第2編 裁判所 第3章 裁判所・管轄・移送
MS0080H30-31Y 管轄 B
Xは,Yに対し,甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては,賃料,債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は,Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後,Yが賃料の支払を怠ったため,Xは,賃貸借契約を解除したが,Yは,甲建物の使用を続けている。そこで,Xは,Yに対し,①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し,②賃貸借契約に基づく賃料の支払,③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。本件訴えの管轄に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,X及びYは,いずれも自然人とし,各記述中の各所在地を管轄する裁判所は,いずれも異なるものとする。
1.Xは,本件訴えを,Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが,設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。
2.Xは,本件訴えを,設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが,Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。
3.Xは,本件訴えを,Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが,甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。
4.Xは,本件訴えを,甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが,Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。
5.Xは,本件訴えを,設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが,甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。
解答 4
MS0090R01-31Y 管轄 A
管轄に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.管轄の有無は,口頭弁論の終結の時を基準に判断される。
2.原告が特定の裁判所を専属的な管轄裁判所とする合意に反して,当該裁判所以外の裁判所に訴えを提起した場合であっても,被告が応訴すれば,応訴管轄が生ずる。
3.当事者は,合意により特定の高等裁判所を控訴審の管轄裁判所と定めることができる。
4.裁判所は,管轄に関する事項について,職権で証拠調べをすることができる。
5.被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出した後に本案について弁論をした場合には,応訴管轄は生じない。
解答 1,3
MS0091R03-31Y 管轄 B
管轄に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.訴え提起の時に被告の住所が受訴裁判所の管轄区域内になく,その訴えが当該受訴裁判所の管轄に属しない場合には,被告が訴訟係属中に当該受訴裁判所の管轄区域内に住所を移したときであっても,当該受訴裁判所がその訴訟の審理及び裁判をすることはできない。
2.売買契約に基づく売買代金の支払を求める訴訟の第一審裁判所である地方裁判所は,当事者の移送の申立て及びこれに対する相手方の同意がある場合においても,訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときは,訴訟を移送することができない。
3.所有権に基づき100万円の価額の自動車の引渡しを請求し,あわせて,その引渡しの執行の不能の場合のために100万円の損害賠償を請求する訴えは,簡易裁判所の管轄に属する。
4.所有権に基づき土地の明渡しを求める訴えは,当該土地の価額が100万円にとどまる場合であっても,地方裁判所の管轄に属し,簡易裁判所の管轄には属しない。
5.被告が,第一審の第1回口頭弁論の期日前において,管轄違いの抗弁を提出しないで期日の変更を申し立てたときは,そのことにより応訴管轄が生ずる。
解答 3
MS0120H29-31Y 移送 B
移送に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.大阪簡易裁判所が,事件が複雑であることから相当と認めてその管轄に属する訴訟の全部を大阪地方裁判所に移送した場合であっても,大阪地方裁判所は,証拠の偏在等の事情を考慮し当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは,当該訴訟の全部を更に他の管轄裁判所に移送することができる。
2.貸主である原告が,東京地方裁判所の管轄区域内に住所を有する複数の借主を共同被告として,各被告との間の同種の消費貸借取引に基づく貸金請求訴訟を,各被告に対する請求額を合算すると140万円を超えるとして,東京地方裁判所に併合して提起した場合には,東京地方裁判所は,各被告に対する請求額が140万円を超えず簡易裁判所の事物管轄に属するとして,被告ごとに弁論を分離した上で,訴訟を各被告の住所地を管轄する簡易裁判所に移送することはできない。
3.消滅時効の期間の満了前に訴えが提起されて時効の完成猶予の効力が生じた場合には,その後移送の申立てがされ,当該期間の経過後に移送の裁判が確定したとしても,その効力は影響を受けない。(問改)
4.簡易裁判所は,その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは,その申立ての前に被告が本案について弁論をしていない限り,当該訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。
5.移送の決定に対しては,即時抗告をすることができるが,移送の申立てを却下した決定に対しては,即時抗告をすることができない。
解答 5
第3編 当事者 第1章 当事者の意義
MS0140H30-32Y 当事者 B
当事者に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.訴訟能力を欠く当事者がした訴訟行為は,これを有するに至った当該当事者の追認により,行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
2.遺言で遺言執行者が定められている場合に,既に完了している遺贈による登記について,相続人が原告となって抹消登記手続を求める訴えを提起するときは,受遺者ではなく,遺言執行者を被告としなければならない。
3.係属中の訴訟の原告と共同の利益を有する者がその原告を自己のためにも原告となるべき者として選定するためには,自ら訴えを提起して係属中の訴訟との併合を求め,共同訴訟関係を成立させなければならない。
4.権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
5.未成年者が両親を法定代理人として訴えを提起した後に婚姻した後であっても,その両親は,法定代理人として訴訟行為をしなければならない。
解答 1,4
第3編 当事者 第2章 当事者能力
MS0160R01-32Y 当事者 A
選定当事者に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟の目的である権利が同一の事実上及び法律上の原因に基づき,かつ,主要な攻撃防御方法が共通である複数の者は,民事訴訟法第30条第1項の「共同の利益を有する多数の者」に当たる。
イ.複数の選定当事者が選定されている場合において,その一部が訴訟係属中に死亡したときは,他の選定当事者は,その資格を失う。
ウ.選定当事者は,選定者の特別の授権がなければ,選定者のために訴えの取下げ,和解並びに請求の放棄及び認諾をすることができない。
エ.訴訟係属後に選定当事者が選定された場合には,選定者は,脱退のための行為をしなくとも,当該訴訟から脱退する。
