第3編 担保物権 第1章 序章
MN1560H28-11K 担保物権 A
担保物権に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.同一不動産上の先取特権,質権及び抵当権の優先権の順位は,当該各担保物権の登記の前後によって決まる。
2.留置権,先取特権,質権及び抵当権には,いずれも物上代位性が認められる。
3.留置権は,占有を第三者に奪われた場合も消滅しないが,その場合には,第三者に対抗することができない。
4.留置権者及び抵当権者は,いずれも目的物の競売を申し立てることができる。
5.動産先取特権は,動産質権に優先する。
解答 4
MN1570H30-12 担保物権 A
担保物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権は,その目的物の一部が債務者に引き渡された場合,目的物の残部についても消滅する。
イ.AがBに対して動産売買の先取特権を有していた場合,BがCに対してその目的物である動産を売却し,占有改定によりこれを引き渡したとしても,Aの動産売買の先取特権は消滅しない。
ウ.動産質権の設定は,指図による占有移転をもって目的物を債権者に引き渡すことによっても,その効力を生じる。
エ.不動産質権については,質権者と質権設定者との間の特約で,質権者が目的物を使用収益しない旨を定めることができる。
オ.抵当権者は,目的物が不法に占有された場合であっても,不法占有者に対して,抵当権に基づいて目的物を直接自己に明け渡すよう求めることはできない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 4
MN1580H30-05Y 担保物権 B
担保物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権は,債務者以外の者の物についても成立する。
イ.一般の先取特権は,債務者以外の者の財産についても成立する。
ウ.質権は,債務者の財産についてのみ設定することができる。
エ.抵当権は,永小作権を目的として設定することができる。
オ.立木に土地と分離して抵当権を設定した場合,明認方法によって,その抵当権を第三者に対抗することはできない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 3
MN1600H24-17K 担保物権 B
担保物権についての特約に関する次の1から4までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.動産の売主と買主との間で,売買の目的物を買主が第三者に転売して引き渡したときでも,売主はその目的物に先取特権を行使することができる旨の特約がある場合において,買主がその目的物を転売して転買主にこれを引き渡したときは,売主は,転買主が占有している目的物について,その特約について転買主が悪意であるときでも,先取特権を行使することはできない。
2.動産質権において,質権者と質権設定者との間で,被担保債権の利息はその質権によって担保されないとの特約がされた場合においても,利息は,質権の被担保債権に含まれる。
3.不動産質権者は,質権の目的物を使用及び収益をすることができ,質権者と質権設定者との間の特約で,その使用収益権を排除することはできない。
4.建物が存する土地について抵当権が設定された場合において,その抵当権者と抵当権設定者との特約で,その土地上の建物にも抵当権の効力を及ぼすことができる旨の合意がされたときは,その土地の抵当権は,土地の上に存するその建物にも及ぶ。
解答 1
MN1610H25-13K 担保物権 B
担保物権の効力に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.留置権者は,債権の全部の弁済を受けるまでは,留置物の全部についてその権利を行使することができる。
2.一般の先取特権者は,不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価が配当される場合を除き,まず不動産以外の財産から弁済を受け,なお不足があるのでなければ,不動産から弁済を受けることができない。
3.質権の目的である債権が金銭債権であるときは,質権者は,その被担保債権の額にかかわらず,当該金銭債権の全額を取り立てることができる。
4.抵当権の実行としての競売がされる前に抵当権の被担保債権について抵当不動産以外の財産の代価を配当すべき場合には,当該抵当権者以外の債権者は,当該抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。
5.根抵当権の元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは,他人の債務を担保するため当該根抵当権を設定した者は,その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して,当該根抵当権の消滅請求をすることができる。
解答 3
MN1620R01-11 担保物権 B
不動産を目的とする担保物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権者は,債務者の承諾を得なくても,目的不動産を賃貸することができる。
イ.不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには,保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。
ウ.不動産質権の設定後に質権者が質権設定者に目的不動産を占有させたとしても,質権の効力は影響を受けない。
エ.不動産質権者は,設定行為に定めがあるときは,その債権の利息を請求することができる。
オ.抵当権の存続期間は,10年を超えることができない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 2
第3編 担保物権 第2章 留置権
MN1650H24-14K 留置権 A
留置権及び抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権は,他人の物の占有者に認められる権利であるから,留置権者が目的物を第三者に賃貸した場合には,目的物の賃貸について所有者の同意を得ていても,留置権は消滅する。
イ.留置権者が目的物の占有を奪われた場合,留置権者が占有回収の訴えを提起して勝訴し,現実の占有を回復すれば,留置権は消滅しない。
ウ.抵当権者は,目的物が第三者の行為により滅失した場合,物上代位により,その第三者に対して所有者が有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができるのに対し,留置権者は,目的物が第三者の行為により滅失した場合には,損害賠償請求権に物上代位権を行使することができない。
エ.抵当権は,債権の弁済がないときに目的物を換価して優先弁済を受ける権利であるから,抵当権者は,目的物の競売を申し立てることができるが,留置権は,債権の弁済を受けるまで目的物を留置する権利にすぎないから,留置権者は,目的物の競売を申し立てることはできない。
オ.留置権においては,目的物の留置自体により被担保債権の権利行使がされていることになるから,債権者が目的物を占有している限り,被担保債権が時効消滅することはない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 3
