第5編 契約総論 第2章 契約の成立

MN3050H29-23 隔地者間 B

隔地者間の契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.承諾者が申込みに条件を付して承諾し,その他変更を加えてこれを承諾したときは,その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされる。
イ.申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には,契約は,承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。
ウ.承諾期間の定めのある申込みに対し,その承諾の通知がその期間内に発送された場合には,その承諾の通知が申込者に到達しなかったときであっても,契約は成立し,その効力が生ずる。
エ.申込者は,遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。
(オ.承諾期間の定めのない申込みに対し承諾の通知が発送された後,申込みの撤回の通知が承諾者に到達した場合において,その申込みの撤回の通知が通常の場合には承諾の通知の発送の前に到達すべき時に発送したものであることを承諾者が知ることができたときは,承諾者が申込みの撤回の通知が延着した旨の通知を申込者に対して発送したか否かにかかわらず,契約は成立しなかったものとみなされる。)改正のため解答不能
1.ア イ  2.ア ウ 3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

MN3051R02-22 契約の成立 B

契約の成立に関する次のアからオまでの各記述のうち,契約が成立していないものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.AがBに対し,承諾の期間を申込みから1週間と定めて撤回の権利の留保なく契約の申込みをし,その2日後に申込みを撤回したが,Bは申込みから5日後に承諾した。
イ.Aが対話中にその終了後も契約の申込みが効力を失わない旨を表示せずに対話者であるBに対して契約の申込みをしたところ,Bは対話終了後の翌日に承諾した。
ウ.Bは,Aによる契約の申込みに対し,承諾の通知を発した後に死亡したが,Aは,その承諾の通知の到達前にB死亡の事実を知っていた。
エ.AがBに対して契約の申込みの通知を発した後に死亡したが,Aは自らが死亡したとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示しておらず,BはA死亡の事実を知らずに承諾した。
オ.AがBに対して承諾の期間を申込みから1週間と定めて契約の申込みをしたところ,Bは申込みから10日後に承諾した。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 4

第5編 契約総論 第3章 契約の効力

MN3080H24-24 同時履行 A

同時履行の抗弁に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売買契約が詐欺を理由として取り消された場合において,相互に返還されるべき給付は,同時履行の関係にある。
イ.金銭消費貸借契約に基づく貸金債務の弁済と当該債務の担保のためにされた抵当権設定登記の抹消登記手続は,同時履行の関係にある。
ウ.土地の売買契約における売主の所有権移転登記義務と買主の代金支払義務は,同時履行の関係にある。
エ.建物の賃借人が造作買取請求権の行使をした場合,賃貸人の造作代金支払債務と賃借人の建物引渡債務は,同時履行の関係にある。
オ.有償寄託において,寄託者の報酬支払債務と受寄者の目的物返還債務は,同時履行の関係にある。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 3

MN3090H27-21 同時履行 A

同時履行の抗弁に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.判例によれば,家屋の賃貸借契約の締結時に敷金が差し入れられた場合,その賃貸借契約の終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは,同時履行の関係にない。
イ.双務契約における一方の債権が第三者に譲渡され,譲渡人が債務者に譲渡の通知をした後その債務者が遅滞なく異議を述べなかった場合,その債務者は,その債権の譲受人からの債務の履行の請求に対し,同時履行の抗弁を主張することができない。
ウ.売買契約における双方の債務の履行期が同じである場合において,その履行期が経過したときであっても,一方の当事者は,自己の債務について弁済又はその提供をしなければ,債務不履行に基づく契約の解除をすることができない。
エ.売買契約の解除により両当事者が互いに原状回復義務を負う場合,両当事者の原状回復義務は同時履行の関係にない。
オ.AがBに対し美術品を売却した際,BのAに対する美術品の代金債務とAのBに対する美術品の引渡債務の履行期を同一とすることが合意された場合,Aは,BのAに対する美術品の代金債務についてその履行期が到来しても,AのBに対する美術品の引渡債務について弁済又はその提供をしていないときは,AのBに対する美術品の代金債権とそれとは別にBがAに対して有する貸金債権とを対当額で相殺することができない。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 4

MN3100R01-22 同時履行 A

同時履行に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.有償の委任契約における委任者の報酬支払義務と受任者の事務処理義務とは,同時履行の関係にある。
イ.売買の目的物である未登記建物に契約不適合があることを理由に売買契約が解除された場合,売主の代金返還義務と買主の建物返還義務とは,同時履行の関係にある。(問改)
ウ.建物賃貸借契約が終了し賃借人が造作買取請求権を行使した場合,賃貸人の造作買取代金支払義務と賃借人の建物明渡義務とは,同時履行の関係にある。
エ.未成年者が行為能力の制限を理由に動産売買契約を取り消した場合,両当事者が互いに負う返還義務は,同時履行の関係にある。
オ.期間満了による建物の賃貸借契約終了に伴う賃借人の建物明渡義務と賃貸人の敷金返還義務とは,同時履行の関係にある。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 3

MN3110H27-11Y 債権債務関係 A

AがA所有の宝石を代金100万円でBに売却した際,その宝石の代金債務と宝石の引渡債務の履行期を同一とすることがAB間で合意された。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.A及びBが各自の債務を履行した後に,第三者Cの詐欺を理由としてBがAB間の売買契約を取り消した場合,AのBに対する宝石代金の返還債務とBのAに対する宝石の返還債務とは,同時履行の関係にある。
イ.AがBに対する宝石の代金債権を第三者Dに譲渡してBにその旨を通知した後,Bが遅滞なく異議を述べなかった場合,Bは,Dからの宝石代金の支払請求に対し,同時履行の抗弁権を行使することができない。
ウ.AがBに対して別の貸金債務を負っている場合,BのAに対する宝石の代金債務についてその履行期が到来しても,Aは,AのBに対する宝石の引渡債務について弁済又はその提供をしていないときは,AのBに対する宝石の代金債権とBのAに対する別の貸金債権とを対当額で相殺することができない。
エ.AがBに対して宝石代金の支払を求める訴えを提起した場合,Bの同時履行の抗弁が認められるときは,Aの請求は全部棄却される。
オ.BがAに対して宝石の引渡債務の履行遅滞に基づく損害賠償を求める訴えを提起した場合,Bが宝石の代金債務の弁済の提供をしていないときは,Bの請求は全部棄却される。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN3130H27-22 危険負担 A

契約締結後に債務の履行に障害が生じた場合に関する次の1から4までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.特定物の売買契約において,売主の責めに帰すべき事由により目的物引渡債務が履行不能になった場合,その売買契約の効力は法律上当然に失われ,買主は,代金を支払う義務を免れる。
2.建物の賃貸借契約において,賃借人の責めに帰すべき事由により建物が滅失した場合,その賃貸借契約は法律上当然に終了し,賃借人は,それ以降賃料を支払う義務を負わない。
3.建物の建築を目的とする請負契約において,当事者双方の責めに帰することができない事由により建築途中の建物が滅失した場合であっても,請負人は,新たに建物を建築し,これを完成させなければ,注文者に対し,請負代金全額の支払を請求することはできない。
4.有償寄託契約において,受寄者の責めに帰することができない事由により寄託物の返還債務が履行不能になった場合,受寄者は,寄託者に対し,約定の存続期間のうち履行不能になった後の期間についての報酬の支払を求めることができない。

解答 1

MN3140H25-17 後発的滅失 A

建物を目的物とする売買契約が締結された後,その引渡期日が到来する前に売主の占有下で当該建物の全部が滅失した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.当該建物の滅失が売主の責めに帰すべき事由による場合,売主は,買主からの建物の引渡請求を拒絶することができる。
イ.当該建物の滅失が買主の責めに帰すべき事由による場合,売主は,買主に対して代金の支払を請求することはできない。
ウ.当該建物の滅失が売主の責めに帰すべき事由による場合,買主は,既に売主に代金を支払っているときは,契約を解除して,その代金の返還を請求することができる。
エ.当該建物の滅失が買主の責めに帰すべき事由による場合,買主は,既に売主に代金を支払っているときでも,その返還を請求することはできない。
オ.当該建物の滅失が不可抗力による場合,買主は,既に売主に代金を支払っているときは,その返還を請求することができない。(問改) 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 4