オ.選定者が訴訟係属後に選定当事者の選定の取消しをした場合には,当該選定者が裁判所に対しその事実を書面で証明しなければ,当該取消しの効力は生じない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
(参照条文)民事訴訟法
(選定当事者)
第30条 共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは,その中から,全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
2~5 (略)
解答 2
MS0170H27-33Y 法人でない社団 B
法人でない社団に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.法人でない社団が,団体としての固定資産ないし基本的財産を有しない場合,当該団体に当事者能力が認められる余地はない。
2.ある土地が法人でない社団の所有に属することの確認を求める訴えにつき,当該団体が原告となり認容判決を得る余地はない。
3.ある土地が法人でない社団の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えにつき,当該団体が原告となる余地はない。
4.法人でない社団の旧代表者の個人名義で登記されている不動産に関し,代表者の交代に伴い,新代表者の個人名義への所有権移転登記手続を求める訴えにつき,新代表者が原告となる余地はない。
5.法人でない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該団体の
代表者の個人名義で登記された不動産に対して強制執行をする余地はない。
解答 2
第3編 当事者 第3章 訴訟・弁論能力
MS0201R02-31Y 訴訟能力 B
訴訟能力に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.訴訟能力を欠く者の法定代理人は,本人がした訴訟行為を取り消すことができる。
2.訴訟能力を欠く者であっても,訴訟委任をすることができる。
3.訴訟が第一審裁判所に係属中に,訴訟能力を欠く者が訴訟行為をしたことが明らかになったときは,法定代理人による追認は,それまでに行われた全ての訴訟行為に対し行わなければならない。
4.当事者が訴訟能力を欠くことを理由として訴えを却下した判決に対しては,当該当事者は,上訴をすることができる。
5.第一審において当事者が訴訟能力を欠くことを看過して本案の判決がされ,控訴審においてその事実が明らかとなったときは,控訴裁判所は,第一審判決を取り消して,訴えを却下しなければならない。
解答 3,4
第3編 当事者 第4章 代理人・補佐人
MS0270H27-32Y 訴訟能力等 A
訴訟能力,法定代理人及び法人の代表者に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.成年被後見人が意思能力のある状態で離婚の訴えを提起した場合,この訴え提起は無効であり,補正命令の対象となる。
2.被保佐人が相手方の提起した控訴につき控訴棄却を求める答弁をするには,保佐人又は保佐監督人の同意を要しない。
3.未成年者を被告とする訴状等を当該未成年者宛てに送達し,未成年者本人がこれを受領した場合,その後,法定代理人が追認したとしても,法定代理人に対し更にこれを送達しなければならない。
4.株式会社の代表取締役の職務の執行を停止し,その職務を代行する者を選任する旨の仮処分が発令されている場合,その取締役を選任した株主総会決議が無効であることの確認を請求する本案訴訟において,当該株式会社を代表すべき者は,当該職務を代行する者である。
5.法定代理人の無権代理行為の瑕疵を看過してなされた本案判決が確定した場合,訴訟能力を取得した本人がこの判決の存在を知った日から30日を経過した後は,再審の訴えを提起することができない。
解答 2,4
MS0280H28-32Y 訴訟代理人 A
訴訟代理人に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟委任に基づく訴訟代理人の資格は,弁護士に限られるから,簡易裁判所の事件であっても,弁護士でない者を訴訟代理人とすることは許されない。
イ.訴訟委任を受けた訴訟代理人が,委任を受けた事件の相手方から提起された反訴に関して訴訟行為をするには,改めて,反訴に関する訴訟委任を受けなければならない。
ウ.訴訟委任を受けた訴訟代理人が適法に訴訟復代理人に訴訟委任をしていた場合,その訴訟代理人が死亡しても,委任を受けた訴訟復代理人は,これにより訴訟代理権を失うことはない。
エ.複数の訴訟代理人に訴訟委任をした当事者が,各訴訟代理人との間で,各訴訟代理人が単独で訴訟行為をすることができないとの定めをしたときは,各訴訟代理人が単独でした訴訟行為は無効となる。
オ.訴訟委任を受けた訴訟代理人が,委任を受けた事件について和解をするには,特別の委任を受けていなければならない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 5
MS0281R03-34Y 訴訟代理人 A
訴訟委任を受けた訴訟代理人に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟代理人の権限は,書面で証明しなければならない。
イ.訴訟代理人は,和解条項中に訴訟物たる権利以外の権利に関する条項を含むものでない限り,当事者から和解についての特別の委任を受けていない場合であっても,訴訟上の和解をすることができる。
ウ.訴訟代理人の事実に関する陳述を当事者が直ちに更正したときは,その陳述は効力を生じない。
エ.訴訟代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の成立の真正を争ったときであっても,訴訟代理人が過料に処せられることはない。
オ.訴訟代理人が適法に選任した訴訟復代理人は,訴訟代理人の死亡によっては訴訟代理権を失わない。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 3
第4編 訴えの提起 第1章 訴えと請求
MS0290H28-35Y 訴え A
訴えに関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴えの提起による時効の完成猶予の効力発生の時期は,被告に対する訴状の送達の時である。(問改)
イ.訴えの取下げは,被告に訴状が送達された後は,被告の同意を得なければすることができない。
ウ.訴状が公示送達の方法により送達され,その後,判決も同様に公示送達の方法によって送達された場合には,これらの書類の送達の効力は,掲示を始めた日から2週間を経過することによって生ずる。
エ.重複する訴えが提起された場合,被告が異議を述べないで本案について弁論をしたときであっても,当該訴えは適法とはならない。
オ.訴状は,第一回の口頭弁論期日後は,これを却下することができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 5
MS0300R01-36Y 訴訟要件 B
訴訟要件に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.第一審裁判所は,法律の定めにより他の裁判所が専属的な土地管轄を有する訴えが提起された場合には,判決でその訴えを不適法なものとして却下しなければならない。
2.第一審裁判所は,訴えが不適法であると認める場合には,口頭弁論を経ずに判決で訴えを却下しなければならない。
3.第一審裁判所の裁判長は,訴えの適法性を判断するための事実上及び法律上の事項について,当事者に対して釈明権を行使することができない。
4.第一審裁判所は,当事者間で争いになった訴訟要件の存在について中間判決をすることができる。
5.第一審裁判所は,訴えの取下げが効力を生じた後においては,その訴えが不適法であると認める場合であっても,訴えを却下する判決をすることができない。
解答 4,5
第4編 訴えの提起 第2章 処分権主義
MS0350H29-41Y 処分権主義 B
処分権主義に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.裁判所は,原告が500万円の債務のうち200万円の存在は認めるもののそれを超える債務の不存在の確認を求める訴訟において,300万円の債務が存在すると認めるときは,500万円の債務のうち300万円を超える債務の不存在を確認し,その余の部分につき請求を棄却する判決をしなければならない。
イ.裁判所は,訴訟外において原告が被告との間で訴えを取り下げる旨の合意をしたと認めるときは,訴えの取下げによる訴訟終了の宣言をしなければならない。