MN1660H26-13 留置権 A
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.債権者は,債務者との合意によって先取特権の設定を受けることはできないが,債務者との合意により留置権の設定を受けることはできる。
イ.留置権者は,留置物について留置権に基づき競売を申し立てることができ,換価金から優先的に弁済を受けることができる。
ウ.留置権者が債務者の承諾を得ずに留置物を賃貸した場合,債務者は,留置権の消滅を請求することができる。
エ.請負人が,注文者に対する報酬債権を被担保債権として,留置権に基づき仕事の目的物の引渡しを拒んでいる場合,その報酬債権の消滅時効の進行は妨げられない。
オ.留置権者は,目的物の滅失によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して物上代位をすることができる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 4
MN1670H29-11K 留置権 A
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBから甲建物を賃借し,Bに敷金を交付していた場合において,その賃貸借契約が終了したときは,Aは,敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。
イ.AからB,BからCに建設機械が順次売却され,BがAに対して代金を支払っていない場合に,Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは,Cの請求は棄却される。
ウ.AがBから甲建物を賃借していたが,Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後,明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合,Aは,Bに対し,その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。
エ.甲土地の借地権者であるAが甲土地上にある建物について買取請求権を行使した場合,Aは,甲土地の賃貸人であるBに対し,その買取代金債権を被担保債権とする留置権を行使して甲土地の明渡しを拒むことはできない。
オ.甲建物の賃貸人Aが,賃借人Bに対して賃貸借契約の終了に基づき甲建物の明渡しを請求したのに対し,Bが賃貸借の期間中に支出した有益費の償還請求権に基づいて留置権を行使し,従前と同様の態様で甲建物に居住した場合,Bは,Aに対し,その居住による利得を返還する義務を負う。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
MN1680R01-12K 留置権 A
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権者が目的物を紛失したときは,留置権は消滅する。
イ.他人の物の占有者は,その物に関して生じた債権が弁済期にないときであっても,その物を留置することができる。
ウ.債務者は,相当の担保を供して,留置権の消滅を請求することができる。
エ.留置権者は,留置権に基づき,目的物の競売を申し立てることはできない。
オ.Aがその所有する甲建物をBに売却して引き渡した後,Aが甲建物をCに売却してその旨の登記をした場合において,CがBに対して甲建物の明渡請求をしたときは,Bは,Aの債務不履行に基づく損害賠償請求権を被担保債権として,甲建物を留置することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 1
MN1681R03-10 留置権 A
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権者が留置権を行使して目的物を留置している間は,留置権の被担保債権の消滅時効は,進行しない。
イ.賃借物について賃貸人Aの負担に属する必要費を支出した賃借人Bは,賃貸借終了後,その償還請求権を被担保債権として留置権を行使している間に,更にAの負担に属する必要費を支出した場合には,更に支出したものを含めた必要費全額の弁済を受けるまで,留置権を行使することができる。
ウ.留置権者は,債務者の承諾を得て留置物を第三者に賃貸してその賃料を自己の債権の弁済に充当することができる。
エ.建物の賃借人は,造作買取請求権の行使によって生じた賃貸人に対する代金債権を被担保債
権として,建物について留置権を行使することができる。
オ.建物の賃借人が,賃貸借終了後,有益費の償還請求権を被担保債権として留置権を行使している場合において,賃貸人の請求により裁判所がその償還について期限を許与したときは,留置権は消滅する。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 2
第3編 担保物権 第3章 先取権
MN1700H25-14 先取特権 B
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.不動産売買の先取特権について登記があるときは,その先取特権者は,登記の先後を問わず,抵当権に先立って先取特権を行使することができる。
イ.動産売買の先取特権の目的物が転売され,第三者に引き渡されたときは,先取特権者は,その動産について先取特権を行使することができない。
ウ.雇用関係の先取特権は,給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
エ.一般の先取特権者は,不動産について登記をしなくても,不動産売買の先取特権について登記をした者に優先して当該不動産から弁済を受けることができる。
オ.判例によれば,日用品供給の先取特権の債務者は,自然人に限られ,法人は含まれない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 2
MN1710H27-12 先取特権 B
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.一般の先取特権者は,債務者の財産の中の動産が売却されて買主にその引渡しがされた場合,債務者が取得する代金債権について,その払渡しの前に差押えをしなくても先取特権を行使することができる。
イ.宿泊客が旅館に持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でない場合,旅館の主人は,その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたとしても,その手荷物について先取特権を行使することができない。
ウ.家屋の賃借人がその家屋に備え付けた家具が競売された場合において,その執行費用に関す
る先取特権は,その家屋の賃貸人が賃料債権に基づき家具について有する先取特権に優先する。
エ.動産売買の先取特権の目的物について質権が設定された場合,動産売買の先取特権が質権に優先する。
オ.判例によれば,日用品の供給の先取特権は,債務者が法人のときは認められない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 3
MN1720H27-06Y 先取特権 B