MN3160H28-23 第三者のための契約 A

Aは,Bとの間で,Aの所有する著名な陶芸家の銘が入った絵皿(以下「甲」という。)をBに300万円で売り,代金はBがCに支払うとの合意をした。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.AB間の売買契約の当時,Cが胎児であり,受益の意思表示をすることができなかったときは,その後Cが出生したとしてもAB間の売買契約は無効である。
イ.AB間の売買契約が締結され,Cが受益の意思表示をした後,実は甲が贋作であることが判明し,BがAの詐欺を理由に売買契約を取り消した場合,CがAの詐欺について善意無過失であるときは,Bは詐欺取消しをCに対抗することができない。
ウ.Cに対して債権を有するDは,AB間の売買契約が締結された後,Cが受益の意思表示をせず,かつ無資力である場合には,Cに代位して受益の意思表示をすることができる。
エ.AB間の売買契約が締結された後,AがBに甲を引き渡したにもかかわらず,BがCに甲の代金300万円を支払わない場合には,CはBに催告した上,AB間の売買契約を解除することができる。
オ.AB間の売買契約が,AのCに対する宝石の売買契約に基づく代金債務を弁済するために締結され,Cが受益の意思表示をした場合において,Aがその目的をBに告げていなかったときは,AC間の宝石の売買契約が無効であっても,Cは,Bに対し,甲の代金300万円の請求をすることができる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 4

第5編 契約総論 第4章 契約の解除

MN3200H25-20 解除 A

解除の要件に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 
1.解除の要件としての催告は,相手方が履行遅滞に陥った後にしなければならないから,期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に契約を解除するには,あらかじめ履行の請求をすることによって当該債務を履行遅滞に陥れた後,改めてその履行の催告をする必要がある。
2.双務契約上の債務が同時履行の関係に立つ場合において,一方の当事者が相当の期間を定めて催告をしたときは,その当事者は,当該期間中弁済の提供を継続しなければ契約を解除することはできない。
3.債務者が履行遅滞に陥った後に債権者が不相当な期間を定めて催告をした場合であっても,債務者が履行の催告に応じず,相当な期間が経過した後に解除の意思表示がされたときは,解除の効力が生ずる。
4.解除の意思表示に条件又は期限を付すことはできないから,債権者が相当な期間を定めて催告をし,当該期間内に履行がないことを停止条件として解除の意思表示をしたとしても,解除の効力は生じない。

解答 3

MN3210H29-24K 解除 A

売買契約の解除に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.債務不履行を理由に売買契約が解除された場合において,その債務不履行の時から10年を経過したときは,解除による原状回復請求権の消滅時効が完成する。(改正で不適当)
イ.売主が目的物を引き渡し,買主が代金の一部を支払った場合において,債務不履行を理由に売買契約が解除されたときは,売主の目的物返還請求権と買主の代金返還請求権とは,同時履行の関係にない。
ウ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて債務の履行の催告をしたとしても,売主がその催告に際して履行がなければ解除する旨の通知をしていないときは,売主は,相当期間の経過後も当該売買契約を解除することができない。
エ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて代金の支払を催告したにもかかわらず,買主が代金の支払を拒絶する意思を明確に表示したときは,売主は,相当の期間が経過する前であっても,当該売買契約を解除することができる。
オ.買主の債務不履行を理由に売主が解除権を取得したとしても,その解除権の行使前に買主がその債務を履行したときは,売主は,その解除権を行使することができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 5

MN3211R02-10Y 解除 B

契約の解除に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.解除権の行使について期間の定めがない場合において,相手方が,解除権を有する者に対し,相当の期間を定めて,その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をしたにもかかわらず,当該期間内に解除の通知を受けないときは,解除権は消滅する。
イ.契約の性質又は当事者の意思表示により,特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約の目的を達成することができない債務について,債務者が履行をしないでその時期を経過したときは,契約の解除がされたものとみなされ,当該債務は当然に消滅する。
ウ.債務の一部の履行が不能である場合において,残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないときは,債権者は,催告をすることなく,直ちに契約の全部の解除をすることができる。
エ.解除権を有する債権者が,過失によって契約の目的物を著しく損傷した場合には,その債権者が解除権を有することを知らなかったとしても,解除権は消滅する。
オ.解除権が行使された場合の原状回復において,金銭以外の物を返還するときは,その物を受領した時以後に生じた果実をも返還する義務がある。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 3

MN3212R03-22 解除 P

契約の解除に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.解除権を有する者が,過失によって契約の目的物を返還することができなくなった場合には,自身が解除権を有することを知らなかったとしても,解除権は消滅する。
イ.契約の性質又は当事者の意思表示により,特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約の目的を達成することができない債務について,債務者が履行をしないでその時期を経過したときは,契約の解除をすることなく,当該債務は当然にその効力を失う。
ウ.債務の一部の履行が不能である場合において,残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないときは,債権者は,催告をすることなく,直ちに契約の全部の解除をすることができる。
エ.解除権の行使について期間の定めがない場合において,相手方が,解除権を有する者に対し,相当の期間を定めて,その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をしたにもかかわらず,当該期間内に解除の通知を受けないときは,解除権は消滅する。
オ.解除権が行使された場合の原状回復において,金銭以外の物を返還するときは,その物を受領した時以後に生じた果実をも返還しなければならない。 
1.ア イ 2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 1

第6編 契約各論 第1章 序論

MN3230H28-22K 各種契約 A

契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.贈与は,当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し,相手方が受諾をすることによって,その効力を生ずるから,贈与を受ける者が贈与の申込みをし,相手方がこれを承諾しても贈与の効力は生じない。
イ.売買契約において契約不適合責任を免除する特約がある場合であっても,その当時売買の目的物について種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを売主が知りながらその瑕疵があることを告げなかったときには,売主は契約不適合責任を免れない。(問改)
ウ.判例によれば,AがB所有の甲建物を賃貸権限を有しないCから賃借している場合において,BがAに甲建物の明渡しを求めたときは,Aは,甲建物を使用収益することができなくなるおそれが生じたものとして,Cに対し,それ以降の賃料の支払を拒絶することができる。
エ.賃借人が適法に賃借物を転貸した場合において,賃貸人が賃借人に対し賃借物の修繕義務を負うときは,賃貸人は,転借人に対しても直接に賃借物の修繕義務を負う。
オ.有償の金銭消費寄託契約において,当事者が返還の時期を定めなかったときは,寄託者は,受寄者に対し相当の期間を定めて催告をしなければ,金銭の返還を請求することができない。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ ウ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 3

MN3231R03-23K 契約不適合 B

AB間の売買契約において,売主Aが買主Bに対して引き渡した目的物の数量が不足しており,契約の内容に適合しない場合の買主Bの権利に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.数量の不足がABいずれの責めにも帰することができない事由によって生じた場合,BはAB間の売買契約を解除することができない。
イ.数量の不足がBの責めに帰すべき事由によって生じた場合,BはAB間の売買契約を解除することができない。
ウ.数量の不足がBの責めに帰すべき事由によって生じた場合,不足分の引渡しが可能であっても,Bは不足分の引渡しを請求することができない。
エ.不足分の引渡しが可能であり,Aがその引渡しを申し出た場合であっても,Bは,その申出を拒んで直ちに代金の減額を請求することができる。
オ.Bが数量の不足を知った時から1年以内にその旨をAに通知しない場合には,Aが引渡しの時に数量の不足を知り又は重大な過失によって知らなかったときを除き,Bは損害賠償の請求をすることができない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ 5.エ オ

解答 3

MN3251R03-37 書面等による契約 B

書面等による契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.住宅の所有を目的として締結された定期借地権の設定契約は,公正証書によらなければその効力を生じない。
イ.保証契約は,その合意が電子メールを相互に送受信する方法によってされた場合には,書面が作成されていなくてもその効力を生じる。
ウ.贈与契約において,贈与者の意思表示が書面によってされている場合には,受贈者の意思表示が書面によってされていないときでも,贈与者は,贈与契約の解除をすることができない。
エ.金銭消費貸借契約は,書面によってされた場合であっても,借主が貸主から合意した金銭を受け取るまでは,その効力を生じない。
オ.書面によらない有償寄託契約の受寄者は,寄託物を受け取るまでは契約の解除をすることができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 3