ウ.財産権上の請求に関する判決については,裁判所は,原告の申立てがない場合であっても,必要があると認めるときは,仮執行宣言を付すことができる。
エ.裁判所は,少額訴訟につき請求を認容する判決をする場合において,被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは,認容する請求に係る金銭の支払について分割払の定めをし,かつ,これと併せて期限の利益を喪失することなく支払をした額の合計額が元本のうち一定額を超えた場合には残部の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。
オ.裁判所は,特定の金銭債権の一部を請求する訴訟において,相殺の抗弁に理由があると認めるときは,請求額から自働債権の額を控除した残存額の限度で請求を認容する判決をしなければならない。
1.ア イ .ア ウ 3.イ エ 4.エ オ 5.ウ オ
解答 2
MS0360R01-42Y 処分権主義 A
処分権主義に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.不法行為による人身に係る損害賠償請求権に基づき,慰謝料100万円及び休業損害300万円の支払を求める請求に対し,裁判所は,慰謝料150万円及び休業損害200万円の支払を命ずる判決をすることができる。
2.原告の被告に対する損害賠償債務のうち100万円を超える部分の不存在確認請求に対し,裁判所は,その損害賠償債務のうち50万円を超える部分が不存在であることを確認するとの判決をすることができる。
3.境界確定訴訟において,裁判所は,原告の請求を棄却するとの判決をすることができる。
4.建物所有目的の土地賃貸借契約の終了に基づき,建物収去土地明渡しを求める請求に対し,被告が建物買取請求権を行使した場合には,裁判所は,建物を引き渡して土地を明け渡すことを命ずる判決をすることができる。
5.相続財産に属する債務の債権者が相続人に対してその債務の弁済を求める訴訟において,相続人が主張する限定承認の事実を認めることができる場合には,裁判所は,相続によって得た財産の限度で当該債務の弁済を命ずる判決をすることができる。
解答 2,3
第4編 訴えの提起 第4章 訴えの利益
MS0420H27-36Y 訴えの利益 A
訴えの利益に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.新株予約権の募集事項の決定につき株主総会決議を要する場合において,当該決議の取消訴訟が係属中に当該新株予約権が発行されたとしても,当該訴えの利益は失われない。
2.共同相続人間において具体的相続分についてその価額又は割合の確認を求める訴えは,確認の利益が欠ける。
3.確定した給付判決が存在しても,時効の完成猶予のため他に方法がないときには,同一訴訟物につき再度給付の訴えを提起する利益が認められる。(問改)
4.物の引渡しが執行不能となる場合に備えての代償請求は,将来の給付の訴えとしてその利益が認められる。
5.ある財産が特別受益財産であることの確認を求める訴えは,確認の利益が欠ける。
解答 1
MS0430H30-35Y 訴えの利益 B
訴えの利益に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.債権的請求権に基づく給付の訴えについては,その債権に対して仮差押えの執行がされた場合には,訴えの利益が認められない。
2.給付の訴えについては,その給付に係る請求権について強制執行をしない旨の合意がある場合であっても,訴えの利益が認められる。
3.所有権確認の訴えについては,その所有権に基づく物権的請求権による給付の訴えを提起することができる場合であっても,即時確定の利益があると認められる限り,訴えの利益が認められる。
4.法律関係を証する書面の記載内容の真実性に争いがある場合には,その記載内容が真実であることの確認を求める訴えについては,訴えの利益が認められる。
5.共同相続人間において,ある財産が被相続人の遺産かどうかに争いがある場合には,当該財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えについては,訴えの利益が認められる。
解答 1,4
第4編 訴えの提起 第6章 請求の複数
MS0501R03-36Y 反訴 A
反訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟委任に基づく訴訟代理人は,特別の委任を受けることなく,反訴を提起することができる。
イ.補助参加人は,被参加人である被告のために反訴を提起することはできない。
ウ.反訴状は,反訴原告(本訴被告)が反訴被告(本訴原告)に対しその写しを直接送付することで足り,裁判所が送達することを要しない。
エ.本訴取下げ後における反訴の取下げには,反訴被告の同意を要しない。
オ.上告審においては,相手方の同意がある場合に限り,反訴を提起することができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 3
MS0540H28-38Y 訴えの変更 A
訴えの変更に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.債務者が第三者に無償で譲渡した不動産につき,債権者が詐害行為取消権を行使して所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟を提起する場合において,訴訟係属中に被保全債権を甲債権から乙債権に変更することは,訴えの変更に当たる。
2.控訴審における訴えの変更は,請求の基礎に同一性が認められる場合であっても,相手方の同意が必要である。
3.訴えの変更は,著しく訴訟手続を遅滞させる場合であっても,相手方の同意があるときは,許される。
4.建物所有権に基づき建物明渡しを求める訴えを提起した原告が,請求を土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更することは,この訴えの変更が当該建物の所有権が自己に帰属する旨の被告の陳述に基づいてされた場合には,許される。
5.訴えの変更を許さない旨の決定に対しては,独立の不服申立てをすることができない。
解答 4,5
MS0550R01-35Y 訴えの追加等 A
訴えの追加等に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.係属中の訴訟の被告と共同の利益を有する者であって当事者でないものが,当該被告を自己のためにも被告となるべき者として選定した場合に,原告は,口頭弁論の終結に至るまで,その選定者に係る請求の追加をすることができる。
2.原告は,請求又は請求の原因の変更をするときは,これを記載した書面を直接相手方に送付しなければならない。
3.裁判所は,請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは,申立てにより又は職権で,その変更を許さない旨の決定をしなければならない。
4.被告は,本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的として,口頭弁論の終結に至るまで,反訴を提起することができる。
5.反訴は,本訴の係属する裁判所に提起することができるが,反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは,その限りではない。
解答 2
第4編 訴えの提起 第8章 訴え提起の効果
MS0600H28-37Y 重複起訴の禁止 A
重複起訴の禁止に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.XのYに対する不動産の所有権確認請求訴訟の係属中に,XがZに対して当該不動産の所有権の確認を求める別訴を提起することは,許されない。
イ.XのYに対する貸金300万円の債務不存在確認請求訴訟の係属中に,YがXに対し当該貸金の返還を求める別訴を提起することは,許されない。
ウ.XのYに対する売買代金支払請求訴訟であるA訴訟とYのXに対する貸金返還請求訴訟であるB訴訟とがそれぞれ係属中に,A訴訟の被告Yが,A訴訟において,B訴訟で請求している貸金債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。
エ.XのYに対する土地の所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟の係属中に,YがXに対し当該土地の所有権の確認を求める別訴を提起することは,許されない。