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.一般の先取特権者は,債務者の財産の中の動産が売却されて買主にその引渡しがされた場合,債務者が取得する代金債権について,その払渡しの前に差押えをしなくても先取特権を行使することができる。
イ.動産売買の先取特権者がその代金債権を第三者に譲渡した場合,その先取特権は代金債権とともに第三者に移転する。
ウ.動産売買先取特権と動産質権が競合する場合,動産質権は動産売買先取特権より先順位となる。
エ.不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合であっても,その先取特権は,その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができない。
オ.不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには,工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 4
MN1730H28-13 先取特権 B
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.建物の賃貸人は,賃借人が賃料を支払わない場合,敷金を受け取っており,未払賃料額が敷金額の範囲内であっても,賃借人が当該建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
イ.建物の賃借人が,家具店から購入して当該建物に備え付けたタンスについて未だ売買代金を支払わず,かつ,建物の賃料の支払も怠っている場合,家具店が当該タンスについて有する先取特権は,建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権に優先する。
ウ.会社の従業員は,会社が給料を支払っていない場合,その給料債権につき,未払となっている期間にかかわらず,当該会社の総財産について先取特権を有する。
エ.会社が,電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず,かつ,従業員への給料も支払っていない場合,電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は,従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
オ.債務者が約定担保物権,留置権及び特別の先取特権の目的とされていない不動産と動産を有している場合,一般の先取特権者は,まず不動産から弁済を受け,なお不足がある場合に動産から弁済を受ける。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 5
MN1740H29-13 先取特権 B
先取特権の順位に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.共益の費用の先取特権は,全ての特別の先取特権に優先する。
イ.農地の天然果実については,農業労務の先取特権が不動産賃貸の先取特権に優先する。
ウ.工事を始める前にその費用の予算額を登記した不動産工事の先取特権は,その登記に先立って設定登記がされている抵当権に優先する。
エ.同一の不動産について不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が競合する場合,その優先権の順位は同一となる。
オ.同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは,各先取特権者は,その債権額の割合に応じて弁済を受ける。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 2
MN1741R02-11 先取特権 B
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人に対して電気料金債権を有する者は,供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合,法人の財産について一般の先取特権を有する。
イ.旅館に宿泊客が持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合,旅館主は,その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたときであっても,その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することはできない。
ウ.動産の売主は,買主がその動産の転売によって得た売買代金債権につき,買主の一般債権者が当該売買代金債権を差し押さえた後は,動産の売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできない。
エ.不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには,工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
オ.建物賃貸借において,賃借権が適法に譲渡され,譲受人が建物に動産を備え付けた場合,賃貸借関係から生じた賃貸人の債権が譲渡前に発生していたものであっても,不動産の賃貸の先取特権はその動産に及ぶ。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 5
第3編 担保物権 第4章 質権
MN1760R01-13 質権 A
質権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.債権質の質権者は,質権の目的が金銭債権でない場合,これを直接に取り立てることはできない。
イ.動産質権者は,質物から生ずる果実を収取し,他の債権者に優先して被担保債権の弁済に充当することができる。
ウ.質権者は,質権設定者の承諾を得なければ,自己の債務の担保として質物をさらに質入れすることはできない。
エ.質権は,設定行為に定めがないときは,質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しない。
オ.Aは,Bに対して有する債権を担保するために,BがAに対して有する債権を目的として質権の設定を受けることができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
MN1780H28-12 留置権と質権 B
留置権及び質権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.民法上の留置権の成立には,目的物と牽連性のある債権の存在及び債権者による目的物の占有が必要であるが,その債権の成立時に債権者が目的物を占有している必要はない。
イ.質権者が任意に質権設定者に質物を返還した場合,質権は消滅する。
ウ.必要費償還請求権を被担保債権として建物を留置している留置権者は,その建物のための必要費を更に支出した場合,後者の必要費償還請求権を被担保債権として留置権を行使することはできない。
エ.仮登記担保権の実行により不動産の所有権を取得した仮登記担保権者が,債務者に清算金を支払わないでその不動産を第三者に譲渡した場合,債務者は,清算金支払請求権を被担保債権として,譲受人たる第三者に対し,その不動産につき留置権を行使することができる。