第6編 契約各論 第2章 贈与

MN3270H26-22 贈与 A

贈与に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。 
1.贈与は,ある財産を無償で相手方に与える意思を表示することにより成立する単独行為である。(問改)
2.書面によらない贈与であれば,履行の終わった部分についても解除することができる。(問改)
3.贈与者は,贈与した特定物を引き渡すまでの間,善良な管理者の注意をもってその物を保存する義務を負う。
4.贈与者は,贈与した特定物に契約不適合があった場合,売主と同様の担保責任を負う。(問改)
5.他人の物を目的とする贈与は,贈与者がその物の権利を取得した時からその効力を生ずる。

解答 3

MN3280H29-25 贈与 A

贈与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.書面によらないで動産の贈与がされ,その引渡しがされた場合において,その引渡しが占有改定により行われたときは,贈与者は,贈与を解除することができる。(問改)
イ.贈与者が他人の不動産を贈与した場合において,贈与者は,その不動産の所有権を取得して受贈者に移転する義務を負う。(問改)
ウ.定期の給付を目的とする贈与は,受贈者の死亡によって,その効力を失うが,贈与者が死亡しても,その効力は失われない。
エ.贈与については,負担付きのものであっても,双務契約に関する規定は準用されない。
オ.書面によって死因贈与がされたとしても,贈与者は,生前,いつでもその贈与を撤回することができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 4

MN3281R03-24 贈与 A

贈与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.死因贈与は,書面によることを要せず,当事者の合意のみで成立する。
イ.贈与者は,特約のない限り,目的物が特定した時の状態でこれを引き渡せば足りる。
ウ.受贈者は,贈与契約が書面によらない場合であっても,履行の終わっていない部分について贈与契約を解除することができない。
エ.負担付贈与においては,贈与者は,受贈者がその負担である義務の履行を怠ったことを理由として,贈与契約を解除することができない。
オ.登記された建物が書面によらずに贈与された場合,贈与者は,受贈者への目的物の引渡し及び所有権移転登記の双方がされるまでは,贈与契約を解除することができる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 1

第6編 契約各論 第3章 売買・交換

MN3321R02-24 他人の権利の売買 A

他人の権利の売買に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合,買主は,契約時にその権利が売主に属しないことを知っていたとしても,それにより損害賠償の請求を妨げられない。
イ.売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合,そのことについて売主の責めに帰すべき事由が存在しないときであっても,買主は売主に対して損害賠償請求をすることができる。
ウ.売買の目的である権利の一部が他人に属することにより,その権利の一部が買主に移転されず, 履行の追完が不能である場合,そのことについて買主の責めに帰すべき事由が存在しないときは,買主は,催告をすることなく,直ちに代金の減額を請求することができる。
エ.売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合,買主は,契約時にその権利が売主に属しないことを知っていたときは,契約を解除することができない。
オ.売主が他人の権利を取得して買主に移転することができない場合,買主は,善意の売主に対しては,当該権利が他人の権利であることを知った時から1年以内にその旨を通知しなければ,損害賠償の請求をすることができない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 1

MN3350H26-16 種類物売買 A

売買契約においてその目的物であるワインを種類のみで指定し,買主の住所で引き渡すこととされていた場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したのに,買主がその受領を拒んだ場合には,その後売主がそのワインを故意に滅失させたときであっても,売主は,ワインの引渡債務の不履行を理由とする損害賠償責任を負わない。
イ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合において,その後そのワインが保管されていた倉庫が第三者の放火によって焼失し,ワインが滅失したときには,売主は,ワインの引渡債務を免れる。
ウ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合において,その後そのワインが買主の過失により滅失したときは,買主は,ワインの代金債務を免れない。
エ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合には,その1週間後に売主が買主に対してワインの代金の支払を求めてきたときであっても,買主は,ワインの引渡しとの同時履行の抗弁を主張することができない。
オ.買主があらかじめワインの受領を拒んでいる場合において,売主が弁済の準備をしたことを買主に通知してその受領を催告したときは,売主は,約定の期日に買主の住所にワインを持参しなくても,ワインの引渡債務の不履行を理由とする損害賠償責任を負わない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 2

MN3360H26-23K 売買 B

売買に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.買主は,目的物の引渡しを先に受けた場合でも,目的物の引渡しを受けた場所において代金を支払わなければならない。
イ.売主は,目的物の引渡しを遅滞している場合でも,引渡しまでは,これを使用し果実を取得することができるが,買主が代金を支払った後は,果実を取得することはできない。
ウ.買主は,買い受けた不動産について抵当権,先取特権又は質権の登記があるときは,抵当権,先取特権又は質権の消滅請求の手続が終わるまで,その代金の支払を拒むことができる。
エ.買主が売主に手付を交付した場合,売主が手付の倍額を償還して契約を解除するためには,口頭により手付の倍額を償還する旨を告げ,その受領を催告すれば足りる。
オ.賃借地上にある建物の売買契約が締結された場合,売主は,その建物の敷地を目的とする賃借権の譲渡につき賃貸人の承諾を得て,敷地の賃借権を買主に移転する義務を負う。  
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 2

MN3370H28-24 売買 A

売買に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.解約手付の授受された売買契約の買主は,自ら履行に着手した場合でも,売主が履行に着手するまでは,手付を放棄して売買契約の解除をすることができる。
イ.甲土地の売買契約がAを売主,Bを買主として締結され,AからBに甲土地の引渡しがされたが,甲土地がCの所有であった場合において,Aが甲土地の権利をCから取得してBに移転することができないことを理由にBが甲土地の売買契約を解除したときは,Bは,Aに対し,その解除までの間の甲土地の使用利益を返還しなければならない。
ウ.建物とその敷地の賃借権とが売買契約の目的とされた場合には,敷地に欠陥があり,賃貸人がその欠陥について修繕義務を負担するときであっても,買主は,売主に対し,その欠陥が売買の目的物の種類・品質に関する契約不適合に該当することを理由として担保責任を追及することができる。(問改)
エ.売買契約の目的物の種類・品質に関する契約不適合がある場合において,買主がその不適合があることを知った時から1年以内に不適合に関する通知をしたときは,その時点で買主が目的物の引渡しを受けた時から10年を経過していたときであっても,その損害賠償請求権につき消滅時効は完成しない。(問改)
オ.建物の競売の手続が開始され,借地権の存在を前提として建物の売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず,実際には建物の買受人が代金を納付した時点において借地権が存在しなかったことにより,建物の買受人がその目的を達することができず,かつ,債務者が無資力であるときは,建物の買受人は,強制競売による建物の売買契約を解除した上,売却代金の配当を受けた債権者に対し,その代金の返還を請求することができる。(問改)
1.ア イ  2.ア オ 3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 4

MN3380H29-26 代金支払請求権 B

不動産の売買契約に基づき売主が買主に対して代金の支払を訴訟で請求する場合に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。 
1.売主は,請求原因において,売買契約締結当時,その目的物が売主の所有であったことを主張する必要がある。
2.買主が抗弁として同時履行の抗弁を主張した場合には,売主は,代金の支払を目的物の引渡し及び所有権移転登記手続よりも先に履行する旨の合意があったことを再抗弁として主張することができる。
3.売買契約の目的不動産について契約不適合があり,買主が損害賠償請求権を有する場合には,売主の代金請求権と買主の損害賠償請求権は同時履行の関係にある。(問改)
4.売主が目的物の引渡しについて履行の提供をした場合でも,その提供が継続されていないときは,買主は同時履行の抗弁権を失わない。
5.売買契約の目的不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは,買主は,抵当権消滅請求の手続が終わるまで,代金の支払を拒むことができる。(問改)

解答 1

MN3390H29-27 売主の担保責任 B

A所有の甲土地をBがCに対して売り渡す旨の契約(以下「本件売買契約」という。)が締結された場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.本件売買契約が締結された時に,Aが甲土地を他の者に譲渡する意思がなく,BがAから甲土地の所有権を取得することができない場合であっても,本件売買契約は有効に成立する。
イ.Bが死亡し,AがBを単独で相続したときは,Aは,Cに対し,甲土地の売主としての履行を拒むことはできない。
ウ.Cが甲土地の引渡しをBから受けるのと同時にBに対して甲土地の代金を支払ったが,Bが甲土地の所有権を取得することができなかったことから,Cは,本件売買契約を解除した。その後,CがAから甲土地の引渡しを請求されたときは,Cは,Bから甲土地の代金の返還を受けるまで,甲土地を留置することができる。
(エ.本件売買契約が締結された時にBが甲土地の所有権がBに属しないことを知らず,Cが甲土地の所有権がBに属しないことを知っていた場合において,Bが甲土地の所有権を取得してCに移転することができないときは,Bは,Cに対し,甲土地の所有権を移転することができない旨を通知して,本件売買契約を解除することができる。)問題不適当
オ.Cが本件売買契約の締結時に甲土地の所有権がBに属しないことを知らなかった場合において,Bが甲土地の所有権を取得してCに移転することができないときは,Cは,甲土地の所有権がBに属しないことを知った時から1年以内に通知しない限り,本件売買契約を解除することができる。(問改) 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 2