オ.XのYに対する手形金債務不存在確認請求訴訟の係属中に,YがXに対し当該手形金の支払を求める別訴を手形訴訟により提起することは,許されない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 3
第5編 訴訟の審理 第1章 諸原則
MS0630H27-41Y 直接主義 B
直接主義に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.裁判所は,裁判官が代わった場合において,当事者の申出があるときは,裁判官が代わる前に尋問した当事者本人について,その尋問をしなければならない。
2.合議体の審理をその構成員である裁判官の一人が単独裁判官として引き続き審理をするときは,弁論の更新手続は必要ないが,単独裁判官の審理をその裁判官を含む合議体として引き続き審理をするときは,弁論の更新手続が必要である。
3.弁論の更新手続をしないままされた判決は,法律に従って判決裁判所を構成しなかったものとして,最高裁判所に対する上告の理由となる。
4.控訴審において,第一審で尋問した証人につき当事者が尋問を求めた場合,これを認めなくても,直接主義の要請に反しない。
5.裁判官が代わった後の口頭弁論期日に当事者の一方が欠席した場合,裁判所は,出頭した他方の当事者に,当事者双方に係る従前の口頭弁論の結果を陳述させて,弁論の更新手続をすることはできない。
解答 1,4
第5編 訴訟の審理 第2章 裁判の進行
MS0660H30-36Y 裁判所・裁判長の行為 A
裁判所又は裁判長の行為に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.裁判長は,地方裁判所で行う証人の尋問において,当事者に先立って尋問をしようとするときは,当事者の意見を聴かなければならない。
2.裁判所は,被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず,その他何らの防御の方法も提出しない場合に,判決書の原本に基づかないで原告の請求を認容する判決をするときは,当事者の意見を聴かなければならない。
3.裁判所は,争点及び証拠の整理を行うため必要があると認め,事件を弁論準備手続に付するときは,当事者の意見を聴かなければならない。
4.裁判所は,弁論準備手続において,専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させる決定を行うときは,当事者の意見を聴かなければならない。
5.裁判所は,口頭弁論を分離するときは,当事者の意見を聴かなければならない。
解答 2,5
MS0661R03-37Y 口頭弁論の分離及び併合 A
口頭弁論の分離及び併合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.主債務者と連帯保証人を共同被告として訴えが提起された場合に,裁判所は,不出頭の連帯保証人につき口頭弁論を分離して判決をすることができない。
イ.共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある場合において,原告の申出があったときは,裁判所は,弁論及び裁判は分離しないでしなければならない。
ウ.離婚訴訟が家庭裁判所に係属中に,離婚原因である不貞行為によって生じた損害の賠償を求める訴えが地方裁判所に提起されたが,その地方裁判所が当該訴えに係る訴訟を離婚訴訟が係属する家庭裁判所に移送した場合には,移送を受けた家庭裁判所は,これらの訴訟に係る事件について口頭弁論の併合を命じなければならない。
エ.裁判所は,一つの請求について数個の独立した攻撃防御方法が提出されている場合には,それぞれの攻撃防御方法ごとに口頭弁論の分離を命ずることができる。
オ.裁判所は,当事者を異にする事件について口頭弁論の併合を命じた場合に,併合前に尋問をした証人について,尋問の機会がなかった当事者から尋問の申出がないときは,その尋問をする必要はない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 2
MS0680H28-33Y 責問権 A
民事訴訟に関する異議権(責問権)に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.当事者は,訴訟手続に関する規定の違反についての異議を述べる権利を放棄しようとするときは,その旨を書面に記載し,これを裁判所に提出しなければならない。
イ.当事者は,訴訟手続に関する規定の違反についての異議を述べる権利につき,具体的な違反が実際に生じるより前にあらかじめその放棄をすることができる。
ウ.判決の言渡しが公開の法廷で行われなかった場合,当事者は,そのことを知りながら,遅滞なく異議を述べないときであっても,異議を述べる権利を失わない。
エ.訴えの変更の書面が被告に送達されなかった場合,当事者は,そのことを知りながら,遅滞なく異議を述べないときであっても,異議を述べる権利を失わない。
オ.宣誓をさせるべき証人を宣誓させないで尋問した場合,当事者は,そのことを知りながら,遅滞なく異議を述べないときは,異議を述べる権利を失う。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 4
MS0730H27-31Y 送達 A
送達に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.原告が被告の住所を知りながらこれを不明としてした申立てに基づき訴状等の公示送達が実施されたため,被告が訴え提起の事実を知らないまま被告敗訴の第一審判決が下され,その後,控訴期間を徒過した場合には,当該被告は,控訴を追完することができる。
2.被告の住所宛てに郵便に付する送達ができる場合において,訴状等を書留郵便で発送すれば,書留郵便の保管期間満了により訴状等が裁判所に返戻されても,訴訟係属の効果には影響がない。
3.被告のクレジットカードを無断で使用した被告の同居の妻が,当該使用に係る立替金請求訴訟の訴状等が被告の住所において送達された際,被告不在のため,被告に代わってこれを受領した後に隠匿したことにより,被告が訴え提起の事実を知らないまま被告敗訴の第一審判決が下され,これが確定したときは,当該判決に対して再審の訴えを提起することができる。
4.裁判所書記官は,その所属する裁判所の事件について出頭した者に対しては,自ら送達をすることができる。
5.訴訟代理人を選任している被告につき,第一審判決正本を,当該訴訟代理人ではなく被告本人に送達することは違法である。
解答 5
MS0731R02-36Y 送達 A
送達に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟代理人がある間は,当事者本人に対してした訴訟関係書類の送達は無効である。
イ.不適法なことが明らかな訴えであって,当事者のその後の訴訟活動により適法とすることが全く期待することができないものを,口頭弁論を経ずに判決で却下する場合には,被告に対し訴状を送達することを要しない。
ウ.訴訟代理人がない場合には,当事者は,送達を受けるべき場所を受訴裁判所に届け出ることを要しない。
エ.訴状及び第1回口頭弁論期日の呼出状の公示送達がされた場合には,被告が口頭弁論の期日に出頭せず訴状に記載された請求原因事実を争うことを明らかにしないときであっても,被告がその事実を自白したものとはみなされない。
オ.書類の受領について相当のわきまえのある同居者が受送達者宛ての訴訟関係書類の交付を受けた場合において,当該同居者と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるときは,受送達者に対する送達の効力が生じない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
解答 4
MS0770H29-36Y 訴訟手続の中断 B
訴訟手続の中断に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。ただし,アからエまでの各記述において,訴訟代理人は選任されていなかったものとする。
ア.貸金請求訴訟において,口頭弁論終結後判決の言渡し前に被告が死亡した場合には,訴訟手続は中断しない。
イ.訴訟物が一身専属権である訴訟において,原告が死亡した場合には,訴訟手続は中断せず,訴訟は終了する。
ウ.ある訴訟に第三者が独立当事者参加をした場合において,当該第三者が死亡したときは,訴訟手続は中断する。
エ.債権者が債権者代位権に基づきその債務者に属する債権を行使する訴訟において,当該債務者が死亡した場合には,訴訟手続は中断しない。