オ.質権の目的物を所有する債務者が,質権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還を求める訴訟を提起した場合に質権の主張が認められるときは,債務者の請求は棄却されるが,留置権の目的物を所有する債務者が,留置権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還を求める訴訟を提起した場合に留置権の主張が認められるときは,引換給付判決がされる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 3
MN1820H29-14 質権と譲渡担保 B
質権又は譲渡担保権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.同一の動産について複数の質権を設定することはできないが,同一の動産について複数の譲渡担保権を設定することはできる。
イ.動産を目的とする質権は占有改定の方法によるその動産の引渡しによっては効力を生じないが,動産を目的とする譲渡担保権はその設定契約によって設定され,占有改定の方法によるその動産の引渡しがあれば,譲渡担保権者は第三者に譲渡担保権を対抗することができる。
ウ.債権質の目的である債権の弁済期が到来した場合には,被担保債権の弁済期が到来していないときであっても,質権者は,債権質の目的である債権を直接に取り立てることができる。
エ.債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは,質権の設定は,その証書を交付することによって,その効力を生ずる。
オ.動産を目的とする譲渡担保権が設定されている場合,その設定者は,正当な権原なくその動産を占有する者に対し,その動産の返還を請求することができない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 2
MN1821R03-12 動産質権 B
動産質権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.同一の動産について,複数の動産質権を設定することはできない。
イ.動産質権者は,質権設定者に,自己に代わって質物を占有させることができない。
ウ.動産質権者は,占有している質物について必要費を支出しても,所有者にその償還を請求することはできない。
エ.動産質権者は,被担保債権の弁済を受けないときは,正当な理由がある場合に限り,鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。
オ.動産質権者は,被担保債権について利息を請求する権利を有するときは,その満期となった最後の2年分についてのみ,その質権を行使することができる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
解答 4
第3編 担保物権 第5章 抵当権
MN1850H25-15K 抵当権 A
抵当権に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.債務者が所有する不動産に抵当権の設定登記がされ,これが存続している場合には,債務者は継続的に被担保債権に係る債務の存在を承認していることになるから,その抵当権の被担保債権については消滅時効が進行しない。
2.債務者が所有する不動産に抵当権が設定され,その登記がされている場合,その債務者が当該不動産を10年間継続して占有したとしても,その債務者は,抵当権者に対し,抵当権の負担のない所有権を時効により取得したとして,抵当権設定登記の抹消登記手続を請求することはできない。
3.債務者が所有する同一の不動産について,第一順位の抵当権と第二順位の抵当権が設定され,それぞれその旨の登記がされている場合,第一順位の抵当権の実行としての競売の結果,第一順位の抵当権者のみが配当を受けたときは,第二順位の抵当権は消滅しない。
4.債務者が所有する同一の不動産について,第一順位の抵当権と第二順位の抵当権が設定され,それぞれその旨の登記がされている場合,第一順位の抵当権の被担保債権に係る債務を債務者が弁済したときは,債務者は,弁済による代位によって第一順位の抵当権を取得する。
5.債務者が所有する不動産に抵当権が設定されている場合,その被担保債権に係る債務について他の者により併存的債務引受がされたときは,当該債務引受によって生じた債権も,その抵当権の被担保債権となる。
解答 2
MN1860H26-14K 抵当権 A
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.保証人の求償権は,主たる債務者が弁済しないときに保証人が弁済することによって生じる将来の債権であるから,保証人の求償権を被担保債権として抵当権を設定することはできない。
イ.土地を賃借し,その土地上に建物を所有している者が,その建物に抵当権を設定した場合であっても,土地の賃貸人が賃借人との合意により賃貸借契約を解除したときは,土地の賃貸人は,その解除による賃借権の消滅を抵当権者に対抗することができる。
ウ.抵当不動産を買い受けた第三者が,抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは,抵当権は,その第三者のために消滅する。
エ.抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば,抵当権設定者は,抵当権者に対し,時効による抵当権の消滅を主張することができる。
オ.A所有の建物について,Bが第一順位の抵当権を,Cが第二順位の抵当権をそれぞれ有している場合,BがAからその建物を買い受けた場合であっても,第一順位の抵当権は消滅しない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
MN1870R01-14K 抵当権 A
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.抵当権者は,目的物が第三者の行為により滅失した場合,物上代位により,所有者がその第三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。
イ.一人の者が所有する互いに主従の関係にない甲乙2棟の建物が工事により1棟の丙建物となった場合において,甲建物と乙建物とにそれぞれ抵当権が設定されていたときは,それらの抵当権は,丙建物のうちの甲建物と乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
ウ.借地上の建物について抵当権が設定された場合,抵当権の効力は,敷地の賃借権に及ぶことはない。
エ.物の引渡請求権を担保するために抵当権を設定する契約は,無効である。
オ.後日発生すべき貸付金債権を担保するために抵当権を設定する契約がされ,その旨の登記がされた後にその貸付金債権が生じた場合,抵当権はその債権を有効に担保する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 5
MN1910H29-12 物上代位 A
物上代位に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.抵当権者は,抵当権設定登記がされた後に物上代位の目的債権が譲渡されて第三者に対する対抗要件が備えられた場合においても,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