MN3410H25-24K 売主の担保責任 B

売主の担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものは,後記1から5までのうちどれか。(問改) 
1.他人の土地の売買において,売主がその土地を取得して買主に移転することができない場合であっても,契約の時に売主がその土地が自己に属しないことを知らなかったときは,売主は,契約の解除をすることができる。
2.売買の目的物である建物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において,買主がその滅失を知らなかったときは,買主は,その滅失していた部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
3.判例によれば,数量を指示してした土地の売買において数量が超過する場合には,売主は,数量が不足する場合の代金の減額に関する民法の規定の類推適用により,代金の増額を請求することができる。
4.売買の目的物である土地のために存すると称した地役権が存しなかった場合における買主の契約の解除は,買主が事実を知った時から1年以内に通知しなければならない。(問改)
5.競売の目的物である土地が留置権の目的である場合において,買受人は,そのことを知らず,かつ,そのために買受けをした目的を達することができないときであっても,契約の解除をすることができない。(問改)

解答 2

MN3420R01-24 売買契約 A

AとBは,平成31年4月1日,A所有の中古自転車(以下「甲」という。)を,同月10日引渡し,同月20日代金支払の約定でBに売却する旨の売買契約を締結した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.甲は,平成31年4月8日,Bの責めに帰すべき事由により滅失した。この場合において,AがBに対して同月20日に代金の支払を請求したときは,Bは,この請求を拒むことができない。
(イ.Aは,Bに対し,平成31年4月10日,甲を引き渡したが,甲には売買契約の締結前から隠れた瑕疵があった。この場合において,その瑕疵の存在により契約をした目的を達することができないときは,Bは,売買契約を解除することができる。)解答不能
ウ.Aは,Bに対し,平成31年4月10日,甲を引き渡したが,Bは,同月20日を経過しても代金を支払わず,同月21日,事情を知らないCに甲を売却し,引き渡した。この場合において,Aが相当の期間を定めて催告してもBが代金を支払わないときは,Aは,Bとの間の売買契約を解除し,Cに対し,甲の返還を求めることができる。
エ.AがBに約定どおり甲を引き渡さなかったことから,Bは,Aに対し,平成31年4月21日,代金につき弁済の提供をしないまま,甲の引渡しを求めた。この場合,Aは,Bに対し,同時履行の抗弁権を主張して,Bからの引渡請求を拒むことができる。
オ.Aは,Bに対し,平成31年4月25日,甲を引き渡したが,Bは,Aに対し,その後も代金を支払っていない。この場合,Aは,Bに対し,甲の代金及び同月21日からの利息の支払を求めることができる。
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 5

MN3421R02-23 売買契約 B

AB間においてAの所有する中古の時計甲の売買契約が締結された場合について述べた次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売買契約において,Aが甲を引き渡した日から1か月後にBが代金を支払うことが定められていた場合であっても,A及びBの債務の履行後に第三者Cの詐欺を理由として契約が取り消されたときの双方の原状回復義務は,同時履行の関係に立つ。
イ.売買契約の締結時に甲がDの住所に存在していたときであっても,引渡しをすべき場所について別段の意思表示がない限り,甲の引渡場所はBの現在の住所である。
ウ.Bが,Eとの間で,売買契約における買主たる地位をEに譲渡する旨の合意をした場合,Aの承諾の有無にかかわらず,買主たる地位はEに移転する。
エ.売買契約において契約の締結時には出生していなかったFに甲の所有権を取得させることが定められた場合,売買契約は無効である。
オ.売買契約において第三者Gに甲の所有権を取得させることが定められ,Gの受益の意思表示がされた後,Aが甲の引渡しを遅滞した場合,Bは,Gの承諾を得なければ,売買契約を解除することができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 2

MN3422R02-15 売買契約の締結後の事情 B

AとBは,Aが所有する骨董品甲をBに100万円で売却する旨の売買契約を締結した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.売買契約の締結後,Bが代金100万円を支払ったが,引渡期日前に,AがBに対して甲を引き渡すつもりは全くないと告げ,Bの働きかけにもかかわらず翻意しないときは,Bは,引渡期日の到来を待つことなく,Aに対し,債務の履行に代わる損害の賠償を請求することができる。
イ.売買契約の締結の前日に甲が焼失していたときは,当該売買契約は効力を生じない。
ウ.売買契約の締結後,Bが代金100万円を支払ったが,Aが甲をBに引き渡す前に,甲がBの責めに帰すべき事由により焼失した場合において,Aが甲の焼失による損害をてん補するために支払われる損害保険金70万円を得たときは,Bは,Aに対し,70万円の支払を請求することができる。
エ.売買契約の締結後,Aが甲をBに引き渡す前に,甲が第三者の失火により焼失したときは,Bの代金支払債務は当然に消滅する。
オ.Aが引渡期日に甲の引渡しの提供をしたところ,Bが正当な理由なく受領を拒絶したため,Aの下で甲を保管中に,Aの重過失により甲が滅失したときは,Bは,代金の支払を拒むことができない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 1

MN3430H29-11Y 買戻し B

不動産の売買契約と同時にされた買戻しの特約に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.買戻しの期間は,10年を超えることができない。
イ.買戻しの特約において,その期間を定めたときであっても,後日これを伸長することができる。
ウ.売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは,買戻しは,第三者に対抗することができる。(問改)
エ.売主は,買戻しの特約により,買主が支払った代金及び契約の費用(別段の合意をした場合はその合意により定めた金額)を返還して,売買の解除をすることができる。(問改)
オ.売主が買戻しの実行をしたときは,買主は,売買契約締結後買戻しの実行までの間に取得した果実を売主に返還しなければならない。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 3

第6編 契約各論 第4章 消費貸借

MN3440H24-25 消費貸借 A

消費貸借に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。 
1.消費貸借は,金銭でない物を目的としてすることができる。
2.無利息の金銭消費貸借は,書面でしなければ,その効力を生じない。
3.返還の時期が暦日である確定期限で定められた場合,貸主が目的物の返還を請求する訴訟において,原告は,その期限の到来を主張する必要があるが,暦日の到来は顕著な事実であるから証明することを要しない。
4.消費貸借により貸し渡された金銭の返還義務を目的として準消費貸借をすることは許されない。(問改)
5.消費貸借の予約は,その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは,その効力を失う。

解答 2,4

MN3450H26-25 消費貸借 B

消費貸借に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.利息付きの消費貸借において,借主は,特約のない限り,元本を受け取った日を含めた利息を支払わなければならない。(問改)
2.民法上の消費貸借は,利息に関する約定をしなかった場合,無利息の消費貸借となる。
3.利息付きの消費貸借において,物に契約不適合があったときは,貸主は,契約不適合がない物をもってこれに代えなければならない。(問改)
4.消費貸借の予約は,その後に借主が破産手続開始の決定を受けた場合であっても,その効力を失わない。
5.借主は,契約に定めた時期に先立って返還することができるが,貸主の利益を害することはできない。

解答 4

MN3460H30-23K 金銭消費貸借 A

民法上の金銭消費貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.金銭消費貸借の予約は,書面によらなければならない。
イ.貸主が借主の指示する第三者に金銭を交付した場合であっても,金銭消費貸借は効力を生ずる。
ウ.金銭消費貸借において,反対の意思の表示がない限り,貸主は法定利率による利息を請求することができる。
エ.金銭消費貸借において貸主が利息を請求することができる場合,借主は,特約のない限り,元本を受け取った日を含めて利息を支払わなければならない。
オ.金銭消費貸借において,返還場所に関する合意をしなかった場合には,借主は貸主の現在の住所に弁済金を持参して返還をしなければならない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 1