オ.訴訟代理人が選任されている訴訟において,訴訟代理人が死亡した場合には,訴訟手続は中断する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
解答 2
第5編 訴訟の審理 第3章 裁判資料の収集
MS0801R02-39Y 弁論主義 B
弁論主義に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.所有権に基づく動産引渡請求訴訟において,被告が留置権の発生の原因となる事実を主張した場合には,被告が留置権を行使する意思を表明していないときであっても,裁判所は,被告が留置権を有することを判決の基礎とすることができる。
2.所有権に基づく建物明渡請求訴訟において,「原告は,被告に対してその建物を無償で使用させていた。」との事実を原告が陳述した場合には,被告がその援用をしないときであっても,裁判所は,原告と被告との間でその建物の使用貸借契約が成立したことを判決の基礎とすることができる。
3.所有権に基づく土地の所有権移転登記手続請求訴訟において,被告が原告の土地の所有を否認している場合には,「原告がAからその土地を買い受けた後に被告がAからその土地を買い受け,これに基づき所有権移転登記がされた。」との事実を当事者が主張していないときであっても,裁判所は,その事実を判決の基礎とすることができる。
4.保証債務履行請求訴訟において,被告が主張した弁済の事実を原告が否認している場合には,当事者が原告の被告に対する別の債権の存在を主張していないときであっても,裁判所は,その別の債権に対して被告による弁済がされたものであるとして,「請求債権に対する弁済はない。」との事実を判決の基礎とすることができる。
5.不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において,被告が原告に損害の発生に関する過失があることの根拠となる事実を主張した場合には,被告が過失相殺を主張していないときであっても,裁判所は,過失相殺の結果を判決の基礎とすることができる。
解答 1,3
MS0810H28-39Y 釈明 A
釈明に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.裁判長は,口頭弁論の期日外で一方当事者に対し攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について釈明権を行使しても,その内容を相手方に通知する必要はない。
2.具体的な法律構成を示唆して訴えの変更を促す釈明権の行使は,許されない。
3.攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が釈明をすべき期日に出頭しない場合,裁判所は,その攻撃又は防御の方法を却下することができる。
4.裁判所は,訴訟関係を明瞭にするため,鑑定を命ずることができる。
5.当事者は,裁判長の釈明権の行使に対して不服があっても,異議を申し立てることができない。
解答 3,4
MS0811R02-41Y 釈明 A
釈明に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.陪席裁判官は,裁判長の許可を得なければ,当事者に対して問いを発することができない。
2.当事者は,口頭弁論の期日外において,裁判長に対して発問を求めることができない。
3.裁判所の釈明義務違反は,上告受理申立ての理由にはならない。
4.裁判長が事実上の事項に関し当事者に立証を促したことに対し,相手方当事者が異議を述べた場合には,裁判所は,その異議について裁判をする必要はない。
5.裁判所は,訴訟関係を明瞭にするため,当事者本人に対し,口頭弁論の期日に出頭することを命ずることができる。
解答 5
第5編 訴訟の審理 第4章 当事者の行為
MS0850H28-43Y 訴訟上の合意 A
訴訟上の合意に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.終局判決後にされた当事者双方が共に上告する権利を留保する不控訴の合意は,書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければならない。
2.管轄の合意は,一定の法律関係に基づく訴えに関してされなければならない。
3.当事者間における特定の者を証人として申請しない旨の合意は裁判所を拘束するが,その者の尋問が完了した後にその尋問の結果を排除する旨の合意をしても,その合意は裁判所を拘束しない。
4.裁判外で訴えを取り下げる旨の合意が成立し,被告がその存在を主張立証した場合には,裁判所は当該訴えを却下しなければならない。
5.判決の言渡し前にされた当事者の一方のみが控訴しない旨の合意は,有効である。
解答 5
MS0851R02-38Y 訴訟上の合意 B
企業間の商取引契約(以下「本件契約」という。)について訴え提起前に書面によってされた合意の訴訟上の効果に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.一定の文書を証拠として用いないとの合意がされた場合に,裁判所は,請求の理由の有無を判断するためにその文書を証拠として取り調べることはできない。
イ.本件契約の下で生ずる紛争を仲裁により解決するとの合意がされたにもかかわらず,その当事者の一方が当該紛争の解決のために相手方当事者を被告として訴えを提起した場合には,当該合意に基づき被告が訴えの却下を求めたときであっても,裁判所は,その裁量により,訴えを却下せず,本案の判決をすることができる。
ウ.証拠調べの手続について,特定の外国の民事訴訟法における規律に服するとの合意がされた場合には,我が国の裁判所は,我が国の国内で証拠調べを行うときであっても,その外国の民事訴訟法における規律に従って証拠調べの手続を行わなければならない。
エ.訴えが提起された場合には一定の主要事実の存在を認めるとの合意がされたときは,裁判所は,その事実が存在するものとしなければならない。
オ.本件契約の下で生ずる紛争について,特定の地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とするとの合意がされた場合であっても,本件契約の下で実際に生じた紛争に係る訴訟の目的の価額が140万円を超えないときは,その訴訟は,当該地方裁判所の管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
解答 2
第5編 訴訟の審理 第5章 当事者の欠席
MS0910R01-37Y 第1審期日の欠席 A
当事者が第一審の期日に欠席した場合に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.訴状の送達及び第1回口頭弁論期日の呼出しが公示送達によりされた場合には,被告がその期日に出頭しなかったときであっても,裁判所は,その期日において口頭弁論を終結することはできない。
2.当事者双方が,連続して2回,口頭弁論の期日に出頭しなかった場合には,訴えの取下げがあったものとみなされる。
3.裁判所は,当事者双方が期日に出頭しなかった場合には,準備的口頭弁論を終了することができない。
4.裁判所は,当事者双方が口頭弁論の期日に出頭しなかった場合であっても,審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況を考慮して相当と認めるときは,口頭弁論を終結することができる。
5.口頭弁論の続行の期日に被告が出頭しなかった場合であっても,事前に原告の準備書面が被告に送達されていたときには,原告は,その期日において,その準備書面に記載された事実を主張することができる。
解答 1,3
第5編 訴訟の審理 第6章 訴訟記録
MS0930H29-34Y 訴訟記録 B
訴訟記録に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.民事訴訟の訴訟記録の閲覧の請求は,何人でもすることができる。
イ.民事訴訟の訴訟記録の謄写の請求は,当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り,することができる。
ウ.民事訴訟の訴訟記録の閲覧及び謄写の請求は,裁判所書記官に対して行い,当該請求を拒絶した裁判所書記官の処分に対しては,即時抗告をすることができる。
エ.民事訴訟の訴訟記録中に,閲覧を行うことにより当事者の業務の平穏を害するおそれがあると認められる部分があるときは,当該当事者は,その部分の閲覧請求権者を当事者に限る旨の申立てを裁判所にすることができる。