イ.動産売買の先取特権者は,物上代位の目的債権が譲渡されて第三者に対する対抗要件が備えられた後においては,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
ウ.抵当権者は,抵当権設定登記がされた後に物上代位の目的債権が転付命令の確定により差押債権者に移転した場合においても,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
エ.抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は,抵当不動産の賃借人は,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とし,賃料債権を受働債権とする相殺をもって抵当権者に対抗することはできない。
オ. 抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした場合には,その後に賃貸借契約が終了し,抵当不動産が明け渡されたとしても,抵当不動産の賃借人は,抵当権者に対し,敷金の充当によって当該賃料債権が消滅したことを主張することはできない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
MN1911R03-11K 物上代位権の行使 A
AがBに賃貸しているA所有の甲建物にCのための抵当権が設定され,その登記がされている。この場合における抵当権に基づくCの物上代位権の行使に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Cのための抵当権の設定登記がされた後にBがAに対して金銭を貸し付け,その貸金債権の弁済期が到来した場合,AのBに対する賃料債権についてCが物上代位権を行使して差押えをした後であっても,Bは,Aに対する貸金債権を自働債権とし,Aの賃料債権を受働債権とする相殺をもって,Cに対抗することができる。
イ.AのBに対する賃料債権についてCが物上代位権を行使して差押えをした場合において,BがCに賃料を支払わないままAB間の賃貸借契約が終了し,Bが甲建物をAに明け渡した。この場合において,BがAにあらかじめ敷金を預託していたときは,Cが差し押さえた賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
ウ.Bが甲建物をDに転貸した場合,Cは,BをAと同視することが相当であるときを除き,BのDに対する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができる。
エ.AのBに対する賃料債権をAの一般債権者Eが差し押さえて転付命令を取得し,その転付命令がBに送達された後は,Cは,同一の債権を差し押さえて物上代位権を行使してEに対抗することができない。
オ.AのBに対する賃料債権をAの一般債権者Eが差し押さえ,その差押命令がBに送達された後に,AがCのために甲建物に抵当権を設定し,その登記がされた場合,Cは,同一の債権を差し押さえて物上代位権を行使してEに対抗することができない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 2
MN1950H24-15 抵当権 A
抵当権の効力に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.抵当権は,その担保する債権について不履行があったときは,その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
2.借地上の建物が抵当権の目的となっている場合,建物の敷地利用権である借地権にも抵当権の効力が及ぶ。
3.抵当権の被担保債権について主たる債務者となっている者は,抵当権消滅請求を行うことができないが,その債務の連帯保証人は,抵当権消滅請求を行うことができる。
4.建物に設定された抵当権が実行された場合において,抵当権の設定登記後であって競売手続の開始前からその建物の引渡しを受けて占有し使用している者が存在するときは,その建物の占有者は,買受人による建物買受けの時から6か月間,買受人に対する使用の対価を支払うことなく建物の明渡しを猶予される。
5.更地に抵当権が設定された後,その土地の上に第三者が建物を築造したとき,抵当権者は,その土地とともにその建物を競売することができる。
解答 3,4 (2も正確には間違い)
MN1960H28-14K 抵当権 A
抵当権に関する次の1から4までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.抵当権は,目的物の交換価値を把握する権利であるから,被担保債権額が抵当不動産の価格を上回っていても,物上保証人が抵当不動産の価格に相当する額を弁済すれば,抵当権は消滅する。
2.抵当権の被担保債権について不履行があった場合であっても,抵当権の効力は,その後に生じた抵当不動産の果実には及ばない。
3.抵当権者が第三取得者に対して代価弁済の請求をした場合,第三取得者は,その請求に応じなければならない。
4.第一順位の抵当権者の被担保債権が弁済により消滅した場合,第二順位の抵当権者は,消滅した第一順位の抵当権の抹消登記手続を求めることができる。
解答 4
MN1970H29-06Y 抵当権 A
AのBに対する債権を被担保債権として,C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され,その旨の登記がされている場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.甲土地の従物である石灯籠が本件抵当権の設定前に備え付けられていた場合,本件抵当権の効力は,その石灯籠には及ばない。
イ.Cが甲土地をDに賃貸し,さらにDが甲土地をEに転貸したときは,DをCと同視することを相当とする場合を除き,Aは,Dが取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない。
ウ.本件抵当権が根抵当権でない場合において,AがBに対して被担保債権として元本債権のほか3年分の利息債権を有しているときは,Cは,Aに対して,元本債権のほかその最後の2年分の利息債権を弁済すれば,本件抵当権を消滅させることができる。
エ.被担保債権の弁済期が到来した場合であっても,Cは,Aに対し,本件抵当権が実行される前に,あらかじめ求償権を行使することはできない。
オ.本件抵当権の登記がされた後に,CがDに対し甲土地を賃貸し,Dが甲土地上に乙建物を建築して所有する場合において,Dが甲土地の占有についてAに対抗することができる権利を有しないときは,Aは,Dの承諾の有無にかかわらず,甲土地及び乙建物を一括して競売することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 1
MN1980H30-13 抵当権の効力 B
抵当権の効力に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.抵当不動産についてその所有者から地上権を買い受けた第三者が,抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは,抵当権は,その第三者のために消滅する。
イ.主たる債務者の承継人は,抵当権消滅請求をすることができない。
