり,かつ,本人の追認を得ることができなかった場合において,相手方の選択により無権代理人として履行に代わる損害賠償義務を負うときは,当該損害賠償義務は不法行為による損害賠償責任であるから,無権代理行為の時から3年の時効消滅にかかる。
イ.債務者が消滅時効の完成後に債権者に対して債務を承認した場合において,その後さらに消滅時効の期間が経過したときは,債務者は,その完成した消滅時効を援用することができる。
ウ.特定物売買の目的物が種類、品質に関して契約の内容に適合しない場合に,買主が売主に対して有する損害賠償請求権は,買主が契約不適合に気付かなくても,目的物が買主に引き渡された時から10年の時効消滅にかかる。(問改)
エ.不法行為に基づく損害賠償請求権の存在が訴訟上の和解によって確定され,その弁済期が和解の時から1年後とされた場合であっても,その請求権は,その和解が調書に記載された時から10年の時効消滅にかかる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.ア エ  4.イ ウ  5.イ エ  6.ウ エ

解答 4

MN0860H26-06 消滅時効 A

消滅時効の起算点に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.不確定期限の定めのある債権の消滅時効は,債権者が期限の到来を知った時から進行する。(問題不適切)
イ.契約解除に基づく原状回復義務が履行不能になった場合において,その履行不能による損害賠償請求権の消滅時効は,原状回復義務が履行不能になった時から進行する。
ウ.無断転貸を理由とする土地賃貸借契約の解除権の消滅時効は,転借人が転貸借契約に基づいて当該土地の使用収益を開始した時から進行する。
エ.安全配慮義務違反による損害賠償請求権の消滅時効は,損害が発生した時から進行する。
オ.10回に分割して弁済する旨の約定がある場合において,債務者が1回でも弁済を怠ったときは債権者の請求により直ちに残債務全額を弁済すべきものとする約定があるときには,残債権全額の消滅時効は,債務者が弁済を怠った時から進行する。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 4

MN0870H29-06K 消滅時効 B

時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものは,後記1から3までのうちどれか。(問改) 
ア.買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は,買主が目的物の引渡しを受けた時から進行を始める。(解答不能)
イ.遺留分権利者が減殺請求によって取得した不動産の所有権に基づく登記請求権は,時効によって消滅することはない。(解答不能)
ウ.相続財産に関しては,相続財産管理人が選任された場合でも,相続人が確定するまでの間は,時効は完成しない。
エ.主たる債務者がその債務について時効の利益を放棄した場合には,その保証人に対してもその効力を生ずる。
オ.債務者が,消滅時効完成後に債権者に対して債務を分割して支払う旨の申出をした場合には,時効完成の事実を知らなかったときでも,その後その時効を援用することは許されない。 
1.ウ 2.エ 3.オ (問改)

解答 3

MN0871R02-05K 消滅時効 B

消滅時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.債務不履行に基づく損害賠償請求権は,債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しない場合,時効によって消滅する。
イ.詐欺を理由とする取消権は,その行為の時から5年間行使しない場合,時効によって消滅する。
ウ.不法行為に基づく損害賠償請求権は,不法行為の時から20年間行使しない場合,時効によって消滅する。
エ.10年より短い時効期間の定めのある権利が確定判決によって確定した場合,その時効期間は,短い時効期間の定めによる。
オ.定期金の債権は,債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から10年間行使しない場合,時効によって消滅する。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 3

MN0872R03-05 債権の消滅時効 B

債権の消滅時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.催告によって時効の完成が猶予されている間に債権者が再度の催告をしたときは,再度の催告の時から6か月を経過するまでの間は,時効は完成しない。
イ.時効の利益の放棄は債務者の意思表示のみにより効力を生じ,債権者の同意を要しない。
ウ.裁判上の請求がされ,その後,その請求に係る訴訟が訴えの取下げによって終了したときは,その終了の時から6か月を経過するまでの間は,時効は完成しない。
エ.消滅時効が完成した後に債務者が債務の承認をした場合において,その承認が時効完成の事実を知らずにされたものであるときは,債務者は,承認を撤回して時効を援用することができる。
オ.不動産の仮差押えがされたときは,その被保全債権の消滅時効は,その仮差押えの登記がされた時から新たにその進行を始める。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ 4.ウ エ  5.エ オ

解答 3