オ.人事訴訟の訴訟記録中事実の調査に係る部分についての閲覧の請求は,裁判所が許可したときに限り,することができる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 4
MS0931R02-35Y 訴訟記録の閲覧・謄写請求 B
訴訟記録の閲覧・謄写請求に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.何人も,裁判所書記官に対し,訴訟記録の謄写を請求することができる。
イ.訴訟記録の謄写の請求は,裁判所の執務に支障があるときは,することができない。
ウ.裁判所は,訴訟記録中当事者の私生活についての重大な秘密が記載された部分の閲覧の請求をすることができる者を当事者に限ることができない。
エ.訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密が記載された部分があり,当該部分が謄写されることにより当該当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあるときは,裁判所は,当該当事者の申立てにより,当該部分について,相手方当事者の謄写の請求を制限することができる。
オ.訴訟記録中当事者の私生活についての重大な秘密が記載された部分につき,第三者の謄写の請求を制限する旨の決定がされた場合であっても,その後に当該部分が秘密でなくなったときは,第三者は,その決定の取消しの申立てをすることができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 4
第5編 訴訟の審理 第8章 証拠の整理手続
MS1000H27-40Y 争点及び証拠整理手続 A
争点及び証拠の整理手続に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.当事者は,口頭弁論において,準備的口頭弁論の結果を陳述しなければならない。
2.裁判所は,事件を書面による弁論準備手続に付するに当たり,当事者の意見を聴かなければならない。
3.弁論準備手続期日において,証人の採否の決定及び証人尋問をすることができる。
4.裁判所は,弁論準備手続の期日を公開しなければならない。
5.書面による準備手続においては,いわゆる電話会議システムを利用することができない。
解答 2
MS1010H29-37Y 争点及び証拠整理手続 A
争点及び証拠の整理手続に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.裁判所は,弁論準備手続の期日に相当と認める者の傍聴を許すことができるが,当事者が申し出た者については,手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認められる場合であっても,その傍聴を許さなければならない。
2.弁論準備手続を行う受命裁判官は,調査の嘱託,鑑定の嘱託,文書を提出してする書証の申出及び文書の送付の嘱託についての裁判をすることができる。
3.裁判所は,当事者双方の申立てがある場合であっても,相当でないと認めるときは,弁論準備手続に付する裁判を取り消さないことができる。
4.準備的口頭弁論において,裁判所は,争点及び証拠の整理のため必要があると認めるときは,当事者本人の尋問を行うことができる。
5.書面による準備手続において,裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法により,争点及び証拠の整理に関する事項その他口頭弁論の準備のため必要な事項について協議を行う場合には,裁判所は,当該協議の期日において,文書の証拠調べをすることができる。
解答 2,4
MS1020R01-38Y 弁論準備手続 A
弁論準備手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.裁判所は,事件を弁論準備手続に付する場合には,当事者の意見を聴かなければならない。
イ.裁判所は,弁論準備手続において,当事者の一方が申し出た者の傍聴を許す場合には,他方の当事者の意見を聴かなければならない。
ウ.裁判所は,弁論準備手続において,証拠の申出に関する裁判をすることはできるが,証拠調べをすることはできない。
エ.当事者は,口頭弁論において,弁論準備手続の結果を陳述しなければならない。
オ.裁判所は,受命裁判官又は受託裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ
解答 2
MS1021R02-42Y 準備手続の比較 B
弁論準備手続と書面による準備手続との比較に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.地方裁判所においては,弁論準備手続及び書面による準備手続のいずれであっても,受命裁判官が手続を主宰することができる。
イ.音声の送受信により同時に通話をすることができる方法(以下「電話会議」という。)により手続を行う場合に,弁論準備手続の期日においては必ず当事者の一方が裁判所に出頭しなければならないが,書面による準備手続の協議においてはいずれの当事者も裁判所に出頭しなくともよい。
ウ.弁論準備手続の期日及び書面による準備手続のいずれにおいても,裁判所は,文書の証拠調べをすることができない。
エ.裁判長は,弁論準備手続及び書面による準備手続のいずれにおいても,準備書面の提出をすべき期間を定めなければならない。
オ.電話会議により手続が行われる場合に,弁論準備手続期日においては当事者双方が口頭により訴訟上の和解をすることができるが,書面による準備手続の協議においてはすることができない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
解答 4
MS1022R03-38Y 準備手続の比較 A
準備的口頭弁論と弁論準備手続に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.裁判所は,準備的口頭弁論を行うことについて当事者の意見を聴く必要はないが,事件を弁論準備手続に付するには当事者の意見を聴かなければならない。
2.裁判所は,争点及び証拠の整理を行うために必要があると認める場合には,準備的口頭弁論の期日においては証人尋問及び当事者尋問を行うことができるが,弁論準備手続の期日においては,これらを行うことはできない。
3.裁判所は,準備的口頭弁論と弁論準備手続のいずれにおいても,当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認める場合には,当事者の一方が期日に出頭したときに限り,裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によってその期日における手続を行うことができる。
4.裁判所は,相当と認めるときは,職権で弁論準備手続に付する裁判を取り消すことができるが,準備的口頭弁論は,当事者が期日に出頭している限り,争点及び証拠が整理されない段階で終了させることができない。
5.裁判所は,準備的口頭弁論を受命裁判官に行わせることはできないが,弁論準備手続は受命裁判官に行わせることができる。
解答 3,4
第5編 訴訟の審理 第10章 専門委員制度
MS1040H29-35Y 専門委員 B
専門委員に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.専門委員について除斥の申立てがあったときは,その専門委員は,その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件の手続に関与することができない。
イ.裁判所は,争点の整理をするに当たり,訴訟関係を明瞭にするため必要があると認めるときは,当事者の意見を聴けばその同意がなくとも,専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
ウ.裁判所は,当事者双方の申立てがあるときは,専門委員を手続に関与させる決定を取り消さなければならない。
エ.裁判長は,当事者の意見を聴けばその同意がなくとも,証拠調べの手続に関与している専門委員が証拠調べの期日において証人に対して直接に問いを発することを許すことができる。
オ.裁判所は,和解を試みるに当たり,必要があると認めるときは,当事者の意見を聴けばその同意がなくとも,当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 5
第6編 証拠 第1章 証拠と証明
MS1070H28-40Y 証拠 A