ウ.建物の賃貸借は,その登記がなくても,建物の引渡しがあったときは,その引渡し前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をし,かつ,その同意の登記があれば,その同意をした抵当権者に対抗することができる。
エ.抵当不動産をその所有者から買い受けた者は,その不動産について必要費を支出した場合において,抵当権の実行によりその不動産が競売されたときは,その代価から最先順位の抵当権者より先にその支出した額の償還を受けることができる。
オ.抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である土地を使用収益する者は,抵当権の実行によりその土地が競売された場合,買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは,その土地を買受人に明け渡す必要がない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
MN1990R01-15 抵当権の効力 A
抵当権の効力が及ぶ範囲に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.抵当権設定者が,抵当権の目的である土地を第三者に賃貸していた場合,その担保する債権について不履行がなくても,抵当権の効力は,その賃料債権に及ぶ。
イ.土地の所有者が,土地に抵当権を設定した後,その土地上に立木を植栽した場合,抵当権の効力は,その立木に及ぶ。
ウ.抵当権設定者が,抵当権の目的である建物に宝石を持ち込んで保管していた場合,抵当権の効力は,その宝石に及ぶ。
エ.抵当権の目的である建物が天災のため崩壊し動産となった場合,抵当権の効力は,その動産に及ぶ。
オ.抵当権設定者から抵当権の目的である建物を賃借した賃借人が,その所有する取り外し可能なエアコンを建物内に設置している場合,抵当権の効力は,そのエアコンに及ばない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
MN1991R03-13K 抵当権 B
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
イ.甲土地の所有権が自己にあると過失なく信じて10年間その占有を継続した者は,甲土地上の抵当権の存在につき悪意であったときは,甲土地の所有権を時効取得することができない。
ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。
エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。
オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 1
MN2010H26-15 法定地上権 B
法定地上権に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.Aが所有する甲土地に,その更地としての評価に基づき,Bのための抵当権が設定され,その後,甲土地上にA所有の乙建物が建てられた後,抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になった場合,Bが抵当権設定時,甲土地上にA所有の乙建物が建てられることをあらかじめ承諾していたとしても,甲土地に乙建物のための法定地上権は成立しない。
2.Aが所有する甲土地に,Bのための第一順位の抵当権が設定され,その後,Bの承諾を受けて甲土地上にA所有の乙建物が建てられ,さらに,甲土地にCのための第二順位の抵当権が設定された後,Cの申立てに基づいて甲土地の抵当権が実行された結果,Dが甲土地の所有者になった場合,甲土地に乙建物のための法定地上権が成立する。
3.Aが所有する甲土地上に,A所有の乙建物が存在し,その後,甲土地にBのための抵当権が設定され,抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になった場合,Aが乙建物の所有権の登記をしていなかったときは,甲土地に乙建物のための法定地上権は成立しない。
4.Aが所有する甲土地上に,A所有の乙建物が建てられ,その後,甲土地と乙建物にBのための第一順位の共同抵当権がそれぞれ設定され,さらに,乙建物が取り壊されて甲土地上にA所有の丙建物が建てられた場合,その後,丙建物にBのための第一順位の共同抵当権が設定され,甲土地の抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になったときであっても,甲土地に丙建物のための法定地上権は成立しない。
解答 1
MN2020H30-14K 法定地上権 A
法定地上権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが所有する甲土地及びその上の乙建物にBのために共同抵当権が設定された後,乙建物が取り壊され,甲土地上に新たにAが所有する丙建物が建築されて,丙建物につきCのために抵当権が設定された場合において,甲土地に対するBの抵当権の実行によりDが甲土地を取得したときは,法定地上権が成立する。
イ.Aが所有する更地の甲土地に第一順位の抵当権が設定された後,甲土地上にAが所有する乙建物が建築され,甲土地に第二順位の抵当権が設定された場合において,第二順位の抵当権の実行によりBが甲土地を取得したときは,法定地上権は成立しない。
ウ.Aが所有する甲土地上にBが所有する乙建物があるところ,甲土地にCのために第一順位の抵当権が設定された後,Bが甲土地の所有権を取得し,甲土地にDのために第二順位の抵当権を設定した場合において,Cの抵当権が弁済により消滅し,その後,Dの抵当権の実行によりEが甲土地を取得したときは,法定地上権が成立する。
エ.Aが甲土地及びその上の乙建物を所有しているが,甲土地の所有権移転登記をしていなかったところ,乙建物に抵当権が設定され,抵当権の実行によりBが乙建物を取得したときは,法定地上権は成立しない。
オ.AとBが共有する甲土地上にAが所有する乙建物があるところ,Aが甲土地の共有持分について抵当権を設定した場合において,抵当権の実行によりCがその共有持分を取得したときは,法定地上権が成立する。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 3
MN2030H25-16 抵当権の効力 B
抵当権の効力に関する次の1から4までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.Aがその所有する甲建物をBに賃貸している場合において,Aが甲建物にCのために抵当権を設定したときは,その抵当権の効力は,Bが甲建物において使用しているB所有の畳に対しても及ぶ。
2.AがBから建物所有目的で土地を賃借し,その上にAが建てた甲建物にCのために抵当権を設定した場合,その抵当権の効力は甲建物の従たる権利である当該土地賃借権にも及び,抵当権実行としての競売がされた時に当該土地賃借権も甲建物の買受人Dに移転するから,Dは,Bの承諾がなくても,Bに対し,当該土地賃借権を甲建物の占有権原として主張することができる。
3.根抵当権者は,確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務不履行によって生じた損害の賠償の全部について,極度額を限度として,その根抵当権を行使することができる。
4.抵当権が設定された土地の上に存する建物については,別段の定めをした場合に限り,土地の抵当権の効力が及ぶ。
解答 3
MN2050H29-15 抵当権の処分 B