第6編 契約各論 第5章 使用貸借

MN3490H26-24 使用貸借 B

使用貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.当事者が返還時期及び使用収益の目的を定めなかった場合,貸主は,相当の期間を定めて返還の催告をしなければ,使用貸借の目的物の返還を求めることはできない。
イ.判例によれば,建物の借主がその建物に課される公租公課に相当する額を全て負担している場合には,特別の事情のない限り,当該建物の貸借関係を使用貸借と認めることはできない。
ウ.貸主は,使用貸借の目的物に瑕疵があることを知っていた場合,その存在を借主に告げていれば,瑕疵担保責任を負わない。
エ.借主は,使用貸借の目的物について,善良な管理者の注意をもって保管する義務を負う。
オ.借主が死亡した場合,その相続人は,使用貸借の目的物を借主として使用収益する地位を承継する。 
1.ア エ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 5

MN3500H30-24 使用貸借 A

使用貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
解答不能(ア.建物の使用貸借において,目的建物に瑕疵があり,貸主がそれを知らなかったことについて過失がある場合には,貸主は担保責任を負う。)
イ.Aの共同相続人の一人であるBが相続開始前からAの許諾を得て遺産である建物においてAと同居していた場合,BはAの死亡時から遺産分割により当該建物の所有関係が最終的に確定するまでの間であっても,当該建物を無償で使用することができない。
ウ.建物所有者AとBの間で,Aの海外赴任中に限り無償でその所有建物をBが借り受ける旨の合意をしたが,その引渡し前に,Aが第三者Cと賃貸借契約を締結して当該建物を引き渡した場合,BはAに対して,使用貸借契約に基づく債務の不履行による損害賠償請求をすることができる。(問改)
エ.借主が有益費を支出した場合において,その価格の増加が現存するときは,貸主は,その選択に従い,借主が支出した金額又は増価額のいずれかを償還すれば足りる。
オ.借主が貸主に無断で第三者に借用物を引き渡して使用させたときは,貸主は,借主に対して,催告をしなければ,契約を解除することができない。 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 4

MN3501R03-25 使用貸借 A

Aは,Bとの間で,Aが所有する甲建物をBに使用させる旨の使用貸借契約を締結した。この場合におけるAB間の法律関係について述べた次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.Bは,Aの承諾がなくても,甲建物を第三者に使用させることができる。
イ.AB間の使用貸借契約が書面によるものでないときは,Aは,甲建物をBに引き渡すまでは,いつでもその契約を解除することができる。
ウ.Bは,甲建物について通常の必要費を支出したときは,その必要費をAに請求することができる。
エ.AB間の使用貸借契約は,Bが展示会乙を開催することを目的とするものであった場合には,貸借期間を合意で決めていなかったとしても,展示会乙の会場としての使用を終えることによって終了する。
オ.Bは,甲建物を使用するに当たり,その壁面に取り外しができる棚を造り付けた。Bは,使用貸借契約が終了したときは,その取り外しに過分の費用を要するのでない限り,その棚を収去しなければならない。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 1

第6編 契約各論 第6章 賃貸借

MN3530H28-25 賃貸借 A

不動産賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.建物所有を目的とする土地賃貸借の賃借人が,その親族名義で所有権保存登記をした建物を借地上に所有していても,当該借地の新取得者に対し借地権を対抗できない。
イ.自己の所有建物を賃貸して賃借人に引き渡した者が,賃貸借契約継続中に当該建物を第三者に譲渡してその所有権を移転した場合には,賃貸人たる地位を譲渡する旨の旧所有者と新所有者間の合意がなければ,賃貸人の地位は新所有者に移転しない。
ウ.対抗力のない賃借権が設定されている土地の所有権の譲渡において,新所有者が旧所有者の賃貸人としての地位を承継するには,賃借人の承諾は必要でない。
エ.土地賃貸借の賃借人は,当該土地の所有権移転に伴い賃貸人たる地位を譲り受けた者に対し,当該土地の所有権移転登記が経由されていないことを理由として,賃料の支払請求を拒むことができない。
オ.建物賃貸借契約において,当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位の承継があった場合は,承継の時点で旧賃貸人に対する未払の賃料債務があっても,旧賃貸人に差し入れられた敷金全額についての権利義務関係が新賃貸人に承継される。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 1

MN3540H30-11Y 賃貸借 A

不動産の賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.所有者の承諾を得ずにされた他人物賃貸借の賃借人は,後日,所有者からその明渡しの請求を受けたときは,それ以後,賃貸人に対して賃料の支払を拒むことができる。
イ.対抗力のある賃借権を有する賃借人は,賃貸人の承諾を得ずに賃借権を第三者に譲渡し,又は賃借物を第三者に転貸することができる。
ウ.対抗力のある賃借権が設定された不動産の譲渡がされた場合において,新所有者が旧所有者の賃貸人としての地位を承継するには,賃借人に対して承継の通知をしなければならない。
エ.賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において,そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは,賃借人は,契約の解除をすることができる。
オ.賃貸借は,賃貸人の死亡又は賃借人の死亡のいずれの場合であっても,当然には終了しない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 3

MN3580H26-26 賃貸借 A

賃貸借契約において敷金が差し入れられていた場合に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。 
1.建物の賃貸借契約において,目的建物の譲受人が賃貸人たる地位を承継した場合,敷金は譲渡人に対する賃貸借契約上の債務があればこれに充当された上で譲受人に承継されるため,賃借人は,賃貸借契約が終了し目的建物を明け渡したときは,譲受人に対し,敷金の返還を請求することができる。
2.土地の賃貸借契約において,目的土地上の建物の所有権が土地賃借権とともに譲渡され,その土地賃借権の譲渡について賃貸人の承諾がある場合,敷金についての権利関係も土地賃借権とともに移転するため,土地賃借権の譲受人は,契約が終了し目的土地を明け渡したときは,賃貸人に対し,譲渡人が差し入れていた敷金の返還を請求することができる。
3.建物の賃貸借契約において,契約が終了し目的建物が明け渡された後に敷金の返還請求がされた場合,賃料の未払があるときは,敷金が当然に充当されるため,賃貸人が賃借人に相殺の意思表示をする必要はない。
4.敷金は賃借人が賃貸借期間中に負担する債務を担保するものであるから,賃借人は,賃料の未払がある場合であっても,差し入れてある敷金をもって賃料債務に充当する旨を主張することにより,敷金の額に満つるまでは,未払賃料の支払を拒むことができる。
5.建物の賃貸借契約において,敷金返還請求権は,賃貸借契約が終了し目的建物が明け渡された時点において,それまでに生じた被担保債権を控除した残額につき具体的に発生するものであるから,賃貸借契約が終了した後であっても,目的建物が明け渡される前においては,転付命令の対象とはならない。

解答 2,4

MN3590H25-25 賃貸借 A

Aは,Bとの間で,期間を平成22年10月1日から起算して2年とし,賃料を毎月末日に当月分を支払うとの約定で,B所有の甲建物を賃借する旨の契約を締結し,敷金をBに交付して,甲建物の引渡しを受けた。その後,Bが,Aに断りなく,甲建物をCに売却し,その日のうちにCへの所有権移転登記もされた。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われた場合,Cは,Aに対し,平成23年11月1日以降の賃料を請求することができる。
イ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われたが,その時点でAの延滞賃料が発生していた場合,Cは,Aに対し,その延滞賃料を請求することができない。
ウ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われたが,Aが甲建物について有益費を支出したのがそれ以前の平成23年9月30日であった場合には,平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した時点でその価格の増加が現存するときであっても,Aは,Cに対し,その有益費の償還を請求することはできない。
エ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われた後,平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した場合,Aは,甲建物をCに明け渡した上で,Cに対し,敷金の返還請求権を行使することができる。
オ.平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した後,Aが甲建物を明け渡す前に甲建物が売却された場合,Aは,甲建物をCに明け渡した上で,Cに対し,敷金の返還請求権を行使することができる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 4