証拠に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.反対尋問を経ていない証言についても,裁判所は,その証言を事実認定の資料とすることができる。
イ.当事者の一方が提出した証拠により相手方に有利な事実を認定するには,相手方の援用がなければならない。
ウ.口頭弁論の全趣旨のみをもって事実を認定することは,許されない。
エ.損害が生じたことが認められる場合において,損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは,裁判所は,口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき,相当な損害額を認定することができる。
オ.自由心証主義は,職権探知主義による訴訟にも適用される。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ
解答 3
MS1130H27-39Y 裁判上の自白 A
裁判上の自白に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.貸金返還請求訴訟において,被告が原告の主張する額の金銭の受領を認める旨の陳述をしたときは,金銭消費貸借契約締結の事実につき裁判上の自白が成立する。
2.貸金返還請求訴訟の原告本人尋問において,被告が抗弁として主張する弁済の事実を原告が認める旨の供述をしたときは,弁済の事実につき裁判上の自白が成立する。
3.親子関係不存在確認の訴えにおいて,被告が,子の懐胎が可能である時期に両親が別居していたとの原告の主張を認める旨の陳述をしたときは,この事実につき裁判上の自白が成立する。
4.所有権に基づく建物明渡請求訴訟において,被告が原告との間で当該建物の賃貸借契約を締結した旨の抗弁を主張し,原告がこれを認める旨の陳述をしたときは,賃貸借契約締結の事実につき裁判上の自白が成立する。
5.所有権に基づく建物明渡請求訴訟において,原告が自ら進んで被告との間で当該建物の賃貸借契約を締結した旨の陳述をしたときは,これを被告が援用すれば,賃貸借契約締結の事実につき裁判上の自白が成立する。
解答 4,5
MS1140H29-38Y 裁判上の自白 A
裁判上の自白に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.売買契約に基づく代金請求訴訟において,原告が売買契約書を書証として提出し,被告が当該売買契約書が真正に成立したことを認める陳述をした場合には,裁判所は,当該売買契約書が真正に成立しなかったものと判断することができない。
2.消費貸借契約に基づく貸金請求訴訟において,原告が被告との間で過去に別の消費貸借契約を締結したことを主張し,被告がこれを認める陳述をした場合には,被告は,当該陳述を撤回することができない。
3.所有権に基づく動産引渡請求訴訟において,原告が,当該動産を所有していたAからこれを購入したことを主張し,被告が,原告の主張のうちAが当該動産を所有していたことを認める陳述をした場合には,裁判所は,Aが当該動産を所有していたことを判決の基礎とすることができる。
4.土地の無断転貸による解除を理由とする賃貸借契約の終了に基づく土地明渡請求訴訟において,被告が合意解除を理由とする当該賃貸借契約の終了を認める陳述をした場合には,裁判所は,当該賃貸借契約の終了を判決の基礎としなければならない。
5.所有権に基づく建物明渡請求訴訟において,被告が当該建物の占有は使用貸借契約に基づくものであると主張し,原告が被告の主張を援用して当該使用貸借契約の終了を主張した場合には,被告は,使用貸借契約に関する主張を撤回して,当該建物の占有が賃貸借契約に基づくものであると主張することができない。
解答 3
MS1141R03-39Y 裁判上の自白 A
裁判上の自白(裁判所を拘束する効力を有するものに限る。以下同じ。)に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.所有権に基づく土地の所有権移転登記手続請求訴訟の口頭弁論の期日において,被告は,10年の取得時効の請求原因に対して,原告がその土地の占有の開始時においてその土地の所有権を有していないことを知っていたとの主張をした。これに対し,原告は,その期日において,被告が主張をしたこの事実を認めるとの陳述をした。この原告の陳述について,裁判上の自白が成立する。
2.消費貸借契約に基づく貸金返還請求訴訟の口頭弁論の期日において,原告は,被告に対し100万円を貸し付けたとの主張をした。これに対し,被告は,当事者尋問において,原告から100万円を借り受けたことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について,裁判上の自白が成立する。
3.所有権に基づく建物の明渡請求訴訟の口頭弁論の期日において,原告は,被告の占有の権原に関し,被告との間で当該建物の賃貸借契約を締結したとの陳述をした。これに対し,被告は,その期日において,当該建物は被告が所有するものであるとして,これを援用しなかった。この原告の陳述について,裁判上の自白が成立する。
4.原告の被告に対する所有権に基づく土地の明渡請求訴訟とその反訴である被告の原告に対する時効取得を理由とする当該土地の所有権確認請求訴訟の口頭弁論の期日において,原告は,被告との間で当該土地の賃貸借契約を締結し,被告がこの賃貸借契約に基づいて当該土地を占有しているとの主張をした。これに対し,被告は,その期日において,原告から当該土地を賃借したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について,裁判上の自白が成立する。
5.売買契約に基づく売買代金支払請求訴訟の口頭弁論の期日において,原告は,売買契約書を提出して書証の申出をし,被告がその売買契約書を作成したとの主張をした。これに対し,被告は,その期日において,その売買契約書が真正に成立したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について,裁判上の自白が成立する。
解答 1,4
第6編 証拠 第2章 証拠調べ通則
MS1240R01-41Y 証拠調べ A
証拠調べに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.証拠の申出は,期日前においてもすることができる。
イ.調査嘱託の嘱託先から送付された回答書を証拠資料とするためには,回答書を文書として取り調べなければならない。
ウ.証人の尋問の終了後は,その尋問の申出を撤回することができない。
エ.文書の証拠調べは,書証の申出をした者が当該文書を朗読し,又はその要旨を告げる方法により行われる。
オ.訴え提起後は,証拠保全の申立てをすることができない。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
解答 1
第6編 証拠 第3章 人証
MS1270H28-41Y 証拠拒絶権 B
証言拒絶権に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.医師は,職務上知り得た事実で黙秘すべきものにつき,証言を拒むことができる。
2.Aの後見人であるBがその地位を解任された後は,Aは,Bの名誉を害すべき事項につき,証言を拒むことができない。
3.職業の秘密とは,その事項が公開されると当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になる事項をいい,これに該当すれば,当然に,証人は当該事項につき証言を拒むことができる。
4.証言拒絶を認める決定に対しては,当事者は,即時抗告をすることができない。
5.証人は,証人自身が有罪判決を受けるおそれがある事項について尋問を受ける場合には,宣誓を拒むことができる。
解答 3,4
MS1320H29-39Y 証拠調べ A
証拠調べに関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.当事者の一方が期日に出頭しない場合には,証人尋問をすることができない。
2.証人尋問は,映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によってすることはできない。
3.16歳未満の者を証人として尋問する場合には,宣誓をさせることができない。
4.鑑定人は,鑑定に必要な学識経験を有する第三者の中から指定されるものであって,宣誓をする義務を負わない。
5.鑑定人に口頭で鑑定意見を述べさせた後に,鑑定人に対し質問をする場合には,裁判長,鑑定の申出をした当事者,他の当事者の順序で行うのが原則である。