A所有の甲土地には,BのAに対する500万円の債権を担保するための第一順位の抵当権,CのAに対する1000万円の債権を担保するための第二順位の抵当権及びDのAに対する2000万円の債権を担保するための第三順位の抵当権がそれぞれ設定されているが,EのAに対する2000万円の債権を担保するための担保権は設定されていない。この場合において,甲土地の競売により2500万円が配当されることになったときに関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各債権者が有する債権の利息及び損害金並びに執行費用は考慮しないものとする。
ア.競売の申立て前にEの利益のためにBの抵当権が譲渡されて対抗要件が備えられていたときは,Cに1000万円,Dに1000万円,Eに500万円が配当される。
イ.競売の申立て前にEの利益のためにBの抵当権が放棄されて対抗要件が備えられていたときは,Bに100万円,Cに1000万円,Dに1000万円,Eに400万円が配当される。
ウ.競売の申立て前にDの利益のためにBの抵当権の順位が譲渡されて対抗要件が備えられていたときは,Cに500万円,Dに2000万円が配当される。
エ.競売の申立て前にDの利益のためにBの抵当権の順位が放棄されて対抗要件が備えられていたときは,Cに1000万円,Dに1500万円が配当される。
オ.競売の申立て前に抵当権の順位が変更されてDの抵当権が第一順位,Cの抵当権が第二順位,Bの抵当権が第三順位となったときは,Cに1000万円,Dに1500万円が配当される。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 1
MN2051R03-14 抵当権の処分 B
AがBに対する債務を担保するために,Aの所有する甲土地に第一順位の抵当権を設定し,その登記がされた。この場合における抵当権の処分に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Bが,Cに対する債務を担保するために,甲土地の抵当権に転抵当権を設定したときは,Aに対する通知又はAの承諾がなければ,Cは,転抵当権の設定を受けたことをAに対抗することができない。
イ.BがAの一般債権者Dに対してその抵当権を譲渡するには,Aの承諾を必要としない。
ウ.Aが,甲土地について,Eのために第二順位の抵当権,Fのために第三順位の抵当権を設定し,その登記がされている場合において,BF間で抵当権の順位の変更が合意されたとき,その登記をしなければ変更の効力は生じない。
エ.Aが,甲土地について,Gのために第二順位の抵当権,Hのために第三順位の抵当権を設定し,その登記がされている場合において,BのHに対する抵当権の順位の譲渡は,その登記をしなければ譲渡の効力は生じない。
オ.Aが,甲土地について,Iのために第二順位の抵当権を設定し,その登記がされている場合において,BがIに対して抵当権の順位の放棄をしたときは,甲土地が競売されたときの配当において,IがBに優先する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 5
MN2070H28-15 共同抵当 B
Aは,Bに対する600万円の債権を担保するため,B所有の甲土地及び乙土地に,第一順位の共同抵当権を有している。Cは,Bに対する400万円の債権を担保するため,甲土地に,第二順位の抵当権を有している。この場合に関する次の1から4までの各記述のうち,誤っているものはどれか。なお,各記述において,競売の結果として債権者に配当することが可能な金額は,甲土地につき500万円,乙土地につき1000万円であり,また,各債権者が有する債権の利息及び損害金は考慮しないものとする。
1.Aが甲土地及び乙土地に設定された抵当権を同時に実行した場合,Aは甲土地から200万円,乙土地から400万円の配当を受け,Cは甲土地から300万円の配当を受けることができる。
2.先に甲土地に設定された抵当権が実行されてAが500万円の配当を受け,その後に乙土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは100万円の配当を受け,Cは300万円の配当を受けることができる。
3.先に乙土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは600万円の配当を受け,その後に甲土地に設定された抵当権が実行されたときには,Cは300万円の配当を受けることができる。
4.Aが乙土地に設定された抵当権を放棄した後に,甲土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは200万円の配当を受け,Cは300万円の配当を受けることができる。
解答 3
MN2090H24-16 根抵当権 B
根抵当権に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権と定める場合においても,第三者が振り出し,債務者が裏書した手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権とすることはできない。
2.根抵当権の元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は,その債権について当該根抵当権を行使することはできない。
3.元本確定前において根抵当権の担保すべき債権の範囲及び債務者についての変更は,後順位抵当権者がいる場合は,その承諾を得なければすることができない。
4.元本確定前に根抵当権者が死亡して相続が開始した場合において,根抵当権者の相続人と根抵当権の設定者との間でその根抵当権を承継する相続人を合意しなかったときは,その根抵当権の担保すべき元本は,根抵当権者の相続開始の時に確定する。
5.元本確定後の根抵当権は,極度額を限度として,元本のほか,利息及び遅延損害金がある場合には,2年を超える利息及び遅延損害金についても行使することができる
解答 1,3
MN2100H28-16 根抵当権 B
根抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.根抵当権者は,元本確定前の根抵当権の全部又は一部を譲渡することができるが,その場合,根抵当権設定者の承諾を得る必要はない。
イ.元本確定前において,根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をするときは,後順位抵当権者の承諾を得なければならない。
ウ.根抵当権の債務者の変更は,元本確定前に登記をしなかったときは,その変更をしなかったものとみなされる。
エ.根抵当権の設定時に元本確定期日を定めなかった場合,当該根抵当権の設定は無効である。
オ.元本の確定した根抵当権は,確定した元本のほか,その利息についても,極度額を限度として担保する。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
MN2110H30-15 根抵当権 B
根抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.元本の確定前において債務者を変更するには,後順位の抵当権者の承諾を得なければならない。
イ.根抵当権者は,担保すべき元本の確定すべき期日の定めがない場合,いつでも,担保すべき元本の確定を請求することができる。
ウ.根抵当権者は,根抵当権を実行した場合,当該競売手続において極度額を超える部分について配当を受けることはない。