MN3610H26-11Y 賃貸借 A

建物の賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.賃借人は,賃貸借の目的建物が修繕を要する状態になった場合,賃貸人が既にこれを知っているときを除き,目的建物が修繕を要する旨を遅滞なく賃貸人に通知しなければならない。
イ.賃借人は,賃貸人が賃借人の意思に反して賃貸借の目的建物を保存するために修繕をしようとする場合,これを拒絶することができる。
ウ.賃借人は,賃貸借の目的建物の改良のために工事費用を支出した場合において,その価格の増加が現存するときは,その工事について賃貸人から了解を得ていないときであっても,賃貸人の選択に従い,その支出した費用の額又は目的建物の増価額について,賃貸借の終了時にその償還を賃貸人に請求することができる。
エ.賃借人は,賃貸借の目的建物の保存のために必要な費用を支出した場合,賃貸借が終了する前であっても,直ちにその費用の償還を賃貸人に請求することができる。
オ.期間の定めがある場合において,賃貸人が期間の満了の1年前から6月前までの間に賃借人に対して更新をしない旨の通知をしたときには,その契約が更新されることはない。 
1.ア エ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 4

MN3620R01-25 賃貸借 B

資材置場とするためにされた建物所有を目的としない土地の賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.賃貸借は,書面でしなければ,その効力を生じない。
イ.賃貸借の存続期間は,50年を超えることができない。(問改)
ウ.当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても,賃貸人がその期間内に解約をする権利を合意により留保したときは,賃貸人は,いつでも解約の申入れをすることができる。
エ.賃貸借の期間が満了した後賃借人が土地の使用を継続する場合において,賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは,従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定される。
オ.賃貸借の期間を定めなかった場合において,当事者が解約の申入れをしたときは,賃貸借は,解約申入れの意思表示が相手方に到達した時に終了する。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 2

MN3621R03-26 賃貸借 A

賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.処分の権限を有しない者は,短期賃貸借の存続期間を超える賃貸借をすることはできない。
イ.賃貸物である不動産が譲渡された場合,譲渡人と譲受人との間で賃貸人たる地位を譲受人に移転させる旨の合意をしても,賃借人の承諾がなければ,賃貸人たる地位を譲受人に移転させることはできない。
ウ.不動産賃貸借の対抗要件を備えた賃借人は,その不動産を第三者が正当な権原なく占有しているときには,その第三者に対して返還の請求をすることができる。
エ.耕作を目的とする土地の賃借人は,不可抗力によって賃料より少ない収益しか得られなかったときであっても,賃料の減額を請求することはできない。
オ.賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には,賃貸借はこれによって終了する。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 3

MN3650H28-35 地上権と土地賃借権 A

地上権及び土地賃借権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.地上権と土地賃借権は,いずれも抵当権の目的とすることができない。
イ.土地所有者は,地上権者に対し,土地を使用に適する状態にする義務を負わないが,賃貸人は,賃借人に対し,土地を使用に適する状態にする義務を負う。
ウ.地上権者は,土地所有者の承諾を得ることなく地上権を第三者に譲渡することができるが,賃借人は,賃貸人の承諾又はそれに代わる裁判所の許可を得なければ,土地賃借権を譲渡することができない。
エ.判例によれば,地上権は時効により取得できるが,土地賃借権は時効により取得できない。
オ.土地について有益費を支出し,その価格の増加が現存する場合において,地上権者と賃借人は,いずれも,その選択に従い,支出した金額又は増価額の償還を土地所有者に請求することができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ ウ  4.イ オ  5.エ オ

解答 3

MN3660H27-24K 賃貸借と使用貸借 A

賃貸借及び使用貸借に関する次の1から4までの各記述のうち,使用貸借にのみ当てはまるものはどれか。なお,本問において,賃貸借の賃貸人及び使用貸借の貸主は,いずれも「貸主」といい,賃貸借の賃借人及び使用貸借の借主は,いずれも「借主」という。 
1.借主は,目的物の通常の必要費を負担する。
2.借主は,契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い,目的物の使用及び収益をしなければならない。
3.貸主が死亡した場合,契約は当然に終了する。
4.借主は,契約が終了した場合,目的物を原状に復さなければならないが,借主が目的物に附属させた物を収去するには,貸主の同意を得る必要がある。

解答 1

MN3670H27-23 賃貸借と消費貸借 A

賃貸借契約及び消費貸借契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.賃貸借契約において賃貸人が目的物の所有者である場合,その目的物の所有権は賃借人に移転しないが,消費貸借契約において貸主が目的物の所有者である場合,その目的物の所有権は借主に移転する。
イ.賃貸借契約は,諾成契約であるから,当事者間の合意によって成立するが,消費貸借契約は,要物契約であるから,当事者間で,当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し,相手方がその引渡しを受けた物と種類,品質及び数量の同じ物をもって返還することを約したとしても,その合意は無効である。
ウ.賃貸借契約における賃料の支払時期も,利息付きの消費貸借契約における利息の支払時期も,当事者の合意により自由に定めることができる。
エ.賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合に貸主が解約の申入れをしたときは,借主は,法定の期間内は目的物を返還しなくても遅滞の責任を負わないが,消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合に貸主が返還を請求したときは,借主は,直ちに目的物を返還しなければ遅滞の責任を負う。
オ.賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合,借主はいつでも解約の申入れをすることができるが,消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合,無利息の消費貸借契約のときに限り,借主はいつでも解約の申入れをすることができる。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 1

MN3680H24-26K 転貸借 A

転貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.土地の賃借人が賃貸人の承諾を得て当該土地を転貸したときは,原賃貸借の賃貸人と賃借人との間で原賃貸借を合意解除しても,これをもって転借人に対抗することができない。
イ.建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て当該建物を転貸した場合において,原賃貸借が賃借人(転貸人)の賃料不払を理由とする解除により終了したときは,転貸借は,原賃貸借の賃貸人が転借人に対して当該建物の返還を請求した時に,転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。
ウ.建物所有を目的とする土地賃貸借の賃借人が,その土地上に建築した建物を第三者に譲渡しようとする場合において,その第三者が土地の転借をしても原賃貸借の賃貸人に不利となるおそれがないにもかかわらず,当該賃貸人がその転貸を承諾しないときは,裁判所は,原賃貸借の賃借人の申立てにより,承諾に代わる許可を与えることができる。
エ.建物所有を目的とする土地賃貸借の賃借人が,当該土地上に建物を建築し,土地の賃貸人の承諾なくして当該建物を第三者に賃貸し,使用収益させることは,土地の無断転貸に該当する。
オ.無断転貸を理由とする解除権は,原賃貸借の賃貸人が転貸借契約が締結されたことを知った時から10年間行使しないときは,時効によって消滅する。(問改) 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

MN3690H27-25 転貸借 A

Aは,Bとの間で,Aが所有する2階建ての甲建物を月額50万円の賃料で賃貸する旨の契約を締結し,甲建物をBに引き渡した。その後,Bは,Aの承諾を得て,Cとの間で,甲建物を月額50万円の賃料で転貸する旨の契約を締結し,甲建物をCに引き渡した。それからしばらくして甲建物の屋根の不具合により雨漏りが発生し,Cは,甲建物の2階部分を使用することができなくなった。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Cは,Bに対し,甲建物の屋根の不具合を修繕するよう請求することができる。
イ.Cは,Bが甲建物の屋根の不具合の修繕を拒絶するときは,Aに対し,甲建物の屋根の不具合を修繕するよう請求することができる。
ウ.AがBに対して甲建物の2階部分を使用することができなくなった日以後の賃料の支払を請求した場合,Bは,甲建物の2階部分の割合に相当する賃料については,その支払を拒絶することができる。
エ.AがCに対して甲建物の2階部分を使用することができなくなった日以後の賃料の支払を請求した場合,Cは,甲建物の2階部分の割合に相当する賃料についても,その支払を拒絶することができない。
オ.判例によれば,甲建物の屋根の不具合がCの責めに帰すべき事由によって生じた場合,Aは,Bに対し,甲建物の屋根の不具合により生じた損害の賠償を請求することができない。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ

解答 1

MN3700H30-25 転貸借 A

Aは,Bに対し,Aの所有する甲建物を賃料月額10万円で賃貸し,甲建物をBに引き渡した。その後,Bは,Cに対し,甲建物を賃料月額12万円で賃貸し,甲建物をCに引き渡した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBC間の賃貸借を承諾していた場合,Aは,Cに対し,甲建物の賃料として月額12万円の支払を請求することができる。
イ.AがBC間の賃貸借を承諾していた場合,Cは,甲建物の修繕を直接Aに対し請求することができない。
ウ.AがBC間の賃貸借を承諾していた場合において,AがBとの間で甲建物の賃貸借を合意解除したときは,Aは,Cに対し,甲建物の明渡しを請求することができる。
エ.AがBC間の賃貸借を承諾していなかった場合において,AB間の賃貸借が終了したときは,Aは,Cに対し,所有権に基づく甲建物の明渡しを請求することはできるが,AB間の賃貸借の終了に基づく甲建物の明渡しを請求することはできない。
オ.AがBC間の賃貸借を承諾していなかった場合,Aは,当然にAB間の賃貸借を解除することができる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 3

MN3701R02-25K 賃貸借 A

賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.賃貸不動産が譲渡され,その不動産の賃貸人たる地位がその譲受人に移転したときは,譲渡人が負っていた賃借人に対する費用の償還に係る債務は,譲受人が承継する。
イ.賃貸人は,賃借人の責めに帰すべき事由によって賃貸物の使用及び収益のために修繕が必要となったときであっても,その修繕をする義務を負う。
ウ.賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において,それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは,賃料は,その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて,減額される。
エ.賃借人が適法に賃借物を転貸し,その後,賃貸人が賃借人との間の賃貸借を合意により解除した場合,賃貸人は,その解除の当時,賃借人の債務不履行による解除権を有していたときであっても,その合意解除をもって転借人に対抗することはできない。
オ.賃貸借が終了した場合,賃借人は,通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗については,原状に復する義務を負わない。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 3

第6編 契約各論 第8章 請負

MN3720H24-27 請負 B

請負に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.請負が注文者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは,請負人は,注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。(問改)
イ.請負人が仕事を完成しない間は,注文者は,いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
ウ.注文者が死亡したときは,請負契約は終了する。
エ.請負における仕事の目的物に種類又は品質に関して契約に不適合がある場合であっても,注文者は,その契約不適合が重要でなく,その修補に過分の費用を要するときは,目的物の修補を請求することができない。(問改)
オ.仕事を完成して目的物を引き渡すことを内容とする請負において,注文者による目的物の不適合を理由として履行の追完の請求は,目的物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。(問改) 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ 4.ウ エ  5.ウ オ(問改)

解答 5

MN3730H27-26 請負 A

請負契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.請負人が債務の本旨に従って仕事を完成した後であっても,注文者は,損害を賠償して契約の解除をすることができる。
イ.判例によれば,建物の建築を目的とする請負契約の請負人は,自ら材料を提供したか,注文者が材料を提供したかにかかわらず,完成した建物の所有権を取得する。
ウ.注文者が破産手続開始の決定を受けたときは,請負人は,契約の解除をすることができる。
エ.仕事の目的物の引渡しを要する場合には,注文者は,仕事の目的物の引渡しを受けるまで,請負人に対し,報酬の支払を拒むことができる。
オ.請負人は,注文者との間で契約不適合責任を負わない旨の特約をした場合であっても,種類・品質に関する契約不適合にあることを知りながらこれを注文者に告げずに仕事の目的物を引き渡したときには,その不適合についての担保責任を免れることができない。(問改) 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 1

MN3750H27-27K 請負 A

請負人の担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.仕事の目的物の引渡しを要する場合において,その引渡しの時に目的物の種類・品質に関する契約不適合が明らかであったときは,請負人は担保責任を負わない。(問改)
イ.仕事の目的物に種類・品質に関する契約不適合がある場合,注文者は,その不適合の修補に代えて,又はその修補とともに,損害賠償の請求をすることができる。(問改)
ウ.仕事の目的物の種類・品質に関する契約不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合,請負人は,その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き,担保責任を負わない。(問改)
エ.仕事の目的物に種類・品質に関する契約不適合がある場合において,その不適合を修補することが不能であるときは,注文者は,請負契約を解除することができる。(問改)
解答不能(オ.仕事の目的物の引渡しを要しない場合,請負人の瑕疵担保責任の存続期間は,その仕事が終了した時から起算する。) 
1.ア イ  2.ア エ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 2

MN3760H29-28 請負 A

請負に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.請負人は,仕事の目的物の引渡しを要する場合には,これを引き渡した後でなければ,報酬を請求することができない。
イ.請負人が仕事の目的物を引き渡した場合において,その目的物に種類・品質に関する契約不適合があり,注文者が不適合の修補に代わる損害賠償を請求したときは,注文者は,その賠償を受けるまでは報酬全額の支払を拒むことができる。(問改)
ウ.建築請負の目的物である建物に重大な欠陥があって建て替えるほかはない場合であっても,注文者は,請負人に対し,建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することはできない。(問改)
エ.請負人の担保責任の存続期間は,これを契約で伸長することができない。
オ.請負人が仕事を完成しない間は,注文者は,いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるが,契約の目的である仕事の内容が可分である場合において,請負人が既に仕事の一部を完成させており,その完成部分が注文者にとって有益なものであるときは,(未完成部分に限り),契約を解除することができる。 
1.ア ウ  2.ア エ 3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 4

MN3770R01-26K 請負 B

請負人の担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.仕事の目的物に契約不適合がある場合において,その修補に過分の費用を要するときは,注文者は,請負人に対し,不適合の修補を請求することができない。(問改)
イ.仕事の目的物に契約不適合があり,その修補を請求することができる場合であっても,注文者は,請負人に対し,修補に代わる損害賠償を請求することができる。(問改)
ウ.仕事の目的物の契約不適合が注文者の与えた指図によって生じたときは,請負人は,その指図が不適合であることを知りながら注文者に告げなかったときであっても,担保責任を負わない。(問改)
エ.建物の建築の請負において,注文者による修補の請求は,建物が完成した時から1年以内にしなければならない。(問改)
オ.請負人は,担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても,知りながら告げなかった事実については,その責任を免れない。(問改) 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 4

第6編 契約各論 第9章 委任

MN3790H30-26 委任 A

委任に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.無償委任の受任者は,自己のためにするのと同一の注意をもって,委任事務を処理しなければならない。
イ.受任者は,いつでも,第三者に委任事務の処理を委託することができる。
ウ.受任者は,委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは,委任者に対し,その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
エ.委任は,受任者が後見開始の審判を受けたときは,終了する。
オ.受任者は,やむを得ない事由がなければ,委任契約を解除することができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 4

MN3800H25-26K 委任 A

委任に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.委任は,受任者からは,やむを得ない事由がなければ解除することができない。
2.受任者は,委任者の請求があるときは,いつでも委任事務の処理の状況を報告しなければならない。
3.委任者が死亡した場合でも,委任者の相続人がこれを受任者に通知せず,かつ,受任者が委任者の死亡を知らなかったときは,委任者の相続人は,委任者の死亡による委任の終了を受任者に対抗することができない。
4.報酬を支払う旨の特約がある場合において,委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは,受任者は,既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
5.受任者は,委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは,委任者に対し,自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。

解答 1

MN3810H28-26K 委任 A

委任契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.委任契約を債務不履行により解除したときは,その解除は,将来に向かってのみその効力を生ずる。
イ.準委任契約は,書面でしなくてもその効力を生ずるが,委任契約は,書面でしなければ,その効力を生じない。
ウ.受任者がその委任事務処理の必要上負担した債務を委任者に対し受任者に代わって弁済することを請求する権利については,委任者がこれを受働債権として相殺することはできない。
エ.委任契約は,受任者の死亡によって終了するが,委任者の死亡によっては終了しない。
オ.受任者は,特約がなくとも,委任者に対して報酬を請求することができる。 
1.ア ウ  2.ア オ  3.イ ウ  4.イ エ  5.エ オ

解答 1

MN3821R02-26 委任 A

委任に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.委任を解除した者は,その解除の時期にかかわらず,相手方に対する損害賠償責任を負わない。
イ.法律行為でない事務の委託については,法律行為の委任に関する民法の規定は準用されない。
ウ.受任者は,委任事務を処理するのに必要な費用につき,その費用を支払った後でなければ,これを委任者に請求することはできない。
エ.委任者が死亡しても委任が終了しないこととする当事者間の特約がある場合,委任は,委任者が死亡しても当然には終了しない。
オ.委任者が破産手続開始の決定を受けたことによって委任が終了した場合には,委任者は,破産手続開始の決定を受けたことを受任者に通知したとき,又は受任者が破産手続開始決定の事実を知っていたときでなければ,受任者に対し,委任の終了を主張することができない。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ 4.ウ エ  5.エ オ