解答 3,5
MS1321R02-43Y 証拠調べ A
証拠調べに関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.裁判所は,裁判所外において証拠調べをすることができない。
2.証人及び当事者本人を尋問するときは,まず当事者本人を尋問しなければならない。
3.証人尋問の申出を却下する決定に対しては,即時抗告をすることができる。
4.当事者本人を尋問するときは,宣誓をさせずに尋問することができる。
5.尋問をした証人について,裁判所は,再度尋問をすることはできない。
第6編 証拠 第4章 物証
解答 4
MS1380H30-40Y 私文書の成立 A
私文書の成立に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.文書の成立についての自白は裁判所を拘束するものではないが,私文書の成立について当事者間に争いがない場合には,裁判所は,証拠に基づかなくても,当該私文書が真正に成立したものと認めることができる。
2.成立に争いのある私文書に本人による署名と押印のいずれも存在しない場合であっても,裁判所は,証拠及び弁論の全趣旨に基づき,自由な心証によって,当該私文書が真正に成立したものと認めることができる。
3.成立に争いのある私文書に本人名義の署名が存在する場合には,その署名をしたのが本人であるかどうかかが明らかでないときであっても,その署名は本人の意思に基づいてされたものと事実上推定され,ひいては当該私文書が真正に成立したものと推定される。
4.成立に争いのある私文書に本人の印章による印影が存在する場合には,その印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定され,ひいては当該私文書が真正に成立したものと推定される。
5.成立に争いのある私文書に本人による署名が存在するが,その署名がされた後に当該私文書の記載が何者かによって改ざんされたことが認められる場合には,当該私文書が真正に成立したとの推定は覆される。
解答 3
MS1420H27-42Y 文書提出命令 B
文書提出命令に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.民事訴訟法第220条第4号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立ては,書証の申出を文書提出命令の申立てによってする必要がある場合でなければ,することができない。
2.文書提出命令の申立てをする場合において,文書の表示又は文書の趣旨を明らかにすることが著しく困難であるときは,その申立ての時においては,これらの事項に代えて,文書の所持者がその申立てに係る文書を識別することができる事項を明らかにすれば足りる。
3.裁判所は,第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には,その第三者を審尋しなければならない。
4.裁判所は,文書提出命令の申立てに係る文書が公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるものに該当するかどうかの判断をするためには,いわゆるインカメラ手続を採ることはできない。
5.判例によれば,第三者に対してされた文書提出命令に対し,文書提出命令の申立人ではない本案訴訟の当事者は,即時抗告をすることができない。
(参照条文)民事訴訟法
(文書提出義務)
第220条 次に掲げる場合には,文書の所持者は,その提出を拒むことができない。
一~三 (略)
四 前3号に掲げる場合のほか,文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
イ 文書の所持者又は文書の所持者と第196条各号に掲げる関係を有する者について
の同条に規定する事項が記載されている文書
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し,又は公務
の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
ハ 第197条第1項第2号に規定する事実又は同項第3号に規定する事項で,黙秘の
義務が免除されていないものが記載されている文書
ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書
にあっては,公務員が組織的に用いるものを除く。)
ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件に
おいて押収されている文書
解答 4
MS1430H30-39Y 文書・検証物 B
文書又は検証物に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.裁判所は,当事者が文書提出命令に従わないときは,当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
2.裁判所は,第三者が文書提出命令に従わないからといって,文書提出命令を申し立てた当事者の当該文書の記載に関する主張を真実と認めることはできない。
3.裁判所は,文書の成立の真否に争いがあり,対照をするのに適当な相手方の筆跡がない場合に,対照の用に供すべき文字の筆記を相手方に命じたにもかかわらず,相手方が正当な理由なくこれに従わないときは,当該文書の成立の真否に関する挙証者の主張を真実と認めることができる。
4.裁判所は,当事者又はその代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の成立の真正を争ったときは,当該文書の記載の内容が真実であると認めることができる。
5.裁判所は,当事者が検証物提示命令に従わないからといって,当該検証物の性状に関する相手方の主張を真実と認めることはできない。
解答 4,5
MS1431R03-40Y 文書提出命令 B
文書提出命令に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について文書提出命令の申立てがされた場合に,その顧客自身が訴訟の当事者として開示義務を負うときであっても,金融機関は,その保持する顧客の信用情報につき,商慣習上又は契約上,その顧客との関係で守秘義務を負うから,裁判所は,当該取引明細書の提出を命ずることはできない。
2.公務員の職務上の秘密に関する文書について,当該監督官庁が,当該文書の提出により国の安全が害されるおそれがあることを理由として,当該文書がその提出により公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるものに該当する旨の意見を述べたときは,裁判所は,その提出を命ずることができない。
3.裁判所は,専ら所持者の利用に供するための文書に当たる文書について,挙証者と当該文書の所持者との間の法律関係について作成された文書であることを理由として,その提出を命ずることができない。
4.裁判所は,文書提出命令の申立てに係る文書が刑事事件に係る訴訟に関する書類に該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは,文書の所持者にその提示をさせることができる。
5.証拠調べの必要性がないことを理由とする文書提出命令の申立ての却下決定に対しては,証拠調べの必要性があることを理由として即時抗告をすることはできないが,文書提出命令に対して,証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることはできる。
解答 3
第6編 証拠 第5章 証拠保全
MS1451R03-41Y 証拠保全 A
証拠保全に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴え提起後における証拠保全の申立ては,最初の口頭弁論の期日が指定された後口頭弁論の終結に至るまでの間は,急迫の事情がある場合を除き,受訴裁判所にしなければならない。
イ.裁判所は,必要があると認めるときは,訴訟の係属中,職権で,証拠保全の決定をすることができる。
ウ.証拠保全として,文書の取調べをすることはできるが,証人尋問をすることはできない。
エ.証拠保全の決定は,口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ,これをすることができない。
オ.証拠保全の申立てを却下する決定に対しては,抗告をすることができる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