エ.根抵当権の極度額の減額をするには,利害関係を有する者の承諾を得ることを要しない。
オ.元本の確定後においては,根抵当権設定者は,その根抵当権の極度額を,現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 2
MN2111R02-13 根抵当権 B
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Bは,元本の確定前は,Aに対する他の債権者Cに対してその順位を譲渡することができる。
イ.Bの根抵当権にDのために転根抵当権が設定され,BがAに転根抵当権の設定の通知をした場合,Aは,元本の確定前であれば,Dの承諾を得なくてもBに弁済することができる。
ウ.元本の確定前に,Bが根抵当権によって担保されていた債権をEに譲渡した場合,それに伴って根抵当権もEに移転する。
エ.後順位抵当権者Fがいる場合,A及びBが元本確定期日を変更するためには,Fの承諾が必要である。
オ.Bが数個の不動産について根抵当権を有する場合,同一の債権の担保として数個の不動産の上に根抵当権が設定された旨の登記がその設定と同時にされたときを除き,各不動産の代価についてそれぞれの極度額まで優先権を行使することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 4
MN2116R02-12K 抵当権の消滅 A
債務者Aは債権者BのためにAの所有する不動産甲に抵当権を設定し,その旨の登記がされた。この場合における抵当権の消滅に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aは,抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば,被担保債権が消滅していなくても,抵当権が時効により消滅したと主張することができる。
イ.甲について,その後,AがCのために抵当権を設定し,その旨の登記がされた場合において,BがAから甲を買い受けたときは,Bの抵当権は消滅しない。
ウ.Aの一般債権者が甲につき強制競売の申立てをし,当該強制競売手続において甲が売却されたときは,Bの抵当権は消滅する。
エ.甲について,その後,Aから譲渡担保権の設定を受けたDは,譲渡担保権の実行前であっても,抵当権消滅請求をすることにより,Bの抵当権を消滅させることができる。
オ.甲が建物である場合において,Aが故意に甲を焼失させたときは,Bの抵当権は消滅しない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ
解答 3
第3編 担保物権 第6章 譲渡担保他
MN2140H27-14 譲渡担保 A
譲渡担保に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.不動産が譲渡担保の目的とされ,譲渡担保権の設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記がされた場合において,譲渡担保権の設定者は,その譲渡担保権に係る債務の弁済と,その不動産の譲渡担保権者から譲渡担保権の設定者への所有権移転登記手続との同時履行を主張することができない。
イ.対抗要件を備えた集合動産譲渡担保権の設定者が,その目的とされた動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をし,その動産を占有改定の方法により買主に引き渡した場合,買主はその動産の所有権を取得することができる。
ウ.不動産の譲渡担保において,債務者が弁済期にその譲渡担保権に係る債務を弁済しない場合,譲渡担保権者がその不動産を譲渡したときは,譲受人は確定的にその不動産の所有権を取得し,債務者は債務を弁済してその不動産を受け戻すことができない。
エ.不動産が譲渡担保の目的とされ,譲渡担保権の設定者から譲渡担保権者への所有権移転登記がされた場合において,その譲渡担保権に係る債務の弁済により譲渡担保権が消滅した後にその不動産が譲渡担保権者から第三者に譲渡されたときは,譲渡担保権の設定者は,登記がなければ,その所有権をその不動産を譲り受けた第三者に対抗することができない。
オ.集合動産の譲渡担保権者は,その譲渡担保権の設定者が通常の営業を継続している場合であっても,その目的とされた動産が滅失したときは,その損害をてん補するために設定者に支払われる損害保険金の請求権に対して物上代位権を行使することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
MN2150R01-16 譲渡担保 A
債務者が設定した譲渡担保に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.債務者が弁済期に債務の弁済をしなかった場合において,不動産の譲渡担保権者が目的不動産を譲渡したときは,譲受人がいわゆる背信的悪意者に当たるときであっても,債務者は,残債務を弁済して目的不動産を受け戻すことができない。
イ.債務者は,被担保債権の弁済期後は,譲渡担保の目的物の受戻権を放棄することにより,譲渡担保権者に対し清算金の支払を請求することができる。
ウ.債務者が弁済期に債務の弁済をしなかった場合において,不動産の譲渡担保権者が目的不動産を譲渡したときは,債務者は,譲受人からの明渡請求に対し,譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張することができない。
エ.譲渡担保の被担保債権の弁済期後に目的不動産が譲渡担保権者の債権者によって差し押さえられ,その旨の登記がされた場合,債務者は,その後に被担保債権に係る債務の全額を弁済しても,差押債権者に対し,目的不動産の所有権を主張することができない。
オ.構成部分の変動する集合動産であっても,その種類,所在場所及び量的範囲を指定するなどの方法によって目的物の範囲が特定される場合には,一個の集合物として譲渡担保の目的とすることができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 3
MN2151R02-14K 譲渡担保 A
譲渡担保に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.所有する土地に譲渡担保権を設定した債務者は,債務の弁済期が経過した後は,債権者が担保権の実行を完了する前であっても,債務の全額を弁済して目的物を受け戻すことはできない。
イ.所有する機械に譲渡担保権を設定して譲渡担保権者に現実の引渡しをした債務者Aは,その債務の弁済をする場合,債務の弁済と譲渡担保権者のAに対する目的物の引渡しとの同時履行を主張することはできない。
ウ.債務者Aが所有する構成部分の変動する在庫商品に債権者Bのために譲渡担保権が設定された後,商品が滅失し,その損害をてん補するための損害保険金請求権をAが取得したときは,Aが営業を継続しているか否かにかかわらず,Bは,当該保険金請求権に対して物上代位権を行使することができる。
エ.土地の賃借人が借地上に所有する建物に譲渡担保権を設定した場合,その効力が土地の賃借権に及ぶことはない。
オ.譲渡担保権によって担保されるべき債権の範囲は,強行法規や公序良俗に反しない限り,設定契約の当事者間において元本,利息及び遅延損害金について自由に定めることができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