解答 5

第6編 契約各論 第10章 寄託

MN3830H24-11Y 寄託 B

寄託に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか 。
ア.無償の寄託は受寄者が寄託物を受け取ることによって効力を生ずるが,有償の寄託は当事者間の合意によってその効力を生ずる。
イ.返還時期の定めがある寄託においても,寄託者は,いつでも目的物の返還を請求することができる。
ウ.商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合には,無報酬のときであっても,善良な管理者の注意をもって寄託物を保管する義務を負う。
エ.返還時期の定めのない消費寄託において,寄託者が返還を請求するには,相当の期間を定めて催告をすることを要する。
オ.寄託者は,原則として寄託物の瑕疵によって受寄者に生じた損害を賠償する義務を負うが,過失なくその瑕疵を知らなかったときは免責される。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 2

MN3840H25-27 寄託 A

寄託に関する次の1から4までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.有償の寄託契約において,寄託物を返還する時期について定めがある場合,受寄者は,その期限前であっても,保管料を返還することにより,寄託物を寄託者に返還することができる。
2.受寄者は,寄託物について権利を主張する第三者から訴えを提起されたときは,遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。
3.有償の寄託契約においても,受寄者が自己の財産に対するのと同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う旨の合意がされた場合には,その合意は有効である。
4.寄託物の瑕疵によって受寄者に損害が生じた場合,寄託者は,過失なくその瑕疵を知らなかったとき,又は受寄者がこれを知っていたときを除き,その損害を受寄者に賠償しなければならない。

解答 1

MN3850H29-29 寄託 B

寄託に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,次のアからエまでの各記述の寄託は,消費寄託ではないものとする。 
ア.受寄者は,無償で寄託を受けた場合には,自己の財産に対するのと同一の注意をもって,寄託物を保管すれば足りる。
イ.寄託者は,有償か無償かを問わず,過失なく寄託物の性質若しくは瑕疵を知らなかったとき,又は受寄者がこれを知っていたときを除いて,寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。
ウ.受寄者は,寄託者の承諾を得なければ,寄託物を使用し,又は第三者にこれを保管させることができない。
エ.受寄者は,寄託物の返還時期の定めがあるときであっても,寄託者に対して返還する旨の通知をした後,相当の期間が経過すれば,返還時期の前に寄託物を返還することができる。
オ.消費寄託における寄託者は,寄託物の返還時期の定めがあるときであっても,いつでも寄託物の返還を請求することができる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ(問改) 

解答 4

MN3851R03-27K 寄託 A

寄託に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.寄託は,当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し,相手方がこれを承諾することによって,その効力を生ずる。
イ.受寄者は,寄託者の承諾を得なくても,やむを得ない事由があるときは,寄託物を第三者に保管させることができる。
ウ.受寄者は,寄託物について権利を主張する第三者から訴えを提起された場合には,寄託者が既にこれを知っているときを除き,遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。
エ.当事者が寄託物の返還の時期を定めた場合には,寄託者は,その返還の時期が到来するまで寄託物の返還を請求することができない。
オ.複数の者が寄託した物の種類及び品質が同一である場合には,受寄者は,各寄託者の承諾を得なくても,これらを混合して保管することができる。 
1.ア イ 2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

第6編 契約各論 第11章 組合

MN3870H25-28 組合 A

組合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.組合員は,組合の清算前には,組合財産の分割を求めることはできない。
イ.組合契約において,やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨を合意した場合,その合意は無効である。
ウ.組合契約において,ある組合員が損失を分担しない旨を合意した場合,その組合員は,他の組合員に対し,当該合意の効力を主張することができる。
エ.組合解散後に死亡した組合員の相続人は,残余財産分配請求権を相続しない。
オ.死亡した組合員の相続人は,残存組合員の全員の意思表示があれば,当該相続人の意思にかかわらず組合員となる。 
1.ア イ  2.ア ウ  3.イ エ  4.ウ オ  5.エ オ

解答 5

MN3880H25-13Y 組合 B

組合に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 
1.金銭を出資の目的とした場合,組合員がその出資をすることを怠ったときは,その利息を支払うほか,損害の賠償をしなければならない。
2.業務執行組合員については,正当な事由がある場合に限り,他の組合員の全員の一致によって解任することができる。
3.各組合員は,組合の業務を執行する権限を有しないときであっても,その業務及び組合財産の状況を検査することができる。
4.組合の存続期間を定めた場合,各組合員は,脱退することはできないが,やむを得ない事由があるときは,組合の解散を請求することができる。
5.脱退した組合員の持分は,その出資の種類を問わず,金銭で払い戻すことができる。

解答 4

MN3890H28-27 組合 A

民法上の組合に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.組合の債権者は,債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは,個々
の組合員に対して等しい割合で権利を行使することができる。
イ.組合の債務者は,その債務と組合員に対する債権とを相殺することができる。
ウ.組合は,不動産について組合名義の所有権移転登記を備えることはできない。
エ.除名された組合員は,持分の払戻しを受けることができない。
オ.組合は,その目的である事業の成功によって解散する。 
1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答 3

MN3891R02-27K 組合 B

組合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.組合員は,組合財産に属する金銭債権につき,その持分に応じて単独で権利を行使することができる。
イ.組合の業務の決定は,業務執行者があるときであっても,組合員の過半数をもってする。
ウ.組合の存続期間を定めた場合であっても,各組合員は,やむを得ない事由があるときは,脱退することができる。
エ.組合の成立後に新たに加入した組合員は,その加入前に生じた組合の債務について弁済する責任を負わない。
オ.組合員は,組合員の過半数の同意がある場合には,清算前に組合財産の分割を求めることができる。 
1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

解答 4

MN3892R03-28 組合 B

組合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 
ア.金銭を出資の目的とした場合には,その出資を怠った組合員は,その利息を支払うほか,損害の賠償をしなければならない。
イ.組合の債権者は,債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていた場合であっても,
その選択に従い,各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。
ウ.組合員の債権者は,組合財産について,その組合員の持分の限度で権利を行使することができる。
エ.組合契約において,当事者が損益分配の割合を定めなかったときは,利益及び損失は,各組合員に等しい割合で分配される。
オ.脱退した組合員は,その脱退前に生じた組合の債務について,従前の責任の範囲内で弁済する責任を負う。 
1.ア ウ  2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ  5.エ オ

解答 2

MN3900H30-27 和解の確定効 B

和解に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBに対してAB間の売買契約に基づく甲不動産の引渡しを請求したが,Bがこれを拒否したため争いを生じた場合には,AB間で,BがAに対して係争物とは全く関係のない乙不動産を譲り渡す旨の和解契約を締結することはできない。
イ.Aから債権を買い受けたBとその債権の債務者であるCとの間で和解契約が締結された。この和解に際しては,その債権に係る支払額が争われ,AB間の売買契約が有効か否かは争われていなかったが,後に売買契約が無効であることが判明したときは,Bは,当該和解契約の錯誤による取消しを主張することができる。(問改)
ウ.Aは,Bとの賭博に負けたため,Cに事情を話して小切手を振り出させ,これらの経緯を知るBに交付したところ,BC間で,小切手の支払金額につき争いが生じ,和解契約が成立した。この場合,BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
エ.Aは,Bの運転する自動車と接触し負傷したため,Bに対し損害賠償を請求したところ,AB間で,全損害を把握し難い状況の下において,BがAに対して早急に少額の賠償金を支払い,Aはそれ以外請求しない旨の和解契約が成立した。その後,Aに和解契約の当時は予期し得なかった後遺症が生じた。この場合,Aは,Bに対し,新たに生じた後遺症につき損害賠償を請求することができる。
オ.Aは,自己の所有する建物をBに賃貸したが,Bが賃料の支払を遅滞したため,Bに対して賃料の支払を請求し,AB間で,Bが以後賃料の支払を1か月分でも怠ったときには賃貸借契約は当然解除となる旨の和解契約が成立した。この場合,その後に賃料の不払があったときは,Bは,信頼関係の不破壊を主張して解除の効力を争うことができない。
1.ア イ  2.ア オ  3.イ エ  4.ウ エ  5.ウ オ

解答 2